《兄と妹とVRMMOゲームと》第十四話 その先の未來②
カリリア跡の口。
達は追っ手を振り、跡の奧へと向かうために走っていった。
「くそっ! 待ちやがれ!」
「特殊スキルの使い手を仲間にできるチャンス。逃がさないぞ!」
「おい、今の聞いたか? あいつ、特殊スキルの使い手だって?」
「伝説の武よりすごくねえ?」
先に跡にっていた他のプレイヤー達も、の存在に気づき、まるで呼び水のように集まってくる。
「わーい! くん、伝説の武を超えたよ!」
「それどころじゃない」
両手を広げて喜ぶ花音をよそに、は必死に跡の奧へと進んでいった。
「ふむ。この跡は意外と複雑だな。やはり、決められた時間までにボスのいる最奧部に向かうためには、奏良のスキルは必須か」
他のプレイヤー達から追いかけられながらも、有は再び、インターフェースを表示させて、跡のルートを再探索していく。
跡の部、ここからはモンスターとの遭遇なしにはいかない。
「くっ!」
は先導しながら、目の前に現れるモンスター達を屠っていった。
「くんに手出しはさせないよ!」
「うわっ!」
「危ねえ!」
後方に控える花音はを翻しながら、鞭を振るい、他のプレイヤー達を翻弄する。
前方に、有は真ん中、後方に花音という隊列で突き進んでいった。
「あいつだ!」
「いたぞ! 跡攻略なんて後回しだ!」
「俺は、跡に行くことさえもままならないのか……」
先に跡攻略を行っていた他のプレイヤー達が、次々と達の行く手を遮った。
とんでもないことを口にするプレイヤー達に、は困ったようにため息をつく。
跡の口での騒ぎが、特殊スキルの使い手を狙う連中の呼び水になったようで、更なるプレイヤー達を招き寄せていた。
「試してみるか」
言葉とともに、は剣を手に地面を蹴った。
「ーーっ」
けの姿勢を取ったプレイヤー達を見據え、互いの間合いにる直前では立ち止まる。
そして、牽制するように剣を地面に放った。
「なっ?」
「空打ち?」
の剣が振り下ろされると同時に、プレイヤー達の揺がはっきりとじ取れた。
空打ちーー。
それも地面に向かって放つという明らかなミス。
それがこの狀況で起こるという不可解な事態に、プレイヤー達は驚愕した。
そして、それゆえに、そこに埋めようもない隙ができる。
『クロス・レガシィア!』
驚愕に目を見開いたプレイヤー達に対して、花音がそのまま、天賦のスキルで間隙を穿つ。
瞬間の隙を突いた花音のスキルに、ターゲットとなったプレイヤー達は完全に虛を突かれた。
「うわわああああっーーーー!!」
花音の鞭によって、宙に舞ったプレイヤー達は凄まじい勢いで地面へと叩き付けられた。
だが、それでも追いかけてくるプレイヤーの數は一向に減らない。
「お兄ちゃん! この間の初心者用ダンジョンでは、『アルティメット・ハーヴェスト』の人達しかくんを狙ってこなかったのに、今回は大盛況だよ!」
「うむ。『創世のアクリア』の公式リニューアル當日のみに開催されるクエストに參加したのはまずかったようだな。しかし、妹よ、俺達は六人しかいないギルドだ。上級者クエストには、出勤している父さん、ギルドを管理している母さんを除いて、メンバー全員を投しなくてはボスには勝てないぞ!」
有と花音が會話のキャッチボールをしている間も、プレイヤー達は気盛んな様子で追いかけてくる。
達によるカリリア跡の攻略は、まだ始まったばかりだ。
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