《ネメシス戦域の強襲巨兵【書籍六巻本日発売!】》眠り姫
本日二回目更新となります。
機工廠プラットホーム【アストライア】から、ヴォイを乗せて一臺の車が飛び出し、しばらくして戻ってきた。
巨大なコンテナが搬された。
搬を終え、コンテナから取り出されたカプセルが醫務室に運ばれる。
全員、そのカプセルの側に集まっていた。
そのカプセルには7、8歳ぐらいのしいが眠っていた。
頭髪は一切ない狀態だ。病人のような印象をけた。
「彼に私の記憶を全て託す予定だ。頼んだよ、コウ」
「このの子が娘?」
「そうだね。娘のようなものだ。そして……私は彼の一族に仕え、この娘は最後の飼い主だった。千年以上前の話だ」
「最後の飼い主か……」
「この子は戦爭で負傷してね。このカプセルで治療中にまた戦闘が起きて一時隔離。住民の多くは死傷した。そこへ例のデータ化が発生。生き殘った者も記憶を消され量子データ化されてしまい、この施設は休眠したまま忘れられた。蘇生させようにも蘇生権限がある者さえいない」
「そんな……」
「私は彼の一族をずっと見守っていたのだよ。不幸なことにこの子は量子データ化かられてしまった。私も千年前の時點でもうすでには限界だったが、一緒に休眠し二百年前目を覚まし世界を見て歩いた」
「師匠にとって本當に大切な一族、その最後の一人なんだな」
「彼の蘇生が可能な者を見つけるのが最後の目的だったのだよ。この施設を任せる者、それは彼を蘇生できる者に他ならないのだ」
師匠が遠い目をしていた。
コウにはわかるような気がした。施設の委譲だけに、師匠が構築技士を探し歩く必要はなかっただろう。
助けたい人がいた。とても納得できる理由だった。
「この子が目覚めた時、親も兄弟もすでにない。以前の記憶も記憶しているかどうか。AIのサポートがなければ人格も維持できないだろう」
は脳に記憶補助裝置が埋め込まれている。本來の脳の機能を拡張するナノマシン。コウも飲んだ言語翻訳機能のナノマシンの高能版といっていい。
このナノマシンに師匠のデータを移植するのだ。
「私のデータを移植することで事は察するだろう。目を覚まさないほうがいいと思うかね?」
「……俺にはわからない」
「そう。それは誰にもわからないんだよ。だから託す。構築技士であるコウなら蘇生権限はあるはずだ」
『コウは蘇生権限を所有しています』
師匠の言葉にアストライアが答える。
「そうか。なら安心だ」
「わかった」
苦痛を抱えながら生きるのは辛いことだ。引き留めたかったが、斷念した。
「師匠。私達を選んでくれてありがとにゃ」
「はい。このご恩は忘れません」
「あとは任せなよ」
三人もそれぞれ謝の言葉を口にする。
師匠は目を細めて笑った。
「ではコウ。伝えきれないことがたくさんあって申し訳ない。今からデータ移植を開始する。まだ私が稼働……いや生きているうちに」
「ありがとう、師匠」
「こちらこそ。私の本當のみを葉えてくれてありがとう、コウ」
師匠はぺろんとコウの頬を舐め、カプセルに近付く。
コウは名殘惜しそうに頭や首の下をでる。
アキとにゃん汰が小さなケースに師匠をれ、機械の奧へ吸い込まれる。
は、分解されるらしい。
「師匠のデータをどれだけ引き継ぐかは、本人とサポートのナノマシンのキャパ次第ですね。短くて一日、長くて三日ぐらいかかります。時間が経過するほど師匠のデータを鮮明にけ継いでいると考えてください」
アキの説明に、コウは頷く。
「師匠は、私達を一切目覚めさせることはしませんでした」
真面目な顔のにゃん汰が呟く。
「一人で、この荒廃した世界を彷徨い構築技士を探していたのです。野心ある者には渡せない。だが、信頼できない者にも渡せない。あなたが現れてくれて良かった」
「野心か…… そうだよな。ここがあればなんでもできそうだ」
無人の工場。何ができるか不明だが、星間戦爭時代の技を伝えきくに、使い方によってはとても危険なもののはずだ。
「本當は代で探すのが良かったのです。でも彼はそれをしなかった。一度長時間の冷凍睡眠から目を覚ますと、再び冷凍睡眠狀態に戻す事が難しいからです」
「というと?」
「冷凍睡眠施設をかす管理者がいないからです。でも、あなたがきてくれて私達は目を覚ますことができました」
「幸せかどうかはわかんないよ」
「永遠の眠りと死の違いはどうなのでしょうね。この子にも言えることですが」
カプセルをでながら遠い目をしていた。
「私たちは今、目的もあります。今はそれに全力を盡くしたい………にゃ」
「にゃは今更じゃない?」
にゃん汰の素を見た気がした。
「ちょっとシリアスな雰囲気を出してみただけにゃ」
「ったく…… 目的って?」
「コウを生存させることにゃ。あとは五番機の強化じゃないかにゃ?」
「そうだった!」
「TSW-R1の五番機、データ見ているが面白いな。よくもまあ今の限定された技であの機を作ろうとしたものだ」
ヴォイも五番機を気にったようだ。
「々覚えることがありそうだ。明日からみんな、よろしく頼むよ」
「お任せください」
にっこり微笑むアキに、安心を覚えるコウだった。
6/15発売【書籍化】番外編2本完結「わたしと隣の和菓子さま」(舊「和菓子さま 剣士さま」)
「わたしと隣の和菓子さま」は、アルファポリスさま主催、第三回青春小説大賞の読者賞受賞作品「和菓子さま 剣士さま」を改題した作品です。 2022年6月15日(偶然にも6/16の「和菓子の日」の前日)に、KADOKAWA富士見L文庫さまより刊行されました。書籍版は、戀愛風味を足して大幅に加筆修正を行いました。 書籍発行記念で番外編を2本掲載します。 1本目「青い柿、青い心」(3話完結) 2本目「嵐を呼ぶ水無月」(全7話完結) ♢♢♢ 高三でようやく青春することができた慶子さんと和菓子屋の若旦那(?)との未知との遭遇な物語。 物語は三月から始まり、ひと月ごとの読み切りで進んで行きます。 和菓子に魅せられた女の子の目を通して、季節の和菓子(上生菓子)も出てきます。 また、剣道部での様子や、そこでの仲間とのあれこれも展開していきます。 番外編の主人公は、慶子とその周りの人たちです。 ※2021年4月 「前に進む、鈴木學君の三月」(鈴木學) ※2021年5月 「ハザクラ、ハザクラ、桜餅」(柏木伸二郎 慶子父) ※2021年5月 「餡子嫌いの若鮎」(田中那美 學の実母) ※2021年6月 「青い柿 青い心」(呉田充 學と因縁のある剣道部の先輩) ※2021年6月「嵐を呼ぶ水無月」(慶子の大學生編& 學のミニミニ京都レポート)
8 193氷炎騎士の騎校生活(スクールライフ)
最強の騎士の父と最強の魔術師の母との間に生まれた、最強の『固有魔法(オウン)』をもつ 東山 秋風は 「この世で俺が1番強い」と思い込んでいた。しかし、両親にすすめられ入學した ”國立騎魔士アカデミー” でその現実は覆される。 主人公の成長を描いた、學園戀愛ファンタジー⁈ 初投稿なんで、誤字とか多いかもです ご了承ください
8 194魔法男子は、最強の神様に愛されてチートの力を手に入れた件について
あらすじは本編に 初投稿なので優しく見守ってくれると有難いです。 小説家になろうでも投稿しています。 世界観を想像しながら見ていただけると楽しいかなと思います。 ※ この小説(?)はフィクションです。実在の人物や國家、組織などとは一切関係ありません。 その點をご了承の上で作品を楽しんで下さい。 なるべく週一投稿!!
8 81進化上等~最強になってクラスの奴らを見返してやります!~
何もかもが平凡で、普通という幸せをかみしめる主人公――海崎 晃 しかし、そんな幸せは唐突と奪われる。 「この世界を救ってください」という言葉に躍起になるクラスメイトと一緒にダンジョンでレベル上げ。 だが、不慮の事故によりダンジョンのトラップによって最下層まで落とされる晃。 晃は思う。 「生き殘るなら、人を辭めないとね」 これは、何もかもが平凡で最弱の主人公が、人を辭めて異世界を生き抜く物語
8 70異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します
學校の帰り道、主人公の桐崎東がサッカーボールを追いかけて橫斷歩道に飛び出してきた子供がダンプカーに引かれそうになったところを助けたら死んでしまい神様に會って転生させてもらった。 転生した異世界でギルドがあることを知り、特にやることもなかったので神様からもらった力で最高ランクを目指す。
8 187自殺を繰り返した俺は異世界転生をした〜最強の俺は異世界で無雙する〜
【祝・PV30000突破!】 自殺を繰り返した俺は神に呆れられとうとう異世界へ転生することとなった。 そこでの俺のステータスおかしいほど高い數値へとなっていく。 その後、主人公リューイはとある事情より殺されかけたり、お嬢様達に追いかけ回されたり......。 主人公最強の異世界転生物語。 最近頑張って更新しております...。 どうかよろしくお願いしますm(_ _)m
8 70