《VRMMOで妖さん》3:妖になろう。
翌日、開始時刻まで一時間ほど暇になったので公式ページからPVやプレイヤー視點のデモ畫を見てみた。
「おぉー。確かにこれは凄いなぁ」
お姉ちゃんが興するのも納得できるリアルさでファンタジーな世界が見事に描かれていた。
リアルなファンタジーってなんか矛盾してるような…… どうでもいいな。
お姉ちゃん曰く、NPCには高能なAIが搭載されていて全く違和のない會話ができるらしい。
というかプレイヤーやNPCを區別するマーカーなどは無い為、プレイヤーと解る発言をしない限りそうそう見分けられない程だとか。
「さて、と」
開始時刻が近づいてきたので一通りの準備を済ませベッドに転がり、ギアを被り起する。
眠るような覚と共に意識が引き込まれていく……
眼を開いて周りを見ると、木製の壁に囲われた部屋に立っていた。
目の前には木製のテーブルがあり、その上には手の平サイズの大きな丸いボタンが置いてあった。
「押せ」と言わんばかりの配置と、ボタンの枠に書いてある「>>Skip」の文字。
「なんだこれ……?」
「押して頂くと私を退室させてすぐにキャラメイクを進めることが出來ますよ。
私との対話の時間も勿ないというせっかちな方の為に用意したボタンです。」
「ふぉぉっ!!?」
全でビクッとしつつ顔を上げると、テーブルの向かい側に優しげなが立っていた。
「驚かせてしまってすみません。私、ガイドをさせて頂くカメリアと申します」
「あっ、いえ。よろしくお願いします」
「はい。それでは初めに、名前の登録をお願いします」
目の前にキーボードが表示されたので【ユキ】と力して決定。
>その名前は既に使用されています。
ダメか。それじゃ【白雪】はどうかな?
>【白雪】は使用可能です。この名前で決定しますか?
よし、おっけー。
読み方の力を求められたので【シラユキ】と力。
「白雪様ですね。では次に種族を選んでいただきます。こちらをどうぞ」
カメリアさんから差し出された半明のパネルをけ取る。
「あれ?聞いてたより種族が多い?」
リストを見てみると【獣人(兎)】 【獣人(羊)】 【竜人(ドラゴニュート)】 【鬼人(オーガ)】の四つが増えており、更に一番下に【ランダム】の項目があった。
「それらは正式リリースで追加になった種族たちですね。種族名をタップしていただく事で概要を表示することができますよ」
軽く見てみたところ【兎】は耳が良く、【羊】は耐久力が高め。
【竜人】は力を消費してブレスを吐くことができ、【鬼人】は魔法を殆ど捨てた理特化種族らしい。
一通り見終わったところでそれを察したカメリアさんが口を開く。
「そして【ランダム】はその名の通りランダムです。ですがランダムでしか出現しない種族も存在しております。
また、二つの種族の特をしずつ併せ持つ【ハーフ】等になることもあります。」
おぉ、レア種族があるのか…… し惹かれるなぁ。
ふと気になって「【魔人】と【鬼人】のハーフってどうなるんですか?」と聞いてみたらスイッと目を逸らされた。
うん。なんとなく解った。
さて、どの種族にするか…… うーん、迷うなぁ。
【貓】は大好きだけど自分がなっても仕方ない。
【狐】なら自分の尾モフモフできるかな…… でも自分のモフるってのもどうなの。
【竜人】ってのも恰好よさそうだし【魔人】ででっかい魔法打ち上げるのも夢があるなぁ。
うん。いつまでも迷い続けそうな気がする。
的にやりたい事が決まってる訳でもないんだし、ランダムに任せて出たとこ勝負と行こう!
覚悟を決めて「【ランダム】でお願いします」と告げる。
「【ランダム】で種族を決定した場合。現実時間で72時間経過するまでキャラクターの作り直しが不可能となります。宜しいですか?」
おおう、まだ迷わせようというのか……
いやいや、キリがないし出たとこ勝負って決めたじゃないか。
作り直しに制限があっても何も問題ない! というわけで「はい」と答える。
手元のパネルが白くり浮き上がり、淡い輝きの球となってゆっくりとテーブルの橫へと飛んでいった。
だんだんと大きくなっていき、人の形へと変化していく。
が収まりそこに立っていたのは「私」だったのだが……
「……翅?」
そう、背中にトンボ……ではなさそうだけど細長い翅が付いていたのだ。
「……っ! おめでとうございます!この種族は【妖】ですね。詳細はこちらのパネルをどうぞ」
……?
今、一瞬カメリアさんが凄く悲しそうな表になったような…… 気のせいだろうか?
とりあえずパネルをけ取り確認してみる。
────────────────────
【妖】
遙か昔に滅びた筈の魔法生。滅びた理由については定かではない。
魔力との親和が高く、霊を見る事が出來る個も居たと伝えられている。
現代の種族とは比べにならない程の魔法適を持つが、現代の一般的な魔法は上手く扱う事が出來ない。
種族固有スキル
・妖魔法
・浮遊
・吸
種族特
・空腹度の項目を無効化
・空腹度の代わりにMPを消費(割合消費)
・スキルスロット數が20個に増加
・一般魔法の使用にペナルティ
・死亡時のペナルティ無効
HP:2500
SP:500
MP:4600
STR:100
INT:1000
DEX:100
AGI:100
VIT:100
MND:800
LUK:200
────────────────────
待て待てまぁ待て。 ちょっと落ち著け。
なんだこのぶっ壊れた能は?
ステータスだけで見ても【人間】がALL100って聞いた覚えがあるんですけど?
INTとか十倍あるんですけど?
低いステがないんですけど?
ふー。混してても始まらないぞ。
「えっと、々聞きたい事があるんですけど……」
「はい。私はその(ガイドの)為に居ますのでどうぞご遠慮なく」
順番に聞いていくことにしよう。
「【妖魔法】というのは?」
「【妖】固有の魔法で、主に風屬の魔法を扱えます。條件を満たすことで別の屬の魔法も扱う事が出來るようになります」
「條件?」
「申し訳ありませんが、それをお教えすることは出來ません」
まぁ當然だよね。
【浮遊】は文字通りだろうから飛ばすとして、
「【吸】とは?」
嫌な予がする字面である。
「【吸】は平たく言えばMP吸収です。妖の場合はMPが空腹度の代わりとなっていますので食事でもありますね。
使用には対象に接している必要があります。
人や魔などの生や、魔力の籠った品を対象にすることが可能です。
ただし品から吸収する場合は魔力を抜き取る訳ですので、籠っていた魔力が失われて普通の品となってしまいます。
生を対象にする場合、同意を得ずに使用することは當然ですが攻撃と見做されます。
また、同意のない相手に使用するときは魔法防力で軽減されてしまいます」
よかった、いかがわしくなかった。
「なお接させる部位ですが、手や足などでれる事でも可能ですが変換効率が下がります。
口を付け吸うことで変換ロスの無い吸収が可能です」
オゥ……
あ、噛みつきって解釈もあるか。
まぁそういう(アレな)意味じゃなくても魔やにあんまり口をつけたくはないなー。
次は特だ。
一つ目と二つ目はセットだな。
おなかが空く代わりにMPが減っていくみたいだ。
「割合消費ってことはMPの最大値が増えると減る量も増えてしまうという事ですか」
「そうですね。ちなみに減っていく速度は通常種族の空腹度の減と同じとなっております」
あんまり最大値が増えるとMPの確保が大変そうだなぁ。
あ、そうだ。
「普通のご飯を食べる事は可能なんでしょうか?」
味しいがあるかもしれないからこれは重要な事である。
「はい、必要ではありませんが可能です。
但し表記に無い種族特として、果は食べることで量ですがMPを回復することが出來ます」
妖っぽさのアピールだろうか。 謎だ。
まぁ食べられるならいいや。
さぁ來ました、大問題その一。
「スキルスロット倍増ってこれ々と大丈夫ですか」
「はい、大丈夫です。種族スキルもスロットを使用し、それらは外すことが不可能ですので実質十七個ですが」
どう考えても大丈夫じゃないと思うんだけど……
考えていても仕方ない。次いこう。
「一般魔法にペナルティとありますが一般魔法とペナルティの容、それぞれ教えていただけますか?」
「はい。ここで言う一般魔法とは【妖魔法】以外のほぼ全ての魔法が該當すると思って頂いて差し支えありません。
そしてペナルティですが効果の減、もしくは消費MPの増大という形で表れます。
魔法ごとにそれぞれ程度は変わりますが酷いになると効果がほぼゼロになるや消費が數十倍になるもあります」
魔力は異常な程に高いけど実質【妖魔法】専門家ってじなのかな?
そして大問題その二。
「死亡時のペナルティ無効 というのは?」
「通常、死亡時には【一定割合の経験値減】【裝備を除く一部の所持品をドロップ】【六時間ステータス減(時間経過によりしずつ回復)】というペナルティがあります。
しかしこの特により、それらのペナルティをけることが無くなります」
これも絶対大丈夫じゃない奴だ。
そして最後の大問題、ステータス値だ。
「これステータスおかしくありませんか?大丈夫ですか?」
「いいえ。この數値で間違っておりません。大丈夫です」
そうですか。大丈夫ですか。
これ絶対とんでもない落としが待ち構えてるよね……?
むしろ何も無かったらゲームバランスって何?ってレベルだし。
ステータスの項目について
HP:力。無くなると死亡する。
SP:スタミナ。主に理系のスキルに使用する。
MP:魔力。主に魔法系のスキルに使用する。
STR:筋力に補正がかかる。最大HPに影響する。
INT:魔法の効力に補正がかかる。最大MPに影響する。
DEX:な作に補正がかかる。最大SPに影響する。
AGI:敏捷に補正がかかる。最大SPに影響する。
VIT:耐久力と的な狀態異常への耐に補正がかかる。最大HP、最大SPに影響する。
MND:魔法や神的な狀態異常への耐に補正がかかる。最大MPに影響する。
LUK:運。
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