《ネメシス戦域の強襲巨兵【書籍六巻本日発売!】》作戦

「回収部隊、コウたちと合流しました!」

全軍に通信がる。

「わかったわ。こちらも回収部隊と合流を。主力部隊は戦線から離隔用意!」

ジェニーの號令がる。撤退の準備にったのだ。

彼らは徐々に主戦場から後退行る。追撃が行われる様子はない。敵は防衛ラインを下げていた。

自軍の被害も大きい。ストームハウンドのファミリアも數名破壊されている。

裝甲車のMCSは回収済みだ。拠點に戻って復舊できるかどうかはまだ不明だ。

戦車二輌、裝甲車四輌が損害だ。

メタルアイリスのシルエットも三機破壊されているが、死者はいない。ストームハウンドのファミリアたちがを張ったおかげだった。

「ジェニー。よく戦ってくれた。心より謝する」

「何言ってるの! 私、あなたがいなかったらとっくに心が折れていたかもしれない」

リックが禮をいい、ジェニーが慌てる。本音だった。

「それは嬉しいね。良いアンダーグラウンドフォースと組めて本當に良かった」

「あら。私はいつでも組みたいのよ? コウ君のもとでね」

「おや。君も同じ事を考えていたとは。それは栄な提案だ。それは隊長としての言葉かい?」

「隊長として、私個人として。両方ね!」

「では私も真剣に検討させてもらおうか。ジョークでなければね」

「ジョークなんてとんでもない。きっとその実現の障害は無自覚なコウ君の説得ね!」

「間違いない。ではそちらも共同戦線で行こうか、ジェニー」

「喜んで!」

コウの知らないところで、新たな勢力が萌芽し始めていた。

アシア救出作戦は、間違いなくネメシス戦域において転換期の出來事の一つになる。

アンダーグラウンドフォースのメタルアイリスとストームハウンドは渦中のアンダーグラウンドフォース。これからどんなことが起きるか予想も出來ない。

合流が脳裏によぎったのは雙方同じだったのだ。

そもそもストームハウンドのようにファミリアによって構されるアンダーグラウンドフォースが特殊なのだ。

彼らは主人(マスター)を喪った。共に歩み、寄り添う者を喪った者たちだ。

主人の意思を継ぐ者。仇を取るために戦う者。戦う理由は様々だ。そのどれでもないものは、永遠に停止する。

再び寄り添いたいと願う者さえいれば、人間のサポートに回りたいというのが彼らの本音だった。

共に戦い、アシア救出の喜びに沸いたメタルアイリスの隊員たち。そしてアシアの救出をし遂げた依頼主のコウ。不服など出るはずがない。

「全機戦場より離隔を確認!」

通信者から、離完了の言葉が屆く。

「合流地點まで退卻開始! 作戦は功……」

『おつかれさま!』

ジェニーの聲にあわせて、アシアの聲が響く。

ジェニーとリックのモニタにアシアが現れ、悪戯っぽく舌を出し笑って手を振っていた。彼なりの謝なのだろう。

今度こそ、全員が歓聲を上げる。

彼らはし遂げたのだ。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

「敵部隊後退。撤退行を開始したようです」

「ようやく諦めてくれたか」

マイルズはをなで下ろした。

敵の猛攻は凄まじかった。被害はこちらのほうが甚大だろう。

死者も數名出たのだ。

「なんとかX463要塞エリアは守り切ったということか。バルド隊長にも面目は立つ」

そのバルドから一切通信がないことが不思議だが、隊長を倒せる者がそういるとも思えない。

シルエットが二個小隊、六機ぐらいは必要だろう。

シェルターの部に五機のシルエットが要塞エリアを潛したと報告はあったが、その部隊は二手に別れ戦闘中らしい。

ケーレスが掃討すると思われる。

封印區畫にも異常はないようだ。先ほど一瞬、自のカウントダウンの表示が見えたときは驚いたがすぐに消滅した。

コントロールセンターからも連絡はない。

バルドが仕事をしたと見るべきだろう。

「マイルズ君。マイルズ君」

構築技士のアルベルトから急連絡がる。傭兵に興味がない彼が非常に珍しい。むしろ初めてではないだろうか。

通信を開く。ぎょっとした。アルベルトがマルチコックピットにいるのだ。嫌な予がした。

「どうしました? アルベルト博士」

「バルド君が撃破された。封印區畫へ救出に向かう。謝したまえよ」

「なっ! そ、それは…… ありがとうございます! 救出お願いします」

バルドが倒されたことも信じられなかったが、アルベルトが救出に行くという行為も信じられなかった。

下手に出ておいたほうがいい。何か裏はあるだろうが、代金を取ることもないだろう。

下げる頭は下げておく。失うものはない。

「しかし…… では要塞エリアが自を?」

「その心配はなさそうだ。敵が任務に失敗したのかもしれんな」

白々しく答えた。マイルズはすぐにアルベルトが何かを隠しているのを察した。

だが表向きは任務に失敗はしていない。彼なりの助け船かもしれないのだ。乗っておくことにした。

あとで高く付きそうな代償になりそうだが、そこは仕方ない。

「そうですか。そうであることを祈ります。自に巻き込まれたくはありませんからね」

「私もだよ。ではバルド君を救出したら連絡する」

そういって唐突に通信が切れた。

「防衛部隊、殘置部隊を編する。防衛線は張り続けろ!」

マイルズはそういって各員に命令を行う。

「もう敵襲はなさそうだが。――果たして、私達は本當に任務を達できたのか?」

した敵部隊跡地を見ながら、誰にも聞こえないように呟いた。

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