VRMMOものの設定を思いついたので書いてみました。設定については資料集をご覧下さい。

「よし……こんなものかな」

僕は手したばかりのＶＲＭＭＯ「スキルリッチ・ワールド・オンライン」のキャラクター設定を終えて獨(ひと)り言(ご)ちた。親友の匠(たくみ)と馴染みの茜(あかね)ちゃん――二人ともβテストプレイヤーだ――にわれるかたちでゲームを始める事になり、掲示板などの事前報を參考にしつつ、人種やスキルを選んでキャラを作し始めて三十分弱。不都合なところがないかどうか見直していく。

僕が作したキャラクターの要目は次のようなものだ。

名前：シュウイ

種族：人間

別：男

種族レベル：Ｌｖ１

ＨＰ：５０

ＭＰ：５０

ＳＴＲ(攻撃力)：１０

ＤＥＦ(防力)：１０

ＩＮＴ(知　力)：１０

ＡＧＩ(敏捷)：１０

ＤＥＸ(用度)：１０

ＶＩＴ(生命力)：１０

ＬＵＣ(　運　)：１０

職業レベル：Ｌｖ１（冒険者）

スキル：鑑定、気配察知、スラッシュ、攻撃力上昇、防力上昇、ファイアーボール、魔力回復、調薬(基礎)

稱號：――

名前は本名の蒐(しゅう)一(いち)からとってシュウイチにしようと思っていたけど、キャラクリ説明用の運営アバターのお姉さん――本人曰く、案人の一人らしい――に本名と同じ名前なので非推奨、かつ既に同じキャラクターネームが登録されていると言われたので、安直にシュウイにした。

ステータスの値は初期値のまま。どうせこのゲームでは、につけるスキルによってステータスの値は変するし、狙いどおりに育てるのは困難だと掲示板に書いてあった。なら、変にいじくらずに初期値のままにしておけば、多妙なスキルが來ても対応できるだろう。十個あるスキル枠は全てを埋めずに二つほど空けてある。これも攻略報に書いてあったんだけど、このゲームはやたらとスキルを取る――というか押しつける傾向があるらしく、無理にスキル枠を埋めるよりも、序盤から多の空きスロットを確保しておいたがいいらしい。

職業については、これもこのゲームの特徴だが、初期狀態は誰も彼もが冒険者で、取得するスキルによって転職可能なジョブが変わってくるらしい。

ゲームを買うと決めてから散々悩んで決めたスキル構が、きちんとキャラクターに反映されている事を確認して、僕は決定のボタンを押す。

『シュウイ様のキャラクターを決定します。これでよろしいですか？』

『はい』

ちなみに、外見は現実と大幅に変更する事はできなくなっている。ゲームとリアルとのギャップを最低限にするための措置だとか言ってたけど……容貌に多の補正を加える事はできるらしいので、髪のを黒髪の直にして、皮のを淺黒く、瞳のを銀にしておいた。リアルだと栗の癖っで白で、子供の頃は外人――のの子――と間違えられた事もあったから、黒髪直は憧れだったんだ。殘念ながら、背丈は変えられないらしい。

『ステータスの値を変更せず、かつスキル枠に二つ以上の空きがありますので、スキルルーレットを回す権利が與えられました。どうなさいますか？』

……それって、何？

『先ほど申し上げた條件を満たした上で、運営側の隠しパラメーターが特定の條件を満たした場合のみ付與される特典です』

『……説明してもらえますか？』

『はい。手っ取り早く言えばガチャですね。ただし、出たスキルは固有スキルとなって、捨てる事も控えに回す事もできません。スキルの容は様々ですが、比較的良いものが揃っています』

『……今までにこの特典をけた人はいるんですか？』

『はい。けられた方がお二人、辭退された方がお一人ですね』

『けた人のスキルは何か教えてもらえますか？』

『それはできません。ですが、辭退なさった方が得るはずだったスキルは「飛行」ですね』

「飛行」！？　何か凄いスキルみたいだけど……。

『どうされますか？』

『けます！』

これはやらなきゃ駄目だろう！

『それでは、スキルルーレットを回します。お好きなタイミングでボタンを押して下さい』

それじゃあ、構えて……ここっ！

『おめでとうございます。ユニークスキル「スキルコレクター」を手しました』

おおぅっ！　何か凄そう！

『プレイヤーが「スキルコレクター」を手したため、全てのステータス値が五十パーセント上昇します』

おおおおっっ♪

『「スキルコレクター」の起に伴い、スキル枠と控えスキル枠の上限が撤廃されます』

おお……？

『「スキルコレクター」の起に伴い、全てのスキルがリセットされます』

ちょ、ちょっと待ったぁ！

『それでは、「スキルリッチ・ワールド・オンライン」をお楽しみ下さい』

本日は何回かに分けて更新します。