《【第二部連載中】無職マンのゾンビサバイバル生活。【第一部完】》14話 避難所のこと 2
避難所のこと 2
「わあっ!やっぱりおにいさんだ!すっごい格好してるね!」
なんという運命の悪戯か。
なんでこんなところで初討伐ゾンビの縁者と會わねばならんのだ。
由紀子ちゃんはこことは別の高校に通ってたはずなのになぜここいいる!?
神よてめえ!俺が何をしたって言うんだ!!
・・・主に殺生系で心當たりがありすぎる不合。
無視しまぁす!人間は忘れることで心を守れるだから!!
「ああ、家にあった使えそうなものをいろいろとね。。・・・そういえば由紀子ちゃんは何でここに?」
心の揺を顔に出さないようにしながら問いかける。
由紀子ちゃんはウチの妹と仲が良くて、小さなころからちょこちょこ家に遊びに來ていた。
それで俺と面識があったのだ。
大學が暇なときは、妹もれてみんなでゲームして遊んだものだ。
庭で花火なんかもしたなあ。
今ではすっかり大きくなって、月日は百代の過客にしてなんとやらだ。
・・・いや違う、矢の如しだったわ。
あのころはオッサンも今ほどキツくはなかった。
無職になってからは挨拶してるとこを見られただけでボロクソに言われたもんな。
『娘にかけてどうするつもりだ!?』
はないだろうオッサンよ。
被害妄想がたくましすぎるぞ。
思い出したらまた腹立ってきたな。
いやいや、死人を悪く言うのはよそう。
「私?私は生徒會の用事でここに來てたら、あの大騒ぎに巻き込まれちゃって・・・」
ふーん、學校の流行事ってやつかな?
「あっ!ねえおにいさん!今家って言ったよね!」
アカン!恐れていた質問が來てしまう・・・
どうする?どうするぅ!?
さすがに
『ゾンビになってたパパをボコボコにして再殺して庭先に埋めたでござる』
なんて言えないぞ!
「ママ帰ってきてなかった!?」
・・・んん?
「いや、今のところは帰ってきてないなあ・・・」
「そっか・・・心配だなあ・・・大丈夫かな、ママ」
んんん??
あれーおかしいな???
父親のことは・・・?
一応一家の大黒柱にカウントされるパパのことは気にならないの・・・?
気になるけど俺から聞いてもいいものなのかこれ・・・
いいや!ここは流そう!
このまま世間話でもして何事もなく別れるのだ・・・!
そしてぐっすり寢た後はさっさとトンズラしたい!!!
「アイツはどうせ職場だろうけどさ・・・そのまま死んでてくれないかなあ(小聲)」
ああああ聞こえちゃったよ!!!!
もうちょっと音量落としてよ!!!!
お隣の家庭事が怖いよ!!
「あっごめんねおにいさん・・・ウチ今ちょっと複雑でさ・・・」
わかるよ!今の闇のこもった小聲でだいたいわかるよ!!
知りたくもなかったよ!!
「い、いいんだよ、おばさんはたしか隣町の病院で働いてたんだよね?きっとそこに避難してるさ。大丈夫だよ。」
「うん・・・」
「病院は備蓄食料も電気もあるからね、家よりもずっと安全だよ。」
「そう・・・だよね」
「そうそう、元気出しなよ。ね?ほらこれ、ミンナニハナイショダヨ?」
「わあっありがとうおにいさん!」
ポケットからチョコレートバーを取り出しこっそり渡す。
れてほしくなさそうなのでオッサンのことはれずにめる。
俺だってれたくないのだからむところだ。
浮気でもしたのかなオッサン。
あんないい奧さんがいるのにわからんもんだ。わかりたくもないけど。
「おにいさんは家に1人で暮らしてるの?ここに來ればいいのに・・・」
「いやー、どうも大勢の人は苦手でねえハハハ!」
殘念そうに由紀子ちゃんが言うが、1人の気楽さは安全にも勝るのだ。
正直困ってもいないし。
それにどうやらここは満員らしいから、斷る口実もあるし。
「お話し中すいませんが、しよろしいですか?」
後ろから聲を掛けられた。
振り向くと、俺と同年代かし年上に見える警が立っている。
うお!でかい、190はあるぞ。
筋の塊みたいだ。
両耳が見事なギョウザ型・・・いや確かカリフラワー・イヤーって言うんだっけか。
かなり道やってるな。
先ほどの若い警も後ろに控えている。
「別室で市の狀況を伺いたいのですが・・・」
「ああ、大丈夫ですよ。それじゃあね由紀子ちゃん、おばさんを見つけたらここまで連れてきてあげるよ。」
「うん!ありがとう!またねおにいさん!」
由紀子ちゃんにそう言って別れ、警について歩き出す。
オッサンのことで負い目があるので、おばさんのことは気にかけておこう。
・・・帰ったらオッサンはもっと深く埋めた方がいいかな・・・
「・・・なるほど、そんな狀況になっているんですか。」
「ええ、いまのところ大規模な略奪とか火事はないようですがね。ただ、何日か前に市役所の方角に結構な煙が見えました。」
「ガソリンスタンドですかね・・・こちらも市役所とは連絡が取れなくて困っているんですよ。」
『事務室』と書かれた部屋の中で、先ほどの警察に報を提供する。
彼は『宮田』と名乗った。
その巨に似合わず腰はやわらかい。
若い警は『森山』だそうだ。
さすがに警相手に偽名を名乗る必要もないので、俺も本名を言う。
「生存者はどのくらい見かけましたか?」
「北區のホームセンターで3人、あとは今日見つけたここの生徒だけですね。あっ、そうだ、あの娘の連れは・・・?」
「・・・あと1人、見つかっていません。この狀況では捜索にも行き辛くて。」
「わかります。夜は危険ですしね。」
話すうちに、ここの狀況が分かってきた。
現在ここにいる避難民は元々いた生徒と合わせて500名程。
各教室をざっくり地域別で分けて使用している。
警は宮田さんをれて30人ほど。
無線を使ってここへ集合させたらしい。
市の學校、育館、病院などもやはり避難所になっているらしい。
無線機は生きているが、何か問題が起こったのかいくつかの避難所と県警本部とは連絡が取れない。
自衛隊も同様らしい。
基地に避難民を収容しているという報があったが、ある時から連絡が途絶え、今に至ると。
うーん、警察ならともかく自衛隊がそう簡単に壊滅するかな?
銃に戦車に戦闘機まである連中だぞ。
俺でもボコれるゾンビ程度にやられるかな?
「宮田さん・・・やはり噛まれたらゾンビになるんですかね?」
一番確認したかったことを聞く。
「そうだろう、とは思うんですが・・・どうにも確証がなくて」
「というと?」
「噛まれてからその、ゾンビになるまでの期間が人によってまちまちなんです。早いものは數時間、遅いものは1日半、といった合に。」
「そんなにですか?」
「ええ、なので現狀は噛まれた人は隔離せざるを得ません。・・・もしああなった場合は我々がその、処理しています。」
「・・・心中、お察ししますよ。」
・・・なるほど、ここまでしっちゃかめっちゃかになった理由の一端が分かったかもしれない。
こりゃあ部から崩壊した可能が高いな。
噛まれたやつを片っ端から殺すわけにもいかんだろうしな。
特にこの國では。
いつ発するかかわからん弾を抱え込むようなもんだ。
ううむ、これは大変だ。
とにかく噛まれるのが染のきっかけなのは間違いないだろう。
より一層注意しないといかんな・・・
あっそうだ。
大事なことを忘れてた。
「宮田さん・・・煙草、吸ってもいいですかね?」
一瞬あっけにとられた顔をしつつ、苦笑いしながら宮田さんは了承してくれた。
こんな狀況だから、気にする必要はないと。
正直限界だったんだよな。ありがてえ。
あっ攜帯灰皿は持ってます!
二人して羨ましそうに見つめてくるので一箱ずつあげることにした。
・・・すっごい見てくるんだもん。
予備だったけど仕方がない。
だがその甲斐あってか、校で抜かないことを條件に日本刀の所持を認めてもらった。
まあ厳にいえば銃刀法違反だけど、いちいち捕まえてもいられないもんな。
これが賄賂の力か・・・!
そのままここで寢ていいとのことだったので、事務室のソファーで寢ることにした。
・・・なんじゃこれ!このソファーふっかふかァ!!
今度家屋に行ってみよう!!
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