《迷宮宿屋~空間魔法駆使して迷宮奧地で宿屋を開きます~》14

「おい、トールの野郎酔っ払ってマリィちゃんに襲いかかったらしいぞ。そんであそこがズタボロに裂けてA級ヒーラーが二人がかりで治したとか」

「まじかよ、あいつ俺らのマリィちゃんに何してやがんの。鬼畜ロリコンだな」

「でもマリィちゃんは健気にも『私は大丈夫です』って言って…」

誰かさんが破壊した廊下の木片を掃いたほうきで、馬鹿冒険者二人の頭を……後ろから毆り飛ばす。

「いってぇ!」

「んだよ、なにす……」

振り向いた二人を、にっこりと微笑んで見上げる。

「何を、していたのだと、思いますか?」

ニコニコ笑っていると、二人はやばい!という顔をして……えへ、と笑った。

「事実無な噂話はやめて貰えます?私とトールさんはまだやってませんから!」

「はっ、つまりれようとしたら裂けてれられなかったと」

「ごるぁ!!服すらいでないわ!」

「ちゃ、著セッ〇ス」

「悪ノリ混ざらない!!」

二人どころか酔っ払い復活者がさらに加わり真剣な顔で、楽しそうに言うもんだからそちらもほうきで毆る。

と、突然始めに噂をしていた二人がすっと浮いた。

「いだだだだ!やめてくれ鬼畜ロリコン!」

「そうだ俺らも冤罪だトール!」

何だろうと思うと、そこには真顔で二人の頭を摑んで持ち上げるトールさんがいた。

ちなみに朝起きて土下座をするトールさんにはシャワーを浴びてもらい宿屋に置く用だった替えの著替えを渡してあるので今の彼は酒臭くはない。

「マリィ、掃除の続きをしてて良いぞ。俺はこいつらと話があるから」

「………お任せします」

「ちょ、マリィちゃん助けて!?」

「置いてかないで!!」

し考えて、どうせ私が毆ったって大したダメージにもならないし。トールさんに任せた方がいいと判斷して掃除に戻った。でも大人の冒険者を腕一本で持ち上げるなんて流石Aクラスの冒険者だなあと心した。

その後も真剣に心配して大丈夫?と聲をかけてくる治癒士やHPポーション使うか?と聲をかけてくる冒険者、職員に怒りつつ。

大宴會の後片付けをスタスタと、無事な職員と共に行った。

ーーーーー完全に余談だがこの日トールさんには『鬼畜ロリコン』のあだ名がついた。

『銀の華』が帰還すると、正式に宿屋の最初の客のエントリーが始まった。

すると各地からAランクパーティやBランクパーティがうじゃうじゃと集まり始めた。

冒険者は、強い。

18階層の魔であっても実は彼らは余程囲まれたりしない限り余裕なのだ。

問題は、食料問題と魔の素材問題だけであった。だがその問題がとても厄介で攻略につまる。詰まるどころか戦闘能力は高いものの15階層など奧まで行けないパーティは多かった。

うちの迷宮限定で、その問題が解決する。

そうすれば各地の高位冒険者が行ってみたい!と思うのは當然で。

行ってみたい。そしてそんな宿屋を営む空間使いと知り合いたいーーーーいずれ自分たちの拠點の迷宮でも宿を開いてしい。

もしかしたらマジックバッグを買えるかもしれない。

そんな野と打算に満ちた冒険者達が押しかけてきたのだ。

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