《ネメシス戦域の強襲巨兵【書籍六巻本日発売!】》環境対策――メタ勝ち
ネメシス戦域の強襲巨兵⑥ アシア大戦完結篇・決戦、そして講和へ
本日9/30発売です!
風神トライが被弾し、ひっくり返っている。
観客席から盛大なブーイングが起きている。弱すぎたというわけだ。
『行不能にはなっていませんね』
「あの程度ではね。でも五番機、おそらくマッハ20ぐらいまで加速させたよ。なめるなといわんばかりだった」
アシアのエメだってそう思う。
MCSの基本が忘れ去られていたら、MCS本だって怒るに違いない。星エウロパはアンティーク・シルエットも多數生産されているはずなのだ。
よろよろと腳を使い、姿勢を正す風神トライ。心なしか腳部に力がらないようだ。
観客を含め、多くのものが風神トライに気を取られている間、今度はテウタテスの雷神が崩れ落ちてトラクタービームに牽引されていった。
「ん? 何が起きた?」
ケリーもファイティングマシンに気を取られ、風神トライとコウたちの戦いを見過ごしていたのだ。
兵衛のラニウスと五番機が、弾雨のようにDライフル砲弾を浴びせかけて瞬く間にテウタテスを撃破した。
『雷神を程外から蜂の巣にしたんですよ。テウタテス近接戦でやられたから、次は遠距離ではなく近接を強化するとコウは踏んだのです』
「Dライフルの威力はアンティーク・シルエットの上位機にすら通用する。今回はにゃん汰が貫通特化で調整したからなおさらだよ」
Dライフルの磁気収束を調整し、溶解した金屬をより細くなるよう調整していたにゃん汰だった。
兵衛に裝備させたグングニルⅡは通常のDライフルよりも大口徑。つまりより多くの金屬を包している。反も五番機のものより一割増しだろう。そのかわり発するたびに、全に備えられたスラスターの補助が必要になる。
『グングニルⅡまで持ち出すとは予想外でしたね』
「コウのメタ勝ちだね」
コウの時代ではビルドや環境によって勝利することをメタ勝ちと稱したらしい。當然エメも知っている。
風神雷神が裝備を変えるとしたら、近接用途を重視するとコウは読み、程外から撃破した。10メートルサイズで重裝甲のテウタテスでは加速能力も限定されている。
『こういう読み勝ちはコウの強みですね』
「広大な闘技場だって、所詮閉鎖空間だからね。限定環境だとコウは強いかもしれない」
「不思議な覚ですね。フェンネルOSに認められていたはずの人のを捨て、機械のになってあの狀態とは……」
アキが複雑な心を吐する。セリアンスロープがんでやまないMCSに搭乗できたを捨てた彼らが、フェンネルの脅威に曬されている。
「仕方ないにゃ。うちらだってコウが――転移者が來なければいまだに戦車どころか裝甲車に乗っているはずにゃ」
『構築技士なしであの水準を保ったことはさすがというべきでしょうか』
「星アシアが特殊な環境だったかもしれないね」
割り切れない心境に至った一同だった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
風神と雷神トライ。そして半壊した風神トライが戦場に殘った。
コウたち三機は無傷。大して接近もしていない。
三機が五キロ程度程度の距離まで接近した際、雷神トライが同様に有線の超音速空ミサイルを発する。
五番機と兵衛のラニウスはDライフルのモードを拡散モードに変換し、流金屬を散弾のようにぶちまける。
ウィスで強化されているとはいえ、高速で発された流金屬の迎撃に耐えきれるものではない。何よりミサイルの速度はマッハ20近くも出ているのだ。
ラウプラスの切り札ともいえる大型ミサイルは、すべて撃ち落としたようだ。
「あんな巨大なミサイル、何発も搭載できないだろうな」
兵衛が斷定し、上空からライプラスに向けて発砲するが、裝甲を貫通するには至らない。
弾切れになったグングニルⅡを放り投げる。鹵獲される心配はないからだ。
「ち。やっぱりえ。大型のDライフル砲弾全弾叩きこんでも猟犬の裝甲は抜けないな」
二刀を構え、接近戦の構えを取る兵衛のラニウス。
「ミサイルランチャー以外にろくな兵裝がないのか?」
「本來ならしつこい猟犬といったところだが、MCS相手ではな。ワイヤーを切ってシルエットがコントールすりゃいいだけの話だからな。まさかあの速度で回避されるとも思うまい。必中距離なら迎撃してやればいいだけだ。マーダー相手でアシアのシルエットは想定していないのだろうよ」
ラニウスC強襲飛行型、ボガディーリ・コロヴァトともに加速力に優れた機だ。マッハが10超えた以上、わずかでも標的がいたら微修正も難しい。高速ミサイルの利點が仇になっている。
急旋回するにも狹い地下闘技場で、逆噴と急上昇を併用しないと速度も殺せない。本來の力を発揮できないのだろう。
「ライプラスと同様テウタテスも俺たちよりは機に欠ける。まずは殘り一機を倒してからか」
コウはDライフルの弾倉を換し、テウタテスを牽制する。接近戦の兵衛に対し、五番機は中距離からの撃支援からの斬りを狙うつもりだ。
「でもよ。あの雷神トライ。ライプラスってやつか。狙いが付けづらいぞ」
三腳なのだがうにょんうにょん不規則にいている。
MCSで同様の兵を構築したとしても乗り酔いを起こしそうな激しさだ。
すかさず低空飛行に移行する三機。地面にれそうなほどの低空飛行は超音速領域に達している。時速は優に1500キロを超える。
「遅いな!」
バルドもライプラスは脅威にじていない。強固な裝甲は持っているが、それだけだ。
しかしそうやすやすと接近を許さない雷神トライ。妙に素早いきで移して、側面から風神を援護する。
車からせり出したレールガンランチャー式のガトリング砲弾がバルドのボガディーリ・コロヴァトを襲う。大電力のコンデンサは星エウロパ由來であろうか。
「その程度の威力なら!」
猛だが、電磁裝甲のジュール熱によって砲弾は溶解していく。
近付いたバルドはにゃりと笑った。
「兵衛!」
「おう!」
すぐ後ろから加速してきた兵衛のラニウスが、ボガディーリ・コロヴァトの頭上を飛び越えて風神に襲いかかる。
シルエットがシルエットを飛び越える――
これもまたバルバロイには予測しがたいきだった。
ラニウスの刀が右の追加腕部を斬り飛ばす。
「マエヨリモザンゲキソクドガアガッテイルダト!」
前回収集したデータよりもはるかに疾い斬撃に、バルバロイが絶した。
すぐ右隣にはコウの五番機が迫っている。
防しようと槍でけようとする風神だったが、五番機の斬撃がその速度を上回る。
右腕部、右追加腕部をこそぎ斬り飛ばされた風神のに、バルドが止めの一撃を叩き込む。
風神はゆっくりと膝から崩れ落ち、今回はトラクタービームによって牽引されていく。
「邪魔な歩兵は倒したぜ。あとは謎兵だけだな」
「まだ何かあるかもしれねえ。油斷はするな」
殘る敵はライプラス二機のみ。
三機は気を緩めず、距離をめていった。
いつもお読みいただきありがとうございます! 誤字報告助かります!
メタゲームです。環境ですね。何度か言及していますが筆者M○gでは五緑単でした! 花の壁となだれ乗りが強くて好きです。
他ゲームではアセンでテルユキですかね!
予想よりも弱かった謎マシン。
分子分解ビームでも撃てれば良かったのですが…… そんな技はもはや存在せず。
元となった原形兵は相當強かったはずです。Dライフルでも貫通できない裝甲があり、陸海空宇、すべての環境で作したシルエットにとっての戦車です。
星間戦爭時では秒速數十キロメートルの超高速戦闘によってアンティーク・シルエットにぶった切られてました。宇宙でも戦車の敵は歩兵ということですね。地上だったらシルエットは苦戦してそう。
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