《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第10話 子會(議)Ⅰ④
なんか、みんな――「ふれあい験乗艦」中の中2子のみなさん――が、この絋國軍の最新鋭空中戦艦「ウルツサハリ=オッチギン」のお名前にアヤをつけて。
なんと艦名変えちまおう! って流れになってるよ。(俺知~~らね)
あれ? 軍事顧問の人は? そのご恩は?
いいのか!!?? 國防大學校付附屬中學3人娘‥‥!
「ちなみに、DMT(デアメーテル)の導でお世話になった軍事顧問の方は、歐圏の方だそうで、聞きなれない外來用語は、その方の母國の言葉だそうです」
あ、やっぱり。鳴國の外來語はもう僕らの言葉で付いてるけど、それとは語が違うなあって思ってたんだよ。‥‥って今言うことか?
そして、艦名を変更すべく、熱い討論が口火を切った。
で、みんな思い思いの単語を言い出したんだけど、やはりというか、議論百出で、収拾がつかない。ある子は気にいった名前を強烈に推すし、それカワイイ、いやかわいくない、と大激論になった。
とりあえず子さんが、「自分ちの犬貓の名前は除外」と、「自分ちのぬいぐるみ類の名前は除外」と言い出した。
あと、「蕓能人名や創作からの引用」も。
「我々の艦名決定の協議は、混迷を極めた」
って、誰かナレをれてほしかったね。ぜひ。
「みんな、そういう名前はかわいいし、みんな思いれがあると思う‥‥ぜえぜえ。でも、戦艦なんだから、もうちょっと全員で納得できる名前にしようよ‥‥ぜえぜえ」
すっげえ。
あのクールな子さんが肩で息してるや。ってボーっと見てたら、彼と目があってしまった。
あ、しまった。
「咲見くん。この中で唯一の男子だけど、何かアイデアありますか?」
う~~ん。そう言えば、‥‥‥‥ぼおっとしてて艦名のアイデアなんて1ミリも考えてなかった。変える派でもないしね。はっはっは。はっはっは‥‥‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥‥どうしよう。
正直、本當に頭は真っ白だった。でもまあ、どうせ、「一応意見は聞いたよっていうアリバイ作り」でしょ? そう考える事にする。
通したい意見とかも無いし。適當に頭に思いつくを言っとくか‥‥。
「ええと、『ラングドシャ』。あ、沸國語で貓の舌って意味なんだけど、ああ、貓はダメか、それじゃあ、『オ フリアンディーズ』、『サン・ベルジュ』、『パーターシュクレ』、『ビスキュイ・シャルロット』、『ブランマンジェ』、とか?」
「‥‥‥‥」
脳に浮かぶ、僕の思いつく単語。――――どうせすぐ卻下される。
‥‥‥‥かと思いきや、みんなザワザワしだした。
「なんか、私達の案より良くない? 軽い響きとか。意味はわかんないけど」
「なんか、咲見くんから出てきたというのが意外、というか新鮮。意味はわかんないけど」
「なんか、スッとってくるね。どっかで聞いた事あるような単語? 意味はわかんないけど」
場の空気を汲んだ子さんが、僕にさらに振ってくる。
「なんかよさそうね。ね、咲見くん。もっと案ありませんか? こんな系統で」
そう言われて、真面目に考えてしまった。
麻妃だけが、口を押さえてクスクス笑っている。
その時頭に浮かんだのは――
「‥‥じゃあ、『ラ・ポルトドール』‥‥とか。えっとあの、『黃金の扉』って意味で」
その単語に反応したのは、意外にも。
――――インカムの向こうの紅葉ヶ丘さんだった。
「それ、いいんじゃないかな。沸國語だと『ラ・ポルト』は扉、だけど尹國語で『ポルト』は港。みなと市から來た私達にピッタリじゃないか?」
そこに渚さんが乗っかった。
「沸國語だと港は『ル・ポール』よ。ちょっと違っちゃうけど、『ラポール』って、臨床心理學用語で『信頼、調和、架け橋』って意味の言葉があるんだけど」
で、止めとばかりに、ふたりからのパスをけ取った子さんが。
「じゃあ、ラポールのラ、をポルトに定冠詞みたいにくっつけて、『ラポルト』って造語はどうかな? みんな‥‥」
ここまで3人のやりとりはノータイムだよ。一瞬でここまで話が進んだ。
子さんはみんなのを見まわす。
「『みなと市から來た、信頼しあう16人』、空中戦艦 『ラポルト』、よ!!」
最後は上手いことまとめた。
あれだけ、とっ散らかってた意見が、あっという間に仕上がった。
すごく後になってだけど、この「附屬中3人娘」の連攜というか、3人が力を合わせていた時には、とんでもない事が起こる、というのを、僕はを持って知る事になる。
まま、それはまだ、ずっと先の話。
みんな、「ラポルト」って、口々に言いながら、うなづいてる。逢初さんも終始靜かだったけど、口角を上げていて、納得した様子だ。
麻妃といえば、口もとを両手で押さえながら僕を見てずっと笑っていたけれど、僕と目が合うと、サムズアップしてこう言った。
「いや~。暖斗くん、グッジョブ。何でこんなオシャンな単語が暖斗くんの口から出てくるのかねえ。不思議だねえ。――――これはネタバレが楽しみですな。ぐぷぷぷぷ‥‥」
第2回 子會(議)に於いての、厳正なる協議の結果、この、第054作戦區域、みなと軍港所屬の空中戦艦「ウルツサハリ=オッチギン」の艦名は!
本日只今から!!
「ラポルト」!!!
――――に変わった。
いいのかこれで。
※「いやあ。艦名は『ウルツサハリ=オッチギン』一択っしょ!!??」と、うそぶく そこのアナタ!!
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6/15発売【書籍化】番外編2本完結「わたしと隣の和菓子さま」(舊「和菓子さま 剣士さま」)
「わたしと隣の和菓子さま」は、アルファポリスさま主催、第三回青春小説大賞の読者賞受賞作品「和菓子さま 剣士さま」を改題した作品です。 2022年6月15日(偶然にも6/16の「和菓子の日」の前日)に、KADOKAWA富士見L文庫さまより刊行されました。書籍版は、戀愛風味を足して大幅に加筆修正を行いました。 書籍発行記念で番外編を2本掲載します。 1本目「青い柿、青い心」(3話完結) 2本目「嵐を呼ぶ水無月」(全7話完結) ♢♢♢ 高三でようやく青春することができた慶子さんと和菓子屋の若旦那(?)との未知との遭遇な物語。 物語は三月から始まり、ひと月ごとの読み切りで進んで行きます。 和菓子に魅せられた女の子の目を通して、季節の和菓子(上生菓子)も出てきます。 また、剣道部での様子や、そこでの仲間とのあれこれも展開していきます。 番外編の主人公は、慶子とその周りの人たちです。 ※2021年4月 「前に進む、鈴木學君の三月」(鈴木學) ※2021年5月 「ハザクラ、ハザクラ、桜餅」(柏木伸二郎 慶子父) ※2021年5月 「餡子嫌いの若鮎」(田中那美 學の実母) ※2021年6月 「青い柿 青い心」(呉田充 學と因縁のある剣道部の先輩) ※2021年6月「嵐を呼ぶ水無月」(慶子の大學生編& 學のミニミニ京都レポート)
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