《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第28話 リベンジ①
「出るよ」
艦長役の子(こごい)さんから発信許可がおりた。
僕はDMT(デアメーテル)をハンガーデッキから乖離させる。
重力子エンジンの駆音が、徐々に大きくなっていった。
「暖斗くん、機番號」
サポートドローンKRM(ケラモス)をる麻妃(マッキ)からたしなめられた。
そうだった。
今回は複數機が參戦する初めてのミッション。固有の機番號を名乗らなくては。
「002番、咲見機、出ます」
「006番、桃山機も、カ、カタパルトります」
桃山さんの聲もインカムから聞こえた。ちょっと、というか、かなり張してる聲だ。
「大丈夫。下で先に僕が待ってるから。反重力裝置(フローター)使えばDMTだって風船みたいな重さなんだから、ゆっくり降りてきなよ」
そうか、桃山さんが006番機、で、スポ中ペアの初島さんが004番機、來宮さんが005番機と。
またインカムに麻妃の聲がる。
「そうだぜ。気楽に行こうぜ。暖斗くんも、今回はシールドにエネルギー回すからね、前回の失敗を踏まえて」
僕と麻妃は、地上で桃山さんを待つ。その間に、僕が麻妃に話しかけた。
「でもさあ、DMTって意外と不便な兵だよね。サリッサは回り出しが遅いし。シールドもエネルギー回したからってすぐには萬全にならないし」
「そうなんだよ。ってか、戦闘に有効なレベルまで機能を高めるには、相応のエネルギーとチャージ時間が必要だ、って話なんだけどな。シールドって結局、『(こう)電子(でんし)格子(かくし)』っていうエネルギー構造の集まりなんだけど、DMTや戦艦の発生裝置で作られて全を覆うよね? でもシールド発生裝置が一度に作れる電子(こうでんし)格子(かくし)の量は限られてるから、ちょっと前から作り溜めといて、積層(レイヤー)を積み増ししとかなきゃ、なんだよね」
「もっと前からシールド積層(レイズ)すれば、はダメなんだよね」
「そうそう。結局空気中のデブリや靜電気とかで、結局減衰してっちゃうからね。接敵した時にMAX近くにまでなってればいいのさ」
そんな會話をしてたら、上から桃山さんが降りて來た。
「はああ、怖い。わたし外の景が見えるエレベーターも苦手なんです」
そこから散開して、僕と麻妃のKRMは森の中央部を目指した。
大型Botはあの後一旦後退してから、僕らの艦を追尾するきを見せていたらしい。
いつも、僕が醫務室にいてけない時は、戦艦ラポルトもリスクオフで停止してるんだけど、その時艦の周囲を見張らせているドローンの一を、この大型 Botを探し出して、張り付かせたんだって。
やっぱり附屬中3人娘は手際がいい。だから今回は、こちらが既に敵を捕捉している。
艦橋(ブリッジ)では、各機の発進する様子を、子と渚が見守っていた。渚が言う。
「暖斗くんいい表(かお)だったね。附屬中(ウチ)の先輩みたい」
子もそれに答えた。
「みなと市、なんてイチ地方都市から、よくもまあこんな人材を揃えたよね。運営は暖斗くんの人がらとMK能力を期待してたけど」
「暖斗くんて002番機なのね。ふふ。面白い」
「いいじゃないか? 渚學生。見た目は同じなんだから」
桃山さんの聲がした。
「暖斗くん、006番機所定の位置に著きました」
「よっしゃあ。じゃあ、002番機のシールドも溜まったし、始めるか!」
麻妃の聲と同時に、僕は構えたサリッサの予備回転を始める。
「2時方向、3戦闘距離(スタディオン)。見えてるよね?」
「‥‥うん」
こちらの初手!! 敵の位置バレを生かす。長距離(ロングレンジ)突撃(アサルト)だ!!
ドッ!! ――――ガギギィン!!
決まった!!
回転槍(サリッサ)が大型Botの「手」を捉えて、かなりの裝甲を削った。正に「手」そのものの形をしてるんだけど、掌の部分に大が空いた格好だ。
僕は一度バックステップをして退く。
案の定、大型Botは追いかけて來た。
獨立浮遊する左右の「手」を展開して、砲撃をしてくる。
僕はそれを盾でけ、ホバーリングで躱しながら、さらに後退する。
「シールド殘85%」
麻妃のアナウンスだ。まだぜんぜん余裕がある。
今度は大丈夫‥‥、と自分に言い聞かせた。
「森を抜けたよ」
「了解!」
中型DMTが隠れるくらいの小高い木々が並んでいた森林から、し開けた場所へ出た。
と、同時に、あの大型Botも木々の間から姿を現わす。
改めて見ると、小型のBotよりかなり大きい。クリームの球だ。
その本と同じ大きさの「手」で、僕を取り囲もうとする。
僕は、そうされる前に、向かって左の「手」に近接。敵の爪を盾でけ止めた。
「‥‥‥殘心」
インカムに聲がした。
凜々しくてき通った、桃山さんの聲。
そして。
ゴチッ!! ドドォォン!!
僕の盾に爪を立てていた、「手」が地面に接した。桃山さんの狙撃、有質量弾が命中したんだ。
そいつに、すかさずサリッサで加撃する。
「後ろ5時」
もうひとつの「手」が僕にアサルトしてきていた。
ギリギリで躱す。
本Botの砲撃もけ流した。
「‥‥‥‥殘心」
また聲がした。ゴォォォォン! と周囲に響く音がして、今度は大型Bot本がグラッと傾いた。
桃山さんの砲撃が、僕にく余裕を作ってくれる!
いいじだ。
Botは、左右の「手」を僕に集めて、突(とつ)ったりビーム砲を撃ったりしてくる。
「006番機、砲撃注意。本がチャージしてるよ!」
麻妃の聲が聞こえた。マズイ!
大型Botから、幾條もの線が放たれて、放線狀に山側の丘の上に降り注いだ。
「わああ!!」
「きゃあああ!!」
轟音と共に、インカムにの子の悲鳴が響く。イヤな汗を背中にじた。
「暖斗くん、MK(マジカルカレント)起するよ。回路に印加電圧を負荷!」
著弾して煙が上がる方向に一瞬気を奪われた僕を、麻妃の聲が引き戻す。
そうだ。
砲撃をさせないためには、僕がこいつらにアサルトしなくては。
※「そうだぞ暖斗。男をみせろ!」 と思ったそこのアナタ!!
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