「これで4つ！」

たとえ話をしましょう。

あなたが森を歩いていて、自分より何倍も大きな相手が出てきました。

どうする？って、逃げるわよね。

「ターゲットの氷結を確認しました」

「とどめを刺して、積んじゃいましょ」

そう、狩猟に來たのはいいけれど、獲はすぐに逃げる。

そりゃあ、JAMが相手だと、そうなるわよね。

本當は抜きがどうとかあるのだけど、凍らせてしまえば大いいらしい。

というわけで、力をアクアマリンとダイヤにして、凍らせることをメインにしている。

「さすがにJAMで追いかけっこは、ねえ」

「効率が悪すぎますね。木々をなぎ倒してとか、やりたくないですよ」

森の手前でトラックを止め、周辺を移しての狩猟だ。

小さいの相手だと、オーバーキルもいいとこだと思うけど、しょうがない。

若いのも、大きいのもそれぞれに質が違うらしい。

だから、依頼でも頭數か重量でクリアとなるわけだ。

「さてっと……」

もうし狩りたいところ、と周囲を確認した時のことだ。

し、違和があった。

これというものが目にったわけじゃないのだけど、気になったのだ。

「レーテ？」

「カタリナ、荷を固定。トラックに乗って」

あくまでも狩りの続きの警戒、そう思わせるきをしながら、気配を探っていく。

経験からくるものなのか、私のこの世界での能力なのかはわからない。

けれど、寶石の力をじた。

（何かいる……人間？　それとも……）

一見すると、自然かな山だ。

とても、一度世界が崩壊の危機に瀕したとは思えない。

幸い、気候変は限られた地域にだけ影響があったようだけど……。

『生センサー、出しますか？』

「止めておきましょう。知するミュータントも、世の中にはいるわ」

口にしてから、自分がどっちがあり得るかを決めていることに気が付いた。

そう、この雰囲気は……人ではなく。

「っ！　そんなっ」

持っていかれた。

最初にそう言葉が浮かんだ。

森の中から、何かが飛び出て來たかと思うと私の反応より早く、機を襲ったのだ。

その上、よけきれなかった攻撃が左肩を襲い、見事に裝甲が剝ぎ取られた。

JAMの攻撃でも食らわない限り、破損しないだろう防を誇る裝甲が、だ。

「撤退するわ。あっちもどこかに行ったようだし……」

じた気配は、山奧に遠ざかっていく。

正は不明、カメラでうまく撮影できているといいのだけど……。

『生だったら、終わりでしたね』

「ぞっとしないわ。首がぽーんって飛んでるわよ、あれだと」

念のために、トラックの荷臺で撃姿勢を取りつつ、森から離れていく。

幸いにも、その後襲われることはなかった。

「そいつは、シャドウパンサーだな」

「シャドウパンサー……獣かミュータントってこと？」

納品後、かろうじて寫っていた映像と共に役場で聞いてみる。

すると、もうすぐおじいさんな相手があっさりと名前を告げてくる。

「だろうな。でも、ここ１０年は討伐記録がない。積極的に襲われることもないからな」

「たまたま縄張りにったか、行範囲にぶつかったか……か。厄介ね」

今のところ、森の中でしか遭遇例がないというのはめになるのかどうか。

このあたりは、思ったより自然が多くて森だらけなのだから。

映像は、鳥ではなく四つ腳の獣らしきものがぎりぎり寫っている。

大きさは、大型バイクぐらいはあるからかなりのだ。

「噂じゃ、白いのもいるらしいぜ」

「聞きたくはない話だったわ。ありがと」

を一部、引き取る渉をしつつ、役場を後にする。

報収集をしてくれているカタリナと合流し、同じ宿へ。

「お帰りなさい！」

「ただいま、でいいのかしらね。これ、よかったら夜に出してほしいのだけど」

お！と喜ぶ姿に、確保してよかったなと思うのだ。

甘いと言われるかもしれないけど、子供はこうあるべきだと、心から思う。

宿の主人でもある父親に、改めて説明と依頼をする。

そこそこの量があるので、他の客にも振る舞っていいか聞かれ、頷いた。

また狩りに行けばいいのだと思ったが、今日の出來事を考えると……。

ける仕事については、し考える必要があるかもしれない。

明日は、修理を依頼しないといけないからね。

「レーテ、ある程度は自己修復は効かせられますけど、今回はこのまま？」

「あまり目を付けられたくはないわ」

そう、設定上大崩壊前の機であるブリリヤントハート。

々な機能を持つが、その中の１つには自己修復がある。

強力なではないけれど、裝甲ぐらいなら可能だとも知っている。

個人的には、そういうのは切り札的にとっておきたいのだ。

「レーテがそれでいいなら……じゃあ、お話しましょう」

「ええ、そうね。夜は長いし、今後のこともあるものね」

そうして、食事を挾みながらこの先のこと、機の改造プランなどを話し込むのだった。