ドラゴンたちの襲撃からしばらく。

じっくりと整備を行ったブリリヤントハートはきれいな姿を取り戻した。

ぱっと見はそう変わらないように見えて、中は長していっている。

その変化自は、以前にも起きていた。

ブースター能力の向上と、増設。

そして、ジェネレータとしての増強。

このままいけば、どんどんかつての記憶のような機になるだろう。

（そうなれば……たどり著くことになるのかしら……）

─　七のカラーダイヤを同時に使用する日に

「まずは一歩ずつ、ね。この覚、間違いないわね……」

今回の長は、やや特殊なもの。

それは、遠隔作、リンクというものだ。

今は機から降りている。

それでもじる、確かなつながり。

向かい合った狀態でも、かそうと思えばかせる、そんな力だ。

「腰にハードポイントを増設して、投擲武なんかを増やせるそうですけど……レーテ？」

「え？　ああ、そうね。毎度ライフルというのも味気ないか……いくらかもらうわ」

喧噪の響く工房。そこで一人考えに沈んでいたようだ。

ゲームだと、都合のいい空間に換パーツはいくらでも保管していたけど、そううまくは……。

トラックでの旅も、十分楽しいのでこれはこれで、というところだろうか？

整備を終え、工房橫の空き地で稼働チェック。

問題がないことを確認して、料金を払えばこれで自由のだ。

「さてっと、どうしましょうね」

「戦場跡にすぐ顔を出すのかと思っていましたけど」

「それでもいいのだけど、もうし報がしいところね。それに、新しい力の実験もしたいし」

町長直々に、危ないと言われた北西の戦場跡。

一、どれほどの戦いがあったかはわからない。

（最悪の場合、足を踏みれた途端、衛星から撃たれる可能もある……）

かつての文明が打ち上げた、宇宙の目、矢。

多くは時間の流れに、消えていったはず。

理由は、破片の衝突や隕石などなどだ。

でも、まだ結構な量が生き殘っており、人類にネットワークの恩恵を與えている。

噂じゃ、自己再生を能力としてもったものもいるとかいないとか。

「しばらくは、仕事をしながらあっちに行って帰ってきた変わり者がいないか、探すとするわ」

「わかりました。気になったのが、ドラゴンたちがどこから來たかなんですよね」

「気にしても仕方ないような……でも、確かにそうよね」

見た目が獣とそう変わらない、そんなミュータントが圧倒的に多い。

一部は巨大化し、別の生きと化しているわけだけど……種類はそう多くない。

そして、そんな奴らの主な発生理由は２つ。

１つは、進化というべき変化でそうなったもの。

もう１つは、かつての人類が犯した過ち、伝子改良などで生まれた生きの末裔だ。

「それこそ、大昔には恐竜っていう生きがいたことはあるらしいけど……この星だったかしら？」

「そういえば、この星がどの星かすら、わかりませんね」

私はつい、記憶にある地球という覚でしゃべったが……その通りという保証はない。

當然、全然別という可能も十分にある。いや、そうであってほしいという気もする。

跡として出てきたものが、私の知らない昔のものだった場合……。

私は、自分が本でないと突き付けられることもあり得る、そうじた。

「今……ここで生きている。それで十分だわ」

「ええ、そうですね。のついたダイヤも探さないといけませんし」

うなずいてる間に、定宿になってしまった宿へ。

顔を出した宿の主人に手を振りつつ、駐車場へ。

の子が、洗車のためにかバケツとモップを持って飛び出してきた。

「お姉さん！　今日もお泊り？」

「そうよ。いつもありがとう。これでお菓子でも買うといいわ」

お小遣いとしては多すぎず、なすぎず。

お金の分は作業をしっかりしよう、そんな金額だ。

「いつもすいません。お客様なのに」

「いいのよ。私も……あのぐらいの家族がしかったってことにしておいて」

買いと、依頼を見てくると告げて宿から市街地へと向かう。

ここだけ見ると、平和な町中だ。

「獣やミュータントの狩りは、しばらく荒れるでしょうね」

「増えるか減るか、極端になりそうだわ。その分は黒騎士たちが面倒を見るでしょう」

町の守り手、なんて話は噓ではないらしいから……。

その自負が、変にプライドを刺激するときがあるのかもね。

報が集まるであろう酒場に向かえば、まだ日は落ちてないのに騒がしい。

「適當につまめるものと……へえ、ワインがあるのね。もらうわ」

「私はアルコールなしで」

視線をじるが、ちょっかいを出してくるような奴は……いないかな？

実力の合は、わかる人にはわかるのかもしれないわね。

「腰に騒なのをぶら下げてるからですよ、きっと」

「え？　ああ、そういえば……あの羽つきトカゲを斬った時のままだったわね」

酒場のマスターにも、むき出しでぶら下げていたことを謝罪する。

どんな武か、わかる人間にはわかるのだろう。

幸い、マスターは慣れているのか苦笑だけで済んだ。

そのうち、視線も散っていき……騒がしくも、靜かな時間がやってくる。

「発掘の依頼あたりがあると味しいのだけど……なかなかなさそうね」

「當たれば大きいはずですからね。みんな自分たちでやるんですよ」

掲示板に張られた大小の張り紙たち。

男たちがその前であーでもないこーでもないと……。

「？　それにしては騒がしくない？」

「何か、目玉となる依頼でも張り出されてるんでしょうか」

「プラントの探索さ。軍用のな」

注文を置きに來たマスターが、そうつぶやく。

そちらを向くと、マスターはゆっくり語りだしてくれた。