《ネメシス戦域の強襲巨兵【書籍六巻本日発売!】》超重戦車攻略戦
主力部隊の主戦場は膠著狀態にあった。
超重戦車を中心とした敵防衛線に、大量のシルエットが投されたのだ。
防陣形における歩兵は強力な火力だ。
「く。うかつに近づけないか」
ジェニーも焦りは隠せない。
何よりリックが相當無理をしている。被弾した仲間の修理を優先し、最後まで自分が最前線に殘ろうとしているのだ。
そこへコウから通信がる。脳のなかに響く聲。
『コウ。五番機。そしてみんな! ありがとう!』
直接頭のなかに響く謝の言葉。
すぐにわかった。
星管理AI、アシアの聲だ。
コウはし遂げたのだ。
「リック! コウがやったわね!」
「見事だ、コウ。さすが我らの依頼主だ」
リックは相好を崩した。兇悪ともいえるセントバーナード犬の笑顔はがある。
「作戦は功。リック、離を!」
「まだダメだ。コウたちが出するまでは。我々は殘置部隊となって、戦線を維持せなばならない。ここで引いてバレたら元も子もない」
「あなたの車、限界だってば!」
「あとし、しなのだ……」
今前線で戦闘している戦車は三輌。バランスが崩れると、一気に敵が攻めてくるだろう。
もしくはコウを狙いに転進するかもしれない。それだけは防がねばならなかった。
超重戦車が予想以上に厄介だったのだ。火力は虛仮威しだったが、移する壁として有能だった。
主砲もシルエットが弾倉を換している。カートリッジ式のため換は容易。常に戦場に居座っている。
さらにリックたちと同型の戦車が常に護衛にいるのだ。この防ラインは実に強固だった。
「リックさんかい? 前線観測員が近づけないみたいだな。あんたの位置からみえる超重戦車の正確な座標をくれよ」
ヴォイからリックに通信がる。
「転送しよう」
「俺が行ったらいったん引いてくれ。ジェニー。シルエット隊の突撃準備を。隙ぐらいなら作ってやれるぜ」
「了解した。到著を待つ」
「わかった。何か策があるのね」
ジェニーは端末をかし、シルエット隊に突撃準備を促す。
戦車と裝甲車たちの負擔を減らすべく、シルエットは準備を整えた。
「火力支援は任せてくれたまえ」
リックは支援車両にメタルアイリスのシルエットの火力支援を行うよう指令を出した。
「おう。すぐに行くからな!」
戦場に異変が起きたのは、數分後だった。
「ん? 攻撃アラートが鳴っている」
超重戦車の運転手役を務めているパイロットは、背後にいる砲手に話しかける。
「けているな。――底面か!」
「馬鹿な。熱源反応はないぞ。何の攻撃だ、これは!」
軽くパニックになった。
確かに攻撃はけている。だが形炸薬による対戦車地雷の反応ではない。そもそも彼らの陣地だ。地雷の有無など確認済みだ。
「理的な掘削による攻撃だと? ありえないアラートがでやがった!」
運転手が悲鳴をあげる。理解できない攻撃をけている。
シルエットによる理攻撃ですらない。
耳を塞ぎたくなるような金屬の掘削音。底面の金屬をえぐっているのだ。
超重戦車が浮いた――
地中から、ヴォイの掘削裝甲車が、巨大なドリルを回転させながら現れた。
超重戦車の底部をえぐりながら。
「くらえ! ドリールゥ!」
ヴォイの絶が轟く。
「おいあれなんだ」
「コウさんとこのファミリアだ」
「落ち著いて。あれは味方!」
「超重戦車攻略にドリル戦車だと? 正気の沙汰じゃないぞ!」
メタルアイリスとストームハウンドも、見たことがない兵の登場によって呆気にとられていた。
敵陣地の、超重戦車周辺のシルエットが狼狽えた。地面からドリルだけが突き出ているのだ。
攻撃しようにも超重戦車を巻き込んでしまう。肝心のドリル裝甲車の車はほとんど見えない。
何より超重戦車の車は大パニックだった。パワーパックが損傷し、完全に停止する。
確認したのち、ヴォイは車をバックさせた。
いったん地下に潛ったヴォイの車が、のそのそと別の場所に地面から這い出してきた。
車は筒狀のシールドに囲まれている。
集中砲火を喰らうが、高速に回転する強固なシールドは全ての攻撃を跳ね返した。
「今だっ!」
ヴォイがぶ。
敵防衛線に近付いていた戦車の背後から、シルエットと裝甲車が走り出す。
メタルアイリスのシルエットは巨大な斧を抱えていた。
対戦車用戦斧(アンチタンクアクス)――履帯や砲塔を切斷するために生まれた、戦闘用の斧。
その後ろから裝甲車たちが支援撃を行っている。
「はっ!」
頭上から舞い降りる一機のシルエット――ジェニーだった。
この混の隙に空高く舞い上がり、急降下。
そのまま超重戦車の砲を高周波ブレードで斬り飛ばす。
ジェニー機に対する砲撃が飛んでくるが、超重戦車を盾にして回避を行う。
もう一機の戦車の砲を斬り飛ばし、スラロームしながら距離を取る。
追いかけようとする敵シルエット隊だったが、そこに突撃してきたメタルアイリスのシルエットと戦車駆逐仕様の裝甲車群が攻撃を仕掛けた。
メタルアイリスのシルエットはその持った巨大な戦斧で、履帯を、砲塔を切斷しようと強襲してきたのだ。
重金屬をふんだんに使い重さを増した対戦車用戦斧は、至近距離が苦手な戦車の天敵といえた。
戦車があっという間に無力化され、スクラップに変わっていく。
「いったん引け! 超重戦車は放棄。MCSを引っこ抜け!」
敵指揮がぶ。
敵部隊のシルエットが超重戦車のMCSを引っこ抜いて抱えて走り出す。もうこの戦車はただの鉄の箱だった。
敵が防衛ラインを下げるべく、後退を開始する。
「敵が後退を開始します!」
通信車より連絡がる。
「あの狂気の珍兵によって突破口は開けたか」
リックが呟く。
「しかし、これで狙い通りだ。せいぜい後方に防衛ラインを構築してもらおう。もうX463に用はないのだから」
実質の勝利宣言だった。
- 連載中179 章
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---------- 書籍化決定!第1巻【10月8日(土)】発売! TOブックス公式HP他にて予約受付中です。 詳しくは作者マイページから『活動報告』をご確認下さい。 ---------- 【あらすじ】 剣術や弓術が重要視されるシルベ村に住む主人公エインズは、ただ一人魔法の可能性に心を惹かれていた。しかしシルベ村には魔法に関する豊富な知識や文化がなく、「こんな魔法があったらいいのに」と想像する毎日だった。 そんな中、シルベ村を襲撃される。その時に初めて見た敵の『魔法』は、自らの上に崩れ落ちる瓦礫の中でエインズを魅了し、心を奪った。焼野原にされたシルベ村から、隣のタス村の住民にただ一人の生き殘りとして救い出された。瓦礫から引き上げられたエインズは右腕に左腳を失い、加えて右目も失明してしまっていた。しかし身體欠陥を持ったエインズの興味関心は魔法だけだった。 タス村で2年過ごした時、村である事件が起き魔獣が跋扈する森に入ることとなった。そんな森の中でエインズの知らない魔術的要素を多く含んだ小屋を見つける。事件を無事解決し、小屋で魔術の探求を初めて2000年。魔術の探求に行き詰まり、外の世界に觸れるため森を出ると、魔神として崇められる存在になっていた。そんなことに気づかずエインズは自分の好きなままに外の世界で魔術の探求に勤しむのであった。 2021.12.22現在 月間総合ランキング2位 2021.12.24現在 月間総合ランキング1位
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