《骸骨魔師のプレイ日記》地下墓地探索 その一

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【鎌】レベルが上昇しました。

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私達は特に問題無く『忘れられし地下墓地』、その二層目へ続く下り階段にたどり著いた。いや、武技の飛斬って便利だね。後方からずっと撃ってるだけで十分援護になってるし。威力こそ魔より低いけれど、私の魔力は潤沢故に連出來るので費用対効果は悪くない。早く新しい遠距離攻撃武技を獲得したいものだ。

「さて、ここからは未知の場所だ。ルビー、頼むぞ」

「任せてよ!」

ルビーはイベントで得たSPを使って、探索に役立つ能力(スキル)を全て獲得したらしい。豪快な使いっぷりだな!本格的に斥候職として活躍するつもりなのだ。粘(スライム)の特を活かして天井に張り付いて行出來るのはかなりの強みだから、どんどんばしてしいものである。

能書きはともかく、我々は第二層目に足を踏みれた。ここも真っ暗だな。【暗視】があるのでなんの問題も無いがな。

「ストップ。罠があるから、解除するよ」

おお、ルビーは早速罠を見付けたらしいな。天井から音もなく床へ降りると、粘(スライム)の一部を紐狀にしてばし、床と壁の境目にれていく。數秒後、カチッと音がしたかと思えばルビーから數メートル先の床が開いたではないか。

「ふぅ、解除完了」

どうやら落とし系の罠だったらしい。我々が上から落としを覗くと、底は剣山のようになっていた。落ちたら私以外はだらけだっただろうな。私?端から隙間だらけだから大差ないでしょ。

罠等への警戒はルビーに任せて私達は適當に採取しながら進んだ。骨やらなんやらは採取しないが、生えているキノコなどなら良いだろう。むしろ墓場の清掃にもなって一石二鳥だし。

ルビーはかなり目端が利くようで、次々と罠や隠し扉を見付けてくれる。ただし、隠し扉の奧は當然のように魔がいたのだが。

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種族(レイス):高位(ハイゾンビ) Lv22

職業(ジョブ):なし

能力(スキル):【拳】

力強化】

【筋力強化】

【防力強化】

【暗視】

【狀態異常無効】

【痛覚無効】

【火屬脆弱】

脆弱】

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うん。私が『呪いの墓塔』で腐るほど登場させた魔だな。あ、もう腐ってたか。

って下らん事を考えるのは止めようか。レベルはそこそこ高いし數も多かったが、我々の敵ではないな。私が弱點である火波(ファイアウェーブ)を使い、あとは全員で各個撃破するだけの簡単なお仕事だ。私なら更に罠を追加していたのだが、それは無いらしい。ここを造った者は甘いのだな。

そしてドロップアイテムは予想通りの品だった。説明文は以下の通り。

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魔石(闇) 品質:可 レア度:R(希級)

で生される石。闇屬の魔力をめている。

周囲の魔力を吸収・蓄積する。

吸収効率は品質に、最大魔力量はレア度に比例する。

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これで『黒鉄』は作れそうだな。高位(ハイゾンビ)はそれなりの數がいたので、二十個ほど手にれた。この調子なら全員分の闇屬が造れるかもしれないとアイリスは見立てている。高位(ハイゾンビ)は見付け次第狩る方針でいいな。

因みに隠し部屋にあったアイテムの多くはこれといった能力を持たないアクセサリー類ばかりだった。私の【鑑定】と【考古學】で確認しても骨董品や品としての価値しかないだそうだ。

ならば我々には必要無いだろう。それに、これらは全て副葬品だ。ゲームと言えども盜掘は好ましくない、とここでも源十郎が嫌がったのでアイテムは回収しなかった。闇屬の魔石という収穫もあったのだから問題はない。南無南無。

隠し部屋以外では一層目と同じく鼠男戦士(ラットマンウォリアー)や鼠男魔師(ラットマンメイジ)が出現した。強さは誤差の範囲だな。苦戦らしい苦戦は無かった。

さてさて三層目にると、ようやく歯応えのある敵が現れるようになった。それは鼠男騎士(ラットマンナイト)。鼠男將軍(ラットマンジェネラル)の取り巻き達だ。

あの時は私の熱霧(ヒートミスト)で弱った狀態でジゴロウ達に瞬殺されたが、ここでは鼠男戦士(ラットマンウォリアー)と鼠男魔師(ラットマンメイジ)を引き連れた指揮となっている。奇襲も出來ず、正面から戦うことになったので中々骨が折れたな。

その時に意外な活躍をしたのはアイリスだった。彼はイベントのボスとして戦った経験から、巖手(ローパー)の戦い方をマスターしたらしい。手で拘束した敵を締め上げたり、木槌と鉈で慘殺する手際は手慣れたものであった。これからは彼にも積極的に攻撃してもらおうかな。

◆◇◆◇◆◇

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種族(レイス)レベルが上昇しました。1SP獲得をしました。

職業(ジョブ)レベルが上昇しました。1SP獲得をしました。

【杖】レベルが上昇しました。

【鎌】レベルが上昇しました。

【魔力制】レベルが上昇しました。

【火炎魔】レベルが上昇しました。

【溶巖魔】レベルが上昇しました。

裂魔】レベルが上昇しました。

【付與】レベルが上昇しました。

【魔法陣】レベルが上昇しました。

新たに星魔陣の呪文を習得しました。

【呪】レベルが上昇しました。

【罠魔】レベルが上昇しました。

【降霊】レベルが上昇しました。

【邪】レベルが上昇しました。

【考古學】レベルが上昇しました。

【言語學】レベルが上昇しました。

【鑑定】レベルが上昇しました。

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かなり時間が掛かったが、なんとか三層目も踏破出來た。隈無く歩き回ったせいで幾度と無く戦闘になったが、広さ自は一層目から徐々に狹くなっているようだな。ならば四層目はより狹くなっているのだろうか?解らないが、狹くなっているという前提でくのは止めておこう。油斷はだ。

さて、ここで一度休憩としよう。ここまでの連戦で大分消耗したからな。集中力を回復させるためにも休息をとるのは大事だ。

今回は私とアイリス、ジゴロウの三人が先に休ませてもらうことになった。こういう時は大私が殘っていたので、ルビーと源十郎が気を利かせてくれたのである。いやぁ、持つべきものは頼れる仲間だな!

◆◇◆◇◆◇

はい、帰って來ました。アイリスとジゴロウはまだ…おっと、戻ったか。三人が戻ったので見張り役だった二人が一旦ログアウトしていく。ゆっくり休憩してくるといい。

「そう言えばよ、イザーム。あの卵はどうなったんだ?」

「卵?ああ、インベントリにれっぱなしだったな」

前回のイベントの報酬の片割れである魔の卵。あれから何も確かめていなかったな。今週は【鎌】のレベル上げに忙しかったせいだ。どれ、出してみるとするか。

「ええっと、これだ…な?」

あの、これ、魔の卵ですよね?貰った時よりかなり大きくなってる上に、殻が真っ黒で所々に赤い斑點という不気味なじになってるんですが?しかも見間違いでなければどす黒いオーラまで出ているぞ…?

「うわっ!凄ぇことになってんな!」

「これ、何が産まれるんでしょうね…?」

ジゴロウは楽しそうだが、アイリスは結構引いている。いやいや、私がわざとやった訳じゃないんだ!あ、でも私の魔力を吸収して長するんだっけ?なら私のせいではあるのか…。

いや、待て!なら私の魔力はこんな悍ましい力と言うことなのか?まあ一般人が恐怖するという深淵系魔を網羅しているから仕方がないのかもしれないが。

しかし、明らかに強そうな魔が産まれそうな雰囲気を漂わせているのも事実。ポジティブに考えよう、うん。

「っていうか、何時産まれるんだ?」

「解らん。その辺りの説明が全くないからな」

説明文に産まれるタイミングについての記述が一切無いからなぁ。取り敢えず、インベントリにれていても問題無く長しているからこのままでいいだろう。私は見た目がガラリと変わっていた卵を徐にしまった。

「あ、話は変わるんですけど、第二陣用のPVが公開されてましたよ。二人とも観ましたか?」

そうだったのか、知らなかったぞ。私は正直に首を振る。ジゴロウもチェックしてなかったらしく、私と同様に首を振っていた。

「なら、この機會に観ませんか?ちょっとずつですけど、私達全員の活躍シーンがあるんですよ」

「ほほう、それは興味深いな」

「いいねぇ!早く観ようや!」

では早速、見てみるとしよう。最初は闘技大會の様子だな。おっ、個人戦で勇者君が優勝した時の試合や當時盛り上がった騎馬に乗ったプレイヤーによる無雙劇。最後はパーティー戦で勇者君と達が勝ってフィニッシュか。

次は闘技大會と同時に開催されていた生産アイテムの品評會の様子か。おおー、々あるんだな。けど、アイリスの方が質の良いアイテムを作れるからなぁ。まぁ生産がしたい新規からすると魅力的なんだろうな。

んで、待ちに待った迷宮イベントだ。まずはんな難易度の迷宮を四苦八苦しながら進むプレイヤー達が映っている。冒険してるじが良く伝わってくるなぁ。

BGMが盛り上がって來たタイミングでボス戦ラッシュか!手でプレイヤーを薙ぎ払う大巖手(アイリス)、水浸しの部屋でプレイヤーを圧殺する巨大粘(ルビー)、明らかに攻略組っぽいパーティー相手に四刀流で大立回りを演じる戦甲蟲人(源十郎)、人馬一で戦う例のプレイヤー相手に正面から弾戦を挑む大鬼(ジゴロウ)、そして不意討ちで勇者の首を刎ねる骸骨処刑者(私)。他にも様々な魔がプレイヤーを撃破、又は苦戦させる映像が流れていく。

そして最後のテロップには『條件を満たせばボスと同じ種族をプレイガイド可能!』と出ている。イーファ様が言っていた魔プレイヤーの増加計畫は上手く行きそうだな。最後の方の盛り上がりは半端じゃなかった。

「見応え十分だったな」

「あー、あの二人とはもっと戦いたかったなぁ!」

ジゴロウはPVを見たことでその戦いの高揚を思い出したらしく、立ち上がってシャドーボクシングを始めた。この戦闘狂は常にぶれないのだな。

「反響は大きいらしいですよ。SNSでも魔でプレイするぞ、って宣言してる第二陣プレイヤーは大勢いるらしいですし」

「そうか。我々五人だけではなくなるのだな」

ほぼ全員が厳し過ぎる序盤に音を上げたせいで、たった五人だけしか殘っていない魔プレイヤー。今まではそうだったが、これからは違うということか。何だか慨深いな。

「どうでもいいだろ。俺達ゃ俺達で勝手にやるだけだ。新參共に積極的に関わるつもりは無ェよ、俺ァ」

「それで良いだろう。アイリスが拡張したとは言え、我々のアジトも無制限に人をれられるほど広くないからな。それに仲間にするなら信頼できる相手でなければ」

我々は魔プレイヤーの先達ではあるが、だからと言って新規プレイヤーの面倒を見てやる義務があるわけではない。そして魔プレイヤーだからと言って仲間にれる義務も無いのだ。偶然遭遇し、その上で人間が良ければ仲間にするかもしれない。その程度だ。

「助け合いは必要ですけど、頼られっばなしは違いますもんね」

「そういうことだな」

第二陣が來るのはゴールデンウィークだ。本當に魔プレイヤーは増加するのか。見であるな。

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