《ネメシス戦域の強襲巨兵【書籍六巻本日発売!】》りぞーとばけーしょん!
「はーい。ブルー。その角度で笑顔!」
撮影カメラマンであるメスのウサギ型ファミリアが、き通る海の上に立つ水著姿のブルーを撮影している。
きわどくない範囲で白のオフショルダービキニを著ている。しい青髪に白の水著はよく映えていた。
肩やうなじのラインが輝くように白く、に大きなリボン風のクロスデザイン。ポーズ指定に辟易しながらもなんとかこなす。
ブルーは笑顔が苦手だ。なんとか口の端を笑みの形にすることが一杯。
「ブルーに笑顔なんて無茶振りもいいところね」
同じく水著姿にガウンを羽織り、サングラスをかけているジェニー。トロピカルジュース片手に視察していた。
撮影に合わせるべくハルモニアで一足先にやってきていたのだ。
人工の青空が広がり、き通る海水。まさに理想のリゾート地といえる観地に気分を良くしている。
「このままアー寫用も確保するようにね。ベッキー」
アー寫。アーティスト寫真の略。音楽のジャケットに用いるためだ。ダウンロード販売ではあるが、水著姿のブルーなら売れるというジェニーの判斷である。
ブルーはこの後コンサートも控えている。その音源を用いて販売するのだ。バーンとの契約もすでに済ませてある。
「おまかせを!」
カメラマン擔當のウサギ型ファミリアのベッキーが請け負う。フェアリー・ブルーの撮影など大変名譽ある仕事である。
指定事項はただ一つ。青と白のパターン背景止のみ。このしい海岸沿いにそんな背景は不要。
ビッグボスの命令により、撮影現場には、メス型しかれない。もしれる者がいるとしたらビッグボス本人のみだ。
「バーンには謝しないとね。ここは確かに観名所になるリゾート地になるでしょう」
撮影スタッフはネレイスやセリアンスロープたちも水著姿で忙しなく働いている。
これが終わればそのままこのリゾート島で休暇となるので彼たちも気合いがっているのだ。
「こんにちはジェニー。撮影は順調のようね」
そういった傍からバーンのビジョンが現れた。ブレザーに眼鏡という姿は変わらない。
「おかげさまで! ブルーの笑顔が見れて嬉しいわ」
そのブルーから憎悪の視線を送られているのだが二人は気にしない。
「はい。ブルー。今度は片手をあげてポーズをとって、笑顔ね」
咄嗟に指示をれるベッキー。指示通りにポーズを取ってしまうブルーである。
「手が抜けないブルーがちょっと可哀想だけどね! 良い記念になると思うわ」
「そうですね。あと一時間もすれば五番機がきますよ」
「え? それは朗報ね。あの子も會いたがってるわ。――ブルー! あと一時間程度でコウ君がくるってー」
その言葉を聞いたブルーの表が凍り付く。
そして水著姿には似つかわしくない邪悪な笑みを浮かべる。同様の笑みを浮かべている撮影を終えたアキとにゃん汰に視線を送るのであった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
五番機は指定された島へ移した。
後部座席にはヴォイが窮屈そうに座っている。
「よくついてくる気になったな。ヴォイ」
「逃げた後のほうが怖いからな」
「それもそうか」
ヴォイは後々のことを考えて付いてきたのだ。
「えーと。この區畫からだ。もう気付いているかな」
海岸の景が映し出される。
「うわ」
いささかコウには目の毒といえよう。
水著姿のしかいない。
「きっついな」
「男なら喜ぶところだろう」
「の園そのものだろ。むしろ気まずい」
の中で男一人は存外辛いものだ。
コウが抵抗を示したのも束の間。
撮影中であろう水著姿のブルーが五番機を見つけ、笑顔で手を振っている。
手招きしているようだ。
「あれ。怒っていないのかな」
笑顔のブルーに安堵するコウ。
「罠としか思えないがな……」
ヴォイがそっと呟くが、コウには聞こえない。
五番機がブルーの音聲を拾う。
「コウ。早くきなさいよー!」
コウは若干悩んだが、向かうことにする。
「リゾート地でのバカンスで、機嫌が直った可能もあるな!」
「ねぇよ」
変なところで楽観主義のコウ。彼に訪れるであろう慘劇にヴォイは震える。
五番機のコックピットハッチを開け、外にでるコウ。
機から下りると、手を振りながらブルーが走りよってくる。
白い砂浜にき通るような海。浜辺を走るは絵になる。
コウもはにかみながらブルーに走りよった。
ブルーは一気に加速し――
「とぅ!」
ブルーはコウに飛びかかり、腕を首に巻き付け砂浜に押し倒す。
したたかに背面を砂浜に打ち付けるコウ。
「ぐぇ」
突然の奇襲と背中から倒れた衝撃に呼吸が止まる。
「容疑者確保! アキ! お願い!」
「はい!」
に潛んでいたアキが飛び出し、コウの両足を摑む。
呼吸ができないコウに為すもない。
アキはコウの両足を腋に挾み、ぐるぐると回転を始めた。
「ちょ…… 待っ……」
「コウが悪いんですからね!」
アキも怒っているようだ。バンドゥビキニはこれ以上になくきやすい。
「離してくれ!」
「はい!」
笑顔で応じたアキが、全力で海に放り投げる。
コウのは空中に舞い上がり、背中から海に落下した。
水深はそれほど深くないようだ。なんとか水面に顔を出すと仁王立ちのブルーが宣言した。
「命に関わるようなお仕置きはやめてあげる。反省はしっかりしてもらいます!」
その宣言に五番機のほうをみると、砂防対策のためハッチがコウが見ている前で閉じる。
「なっ!」
タイミングが悪すぎた。偶然だろうが五番機にも見捨てられた気がするコウ。
「アシアのエメとアストライアのお説教も待ってるにゃ。もう逃げられると思うにゃ」
いつの間にかいるにゃん汰がにっこり笑った。にゃん汰の水著はハイネックタイプの水著を著用している。
隣のアキも同様の笑顔。そしてその腕の中にはいつの間にか震えるヴォイを抱えていた。ヴォイのほうが大きいにも関わらず仔犬のように震えている。
「ヴォイ!」
「引きずり出しておいたにゃ。コウも観念するにゃ」
海中からこっそり近付いてきたネレイスのたちに両腕を捉えられるコウ。
音も無く近付くその泳ぎはまさに海の娘(ネレイス)であった。
公然とビッグボスにいたずらを仕掛ける機會を得てネレイスたちも張り切っている。
「うぅ……」
岸に連行されるコウは、彼たちの怒りの深さを知る。
コウに逃げられないため、ブルーがとびっきりの笑顔で待ち構えるほどのものだと。
いつもお読みいただきありがとうございます! 誤字報告助かります!
BGMはギラギラサマー(^ω^)ノ。懐かしのマクロスFです。B'zの太のゲフンは古すぎですからね!
遂にグラビア撮影回です。最初に言及された回を確認すると……158話の2019年9月! ロングパスすぎですね! そして水著賢者の資料ブクマが再び役立つことになろうとは……
アー寫。昔広告の編集を手配するとき、CDジャケットの手配に悩まされたものです。當時は発表はされていないけれどギリギリまで発表しないグループが多くてアー寫でごまかしていました。
なので用法はちょっと違いますね。ブルーの音楽配信は今後、この撮影の寫真が使い回されるということでしょう。
というわけでお仕置きは軽めですが、砂浜でのプロレス技は危険ですので真似してはいけません! ある種ご褒なのですがコウに気付く余裕はありません。
グーパンしないところが彼らなりの仏心ですね!
ネメシス戦域最初で最後の水著回でした! いや撮影回はまだあるかもしれませんが……
五番機は本當に偶然か否か! サービス回はもう二度と無い?! 続きを楽しみという方は↓にあるブクマ、評価で応援よろしくお願いします。
大変勵みになります! 気軽に想等もお待ちしております
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