《兄と妹とVRMMOゲームと》第二十五話 二人の姫君①
「何とかなったか……」
ボスモンスターを消滅させた奏良は、大きく息を吐いた。
奏良はインターフェースを使い、ステータスを表示させると、自のレベルの上昇と新たなスキル技を覚えたことを確認する。
「わーい! お兄ちゃん、梨ちゃん、奏良くん、大勝利!」
「……っ」
これ以上ない満面の笑みを浮かべて、駆け寄ってきた花音が梨に抱きついた。
花音の突飛な行に、梨はきが取れず、窮地に立たされた気分で息を詰めている。
「奏良よ、やったな」
「ああ。梨のおかげだ」
有のねぎらいの言葉に、奏良は恐れったように答えた。
ボスモンスターを難なく倒してしまった凄まじい力ーー特殊スキルの力の片鱗を垣間見たような覚。
奏良は、特殊スキルの底知れない力を改めて実する。
「お兄ちゃん、梨ちゃんのこと、どうしたらいいのかな?」
「に戻る気配はなさそうだし、とにかく、このままギルドに連れて帰るしかないな」
花音の戸いに、有は思案するように視線を巡らせる。
ボスモンスターを倒した場所に、ボスモンスターを討伐した証である骨とダンジョン出用のアイテムが転がっていた。
ボスモンスターのドロップアイテムである。
有がアイテムを注視すると、ウインドウが浮かび、アイテムの報テキストが表示された。
「心配するな、妹よ。から、梨についての事は聞いている。それにギルドに戻れば、報酬も手にる。そうすれば、転送アイテムを用いて、『アルティメット・ハーヴェスト』のギルドに赴くことができるはずだ。と梨のれ替わりに関して、何か分かるかもしれない」
「……うん。私、梨ちゃんに、私達のギルドを案してあげたい」
どこまでも熱く語る有をちらりと見て、花音は今も心細そうにしている梨の華奢な手を取り、微かに頷いた。
有達は全く気がついていなかったのだが、そんな彼らの様子をじっと見つめている年がいた。
「まさか、風が、梨とれ替わるなんてな」
気まずそうな様子の梨の姿を視野に納めて、『アルティメット・ハーヴェスト』のギルドメンバーである鶫原徹は意外そうに目を瞬かせる。
「風の監視をしろ、って言われたけれど、紘はこの展開を予測していたのかもな」
有達が、ダンジョン出用のアイテムを使って跡から消えるところを見屆けると、徹は考え込む仕草をした。
「梨、心配だな。俺も急いで後を追わないとな」
徹がそう告げたその瞬間、背中に不穏な気配をじ取る。
徹は振り返ることはせずに、ただ一言、言葉を発した。
『ーー我が聲に従え、龍、ブラッド・ヴェイン!』
「ーーっ!」
今まさに、徹に剣を振り下ろそうとしていた騎士風の青年は、突如、目の前に現れた龍の咆哮によってそれを防がれてしまう。
金のをに纏った四肢を持つ龍。
ボスモンスターとさほど変わらない巨軀の龍は、主である徹に危害を加えようとした青年を睥睨した。
召喚のスキル。
それは契約した幻獣や霊、モンスターを呼び出すスキルだ。
召喚のスキルは、一度行った契約を解消することが出來ない。
だが、魔のスキルと同じように、どれか一、または複數と契約を結ぶことができる。
通常は、一まででしか契約ができないプレイヤーが多いが、徹は複數、召喚の契約をわすことができた。
徹が呼び出した龍は、さらにを捻らせて青年に迫る。
「くっ」
剣を防がれたのが予想外だったのか、青年は勢を立て直すこともできずにまともに喰らう。
しかし、龍の更なる追撃は、駆けつけた別のプレイヤー達によって防がれてしまった。
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