優しい人達に守られて、順調に空間魔法のレベルをあげて。

夢を見る人達に夢を見て。

どれほど大切にされているのかなんて、私は全然気づいてなかった。

「お姫様は本當、まっすぐで困るよなマスター」

「タックか。こんなところで油を売ってないでさっさとあいつの護衛に戻れ」

「戻るけども。冒険者ギルドの蔵っ子にタチの悪い商會が目をつけたってよ。一応調べといてくれ」

「ああ、わかった」

気づかない間に常時護衛がつけられていることも知らない私は、せっかく時間停止空間を手にれたのだし。

新鮮で今が旬で安い野菜をいっぱい買いに街に繰り出した。

そんな事をすれば、私の能力がどれだけのか窺ってる敵対勢力に良い報を與えるなんて考えもせず。

私は、新能力を堪能していた。

やばい、時間停止しゅてき。

昨日氷室で冷やされた生を買ったのだけれど、それが今日取り出しても冷え冷えだった。

なにこれしゅてき。

ちなみに時間停止機能は空間に機能を付けることも無くすことも出來た。

生魚を使っていくつか試したことがある。

・時間停止空間に生きはれられる

・時間停止空間に私はれない

私は時間停止空間にはれないのだ。まあ、時間停止したら取り出しとかも出來なくなるのでそれは當然なのだけど。

ふと気づいたのだ。

これ、重傷者の保護も可能なんじゃないかと。

とは言え人間を時間停止空間にれたことは無いしチャレンジをするのも怖い。

々と規格外なことになりそうなのでこの件はこれ以上突っ込まないでおこう。

とりあえず、だ。

勤を命じられたのでギルド事務所で迷宮宿屋計畫で必要そうな空間をメモしていく。

・住居(メイン空間)

・食材庫(時間停止)

・素材庫(時間停止)

・私れ(通常空間)

あとは何がいるかなーと考えていると、後ろからギルマスがきゅきゅっと書き足してきた。

・雑貨倉庫(時間停止)

・水(時間停止)

・排泄(時間停止)

「ああ、水！」

「洗ったり、飲んだり、洗濯したり々と使うだろ」

「でも、雑貨も？」

「ああ。どうせなら搾り取れるだけ搾り取ってやれ。酒に著替え、予備のポーションに甘味、予備の武なんかも良いな。汚ねえ話だが大人數が長居すんなら排泄も持ち帰った方がいい。共同トイレはどうする、買った方がいいか？」

「うーん、どんな作りですか？」

「既存のものはこんなふうに落ちて一箇所に集まるじだな」

うーん、それは掃除が大変そうだな。となると個室一個につき空間をつけて……ボタンを押せば下部で空間が開閉する機能を……はっ、ボタンで開閉できるんなら水のった空間を天井に設置すればシャワーも……

と、ギルマスに提案するとうへぁって顔をされた。

「空間の無駄遣いしすぎじゃねえか…」

「宿屋を営むのが私一人なら仕事をなくする方が重要です。他にも一緒に行ってくれる人がいると言うなら話は別ですが…」

「好き好んで迷宮最先端に行きたがる馬鹿がお前以外にいると思うか？」

「空間を用します」

真顔で聞かれてキリッとした顔で返すと、ぱしんと頭を叩かれた。

「とりあえず…そうだな、このボタン機能部分は魔道の部品で何とかなるな。必要な空間作りも良いが、宿屋自の間取りも大雑把に決めておけ。あとで建築家と相談できるように手配も進めといてやる」

「わかりました」