《迷宮宿屋~空間魔法駆使して迷宮奧地で宿屋を開きます~》2
事務所を出て、何を食べに行こうか話しているとちょうどギルドにってきた冒険者と目が合い思わずげっと聲が出る。
「…なんだよ悪食。おまえ、泣いたのか?目が真っ赤だぞ」
「アンには関係ないでしょ」
「関係なくないだろ。まさか泣かされたのかよ!?」
同じ孤児院で同い年の冒険者……生まれつき剣や強化など冒険者向きのスキルを四つも手にれた兄妹分。ただしいつも悪食とからかって來るので犬猿の仲のアンは、ちらっと隣にいるトールさんを責めるように窺うように見た。
ちなみに仲の悪さの原因の一つは、私が彼を妬んでるのもある。
だって私はクソまずい薬草や破棄ポーションを飲み続けてやっと役立つスキルなのに、アンは生まれつき良いスキルを四つも持ってたんだもの。素直に妬ましい!
「そんな訳ないでしょ。ごめんなさい行きましょうトールさん」
「気にするな」
トールさんにも失禮なアンから離れたくって、トールさんの手を引っ張って出ようとするとまだ何か用があるのかアンは私を呼んだ。
「悪食!」
「……なによ」
「今度のお前の休み、院に顔出すからさ。そうシスターに言っといてくれよ」
「私もう孤児院出たから、自分で言って」
「え、お前ついに家出たのか。家賃ちゃんと払えるのか?どこに住んでるんだ?」
「……それこそアンには関係ないでしょ」
なくとも私とアンは家賃の心配をしあう仲でも家の場所を把握しあう仲でも無い。
現に私より先に院を出たアンの住所なんて知らないし。
いい加減鬱陶しいアンを振り切って、私はトールさんと街に出た。
「彼は同じ孤児院の出だった、か?」
「ええ。いっつも悪食!とかポーションばっか飲むとか味覚おかしいんじゃないか?とかからかってくるんです。昔っからずっと!」
「……それはなんとも言えないな」
「そんなことより、何を食べましょうか?」
いつも通りムカつくアンに會ったことなんて忘れて食事を楽しむべく、気分を切り替えた。
新しい新居は冒険者ギルドであって、冒険者ギルドじゃなかった。
新居。それはずっと企んでいた私の空間だ。基本的に冒険者ギルドで空間を開くだけに過ぎない。
この二年。迷宮で宿屋を作りたい!と思った私はとにかく私の空間の拡張と空間魔法のレベル上げに勤しんだ。
マジックバッグを作って売って、資金を確保しても良かったけれどアイズさんが売ったら目立つって言っていたからそれは後回しにしたのだ。
そんな私のステータスがこちらになります!
マリーロズ(16)
レベル7
HP20
MP3018
裝備
帰還の指(危機に陥ると自で帰還する)
生存の腕(どんなダメージ負ってもHP1で耐える)
空間魔法レベル7
・『開閉』
・『効率収納』
・『重力無効』
・『拡張』
・『多重空間』
・『生保管可能』
・『収納』
・『効率作業』
その他スキル
・質付與
・現在の空間は25m x 25m x 8m
(參考までにプール二個分の広さ、二階建て家屋の屋くらいの高さです)
裝備は空間魔法のレベルの高さからギルドで重要人になったのでギルマスに強制的につけられたけれど、お値段がいくらするのかとても怖いです。
そしてこの収納。これが空間マイハウス化にとっても役に立った。
これはMPを消費して空間に壁を作るスキルだったのだ。
これのおかげで収納で中にれたものも隠せるようになった。ので、んなものが置いてあっても気にならなくなった。
今は空間に棚付きの小さな寢室(棚は収納で作った。ベッドは買って持ち込んだ)
と、キッチン付きのダイニングが私室としてある。
住宅部分を広く使っても良いのだけれど、正直寂しくなるからそこは狹く作ってしまった。
そしてもう一個のスキル効率作業。
これもまた便利なのだ。主にレベル上げで。これの効果はふたつあって
・常時消費MP半減
・MP消費通常で効果2倍
これを切り替えて使うことが出來るのだ。
ふふふ、最近私の空間大きくなっちゃって拡張に時間がかかるようになったのでこれはとても助かった。
大きな空間は後者で倍の速さで作れて
小さな空間は前者で沢山作れる
まるで夢のようなスキルだった。
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