《迷宮宿屋~空間魔法駆使して迷宮奧地で宿屋を開きます~》23

ギルド職員&仮職員の朝は早い。

弟妹は朝食の支度を、私はマイクさんから昨夜の買取狀況を教えてもらう。いざってとき私でも対応が出來るように買取の仕事の教育だ。

まず、一覧表を貰って驚いた。

「前回より多いですね」

買い取った素の數が二年前より明らかに多いのだ。

二年前の移中はもっと數がなかった筈だけど…。

「前回はターゲットが定まって居たからでしょうか。それ以外で空間が埋まらないように調整をしたのかもしれませんね」

「なるほど」

「それもあるが、今回は護衛対象が最小限で済んでるからな。接敵してでも最短ルートで突っ切り続けてるからだぞ」

マイクさんと話していると突然會話に割り込んできたのは外に通じる通路から上半で帰ってきたアイズさんだった。

外。宿屋の外。つまり迷宮だ。

「外に出てたんですか?」

「ああ、朝の運がてらな。一匹仕留めてきたから買取頼むや」

言われて慌てて玄関に出ると水場にはまみれのシャツが。玄関中央には四足タイプの魔の素が置いてあった。

玄関まみれ…

まあ、空間の壁は汚れがこびりつかないから良いけども。

「とりあえず買取所の所へ運んでください。私はここ掃除しますので」

「待ってください。マリィ、一緒に買取査定しますよ」

モップを取りに行こうとするとマイクさんに呼び止められる。

でも、が…。

気になりつつも、素を運ぶアイズさんと共に買取所にる。

「マリィ、これが何の魔か分かりますか?」

「……いえ、さっぱり」

「そういう場合はこちらの資料を見てください。足無し、二足歩行、四足歩行、それ以上の分類別で買取経験のある魔の種類、その使用可能部位が書かれてますから」

「はい」

け取った資料はそこそこの厚みがあった。パラパラとめくっていくと全てが手書きで事細かに書かれている。

これはきっとマイクさんが今まで買い取ってきた魔の歴史なんだろう。だって全部、マイクさんのきれいな字で書かれていた。

「マジックウルフ、ですかね」

「ええ、そうですね。魔法を使う狼で全部が魔力を帯びているので魔力伝導率が高いです。ですので骨や爪、皮は魔道や裝備に。臓などは薬やポーションの素材になります。全部が使えるので買取値はこの階の魔にしては割高になりますね」

なるほどなあ。

心しながらサイズから料金を軽く出すマイクさんの手つきを見る。

「切り傷は心臓に一つ。なので皮狀態は高品質ですが、心臓が當然ですが真っ二つなので狀態が悪いです。プラスマイナスで、買取価格として50萬で如何でしょうか」

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