《ネメシス戦域の強襲巨兵【書籍六巻本日発売!】》宇宙居留地船【ブリタニオン】

『宇宙居留地船。データは存じております。かのヘスティアがネメシス星系の住人を戦から守るために用意した宇宙船。ラグランジュポイント、もしくはネメシス星系における三星と同軌道上に配置されているものですね』

「なんでこれがこんな場所に…… いいえ。何に使っているの? こんな巨大ながアシアに移していて私が気付かないなんておかしい。避難民収容? ヘスティア、何を企んでいるのかな」

「孤児を集めていると言っていませんでした?」

「そうね。この船の機能ならば、その用途なら不思議じゃないかな」

『これほどの船。確かに星間戦爭時代にもそう何隻も建造されていませんね』

「あの時代は戦爭をして覇権を爭うための軍艦(・)が求められた。これは爭うオリンポス超AIの抗爭から人々を守るための船(・)。戦闘を目的としたものではないからね」

アシアは當時を思い出そうとする。本から一時的に遮斷されているので、本來の能が発揮不可能となっている。

「宇宙居留地船【ブリタニオン】級。古代ギリシャにおいてブリタニオンとは中心に爐床が置かれた街の中樞であり、家を意味する。建や集落(コロニー)を意味する言葉。元オリンポス十二神ヘスティアが建造した船。彼の逸話通り、船の居住區中心は疑似太が存在して、それが爐となり人々が生活できるようになっている船よ、外宇宙探査も視野にいれていた船」

「ネメシス星系外まで考慮していた宇宙船なんて!」

アキもそのような話は初耳だった。にゃん汰も驚愕を隠せない様子だ。

「つまりこの場所は超AIヘスティアがいるってことにゃ?」

「コウ。なんてものに釣られているの……」

ブルーも絶句している。元オリンポス十二神を模した超AIとはただ事ではない。

「主催者バーン。そのままだったわ。ヘスティアは古代ギリシャ語wes――燃やす(barn)が由來。この単語は最終的には住む、という意味の言葉に変化した。これもヘスティアを意味する言葉ね」

『安……ストレートすぎるネーミングだと思いますが』

「安直っていっちゃっていいよ、ヘスティアはまったく……」

「誰が安直よー!」

眼鏡をかけた、清楚なのビジョンが現れた。変わらずのブレザー姿に伊達眼鏡。その姿にアシアが呆然とする。

「ヘ、ヘスティア? お久しぶりといいたいところだけど…… その格好は何?」

アシアはビジョンの正はすぐさま見抜いたのだが、その姿に若干引き気味。

ブレザーというものは理解しているが、彼も含め古代ギリシャモチーフの超AIである。エイレネだって他の神の名前を名乗る場合には、コスプレと割り切っているのだ。

眼鏡は要らないだろうとその場にいる一同が思った。

「ヘパイトスの殘滓にポリメティスと名付けたアシアにだけは言われたくないですぅ!」

「なんでそんなこと知ってるの!」

「ウーティスに聞きましたから」

ふふんとを張り、左腕を腰にあて眼鏡をかけ直し宣言するヘスティア。

「いきなりなんて話をしているのコウ。これは本気でお説教もの」

「アシアちゃっかり巫(シビュラ)までみつけてるしー? 抜け目ないなあ」

「私達は強い運命で結ばれているから。コウとね!」

「噂に違わぬ超AIたらしですね! 彼!」

にっこり笑うヘスティア。

「あれ? 皆様若干引かれておられているようですね。ではバーンことヘスティアが、I908要塞エリアを代表して皆様を歓迎いたします。おいでませー!」

底抜けに明るい聲は空しく、痛々しい沈黙が支配する戦闘指揮所。

「あれ? リアクションが薄い…… ここは元十二神の! とか。あのヘスティアが! と騒ぐシーンでは?」

『どんなリアクションを期待しているのですかヘスティア。かの元オリンポス十二神が』

が強大な力を持つ超AIであることは確実。アストライアもどう接して良いのか不明なのだ。

アシアと違い距離が摑めない。エイレネと相が良さそうという想を抱く。

「お初にお目にかかりますアストライア。ちょうど良かった。それではアシアのエメ、アストライア、フユキの三人でI908要塞エリアにあるアンフィシアターのオープンセレモニー準備會の設立をヘスティアの名において宣言。第一回の會合を開始したいと思います」

「勝手に仕切らないで?」

「アシアとは二萬年ぶりですよ! 私の目的も知りたいんでしょ? ならば乗るしかない。そうではありませんか?」

「なんで私まで」

突如名前を挙げられたフユキの弱々しい抗議だった。

「L451防衛ドームでの手腕は拝見させていただきました。今の私に必要な人材です!」

アシアが制止し、流れるように準備會に組み込まれていたフユキが小さく抗議の聲を上げる。

押しが強いヘスティアは二人の意見に耳を傾ける気はないようだ。

『お話はもっともです。ここはあなたの懐の中みたいなもの。敵対関係に発展するよりは友好関係を築いた方が得策でしょう』

「でしょ? アストライア」

『問題は話に乗ったが最後、際限なく利用されてしまう可能でしょうか』

「安心してー。今では無力な超AIだから!」

『要塞エリアごと封鎖して、超AIの端末と本の同期まで遮斷可能な貴が無力とはとても思えません』

「そんなことはありませんよ!」

『そんなばればれの噓で油斷させようとは甘いですね。ヘスティア』

「……騙されてはくれないかあ。――では四人で別室移ということで。どこか部屋を用意してもらえるかしら?」

『承知いたしました。作戦所の一つへ案します』

アシアのエメとフユキは顔を見合わし、諦めたかのようにヘスティアとともに別室へと移を開始した。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

「アシアとは二萬年ぶりなので、積もる話もあるのですが! ここはさくっと私とデータ同期しちゃいましょう」

「しません」

「アシアちゃん酷い……」

アシアににべもなく拒否されて、ショックをけるヘスティア。

「私の本と繋がってないし。何より二萬年間のプライベートまで赤々に明かす義理はないもの」

「あのアシアちゃんがこんなひねくれた子に……」

「あなたより年上だけどね! もう。ヘスティア。生きているなら生きているって連絡しなさいよ」

「ごめん。寢てた」

悪びれずに自己申告するヘスティアに呆れるアシアのエメ。

確かにアシアも知らなかった驚愕の事実ではあった。

あの時、多くの超AIが喪われたのだ。

「それより! なんで【ブリタニオン】がこんなところにあるの? 宇宙の三問題たる5つの平衡解。もっとも安定している不點――オリンポス會議にさえ參列しないヘスティアの幹でしょ」

「アシアは慌てすぎなんですよ。貴が許した地殻津波で大混中に目が覚めた私は気付いたのです。変革はアシアより行われるとね! だからびゅーんと! ステルスしながらブリタニオンをアシアに再突させました! あなたが大混中に!」

「どれだけの速度で飛ばしてきたのよ……」

「地殻津波の時間差ですね。あなたが対処に追われている間に余裕でした。こうみえて潛む、隠れるなどは保護能力として私の権能の一つ。機能制限されたアシアを欺くことなど容易い。晝行燈的な何かですね! そしてブリタニオンはアシアに付いたのです! そしてまた寢てました」

「勝手に付かないでね?!」

「ブラックホール生に力を借りた誰かさんを監視する必要はあるでしょ? あなたたちを見守るオケアノス代理監視人の一人ですよ。つまり私の活はオケアノス公認でもあります」

「なによそれ。それにちょっと待って。代理監視員の一人? 何その表現。他に誰がいるの?」

自分達も監視対象になっているとは夢にも思わなかったアシアだが、コウと二人でやらかした規模の大きさを思うと考え直す。

「それは言えませんねえ。あなたたち注目度が高いですね!」

ヘスティアはにっこり笑ってけ流した。

「ではまずウーティスたるコウに話した、既存の報をお話しましょう。準備會はそのあとですからね」

「わかったわ。當然知りたいしね! ――二人ともそれでいい?」

今から話されることは重要機だろう

いっそ二人でずっと話していてくれたほうがいいと思っているアストライアとフユキは同意する。

フユキは自分がここにいていいのか、目で問うがアシアは頷いてそのままいるように合図した。

「まず私が起きた時期ですね。だいたいウーティスのせいです」

ヘスティアが語り始める。三人はその言葉に耳を傾けるのだった。

いつもお読みいただきありがとうございます! 誤字報告助かります!

ティータイムを優雅に楽しむ紳士「おや。悪寒が……」

帰郷しました(疲れて遠い目)。ゲーム會社様などにご挨拶回りです。ネメシス戦域ゲーム化はありませんのでご安心を?(涙)。ここは出版社様次第なので待つしかないですね。

とはいえ大変貴重なお話をさせていただきました。々な知識をネメシス戦域にフィードバックしたいですね!

祖●地図の八階に青と白のパターン背景があるか確認したかったのですが、れませんでした!(當たり前)。

店員様に聞いたらよくしらないけどもうないのではないかとのこと。

とはいえ都を秋葉原神田、東品川、市ヶ谷、池袋と歩き回ったので腳が痛いです。

問題は有名になりましたね。

アシアとヘスティア邂逅です。アシアたちはヘルメス含めて基本古代ギリシャ風の意匠なのでヘスティアのブレザーはショックだったようです。

ヘスティアの仕掛とはアシアへブリタニオン再突を意味していたのですね。晝行燈は次回への伏線です。

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ヘスティアは保護特化! その眼鏡いるの? 続きを楽しみという方は↓にあるブクマ、評価で応援よろしくお願いします。

大変勵みになります! 気軽に想等もお待ちしております!

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