《迷宮宿屋~空間魔法駆使して迷宮奧地で宿屋を開きます~》27

「ここから先が結界無効區域だ」

「ああ、噂の」

「そっちは無いのか?結界無効區域って」

「わからん。うちの最奧層で確認されてるのはフロア丸ごと水沒だから」

「……そいつもきついな」

20階から21階へ降りる階段を見て、珍しくも冒険者同士が雑談していた。

どうやらここから先はスピードを緩めていくらしい。

その理由は単純。ココにいるものを狩りに來たからだ。

1パーティでも余裕だったものが5パーティで苦戦するわけが無い。移中一でも多くの魔を倒して金にすべく狩りながら進むことになったのだが…。

20階と21階。たった1階なのだけれど魔の姿は様変わりしていた。

主に、サイズが。

「でっかいなあ…」

「2m以上はあるねえ。これで普通だけど」

「えっ!?」

四足の魔だけど、そのサイズがうんと大きくなっていたのだ。さらにそのの表面にはバリバリと雷がっている。

を持つ獣だそうだ。

2mで普通。大きいものだと4mを越すそうで、そんなもの確かにマジックバッグ無しで持って帰れないと思う。

そんな魔

「おー、バフ切れたわー」

「挑発頼む」

余裕で倒す人々。いつも気のいい冒険者の人達の、実力を改めて実した。

倒しながら、ゆっくり進んでも晝過ぎには予定していた23階の地點に到著した。

玄関の扉はいつもより大きめのものに作り替えた。4mサイズを引きずって持って帰ってきてもれるようにだ。

「…これ、本當に敵はってこないんだよな」

れませんよ。場には私の許可が必要なので」

心配そうな人を目に私はパタパタと走って玄関と買取所を繋ぐ扉も大きいものに替える。

は玄関→買取所に持ち込むものだしね。

そして、私がコツコツと空間の間取りを変えていると……全冒険者の前でマイクさんがコホンとを鳴らした。

「まずは現地までの護送ありがとうございます。皆さんのおかげで誰一人欠けることなくこの場所まで來られました。これよりこの場所で迷宮宿屋を正式にオープンさせていただきます」

マイクさんがそう言い切るとぱちぱちとあちこちから拍手が上がった。

いつの間にか弟妹たちも一緒になって聞いている。

「さて、宿屋が正式オープンしたことで迷宮売店の方もオープンとさせていただきます。こちらでは地上よりは割高になりますが 帰還スクロールや高級ポーション、酒やツマミから……皆さんが気になってらっしゃるマジックバッグの様なものも販売させて頂きます」

マジックバッグの様なもの。

あやふやな言い方をするので、事を知る銀華とドラ殺以外のメンバーは各々微妙な反応を見せた。

的に言いますと、お客様の好きな裝備やアイテムにマジックバッグ効果を付與させて頂きます。種類は二つ、初回のみの販売で1パーティ1個まで。お値段は1000萬で、買い取った素との相殺も可能です。なにか質問がございましたらこちらまでお願いします」

そう 、始めはバッグの狀態で売ろうと思ったのだけれど。

に空間付與したトールさんがものすごく使いやすいとしていたので、私の正もバレてるし希するものに付與することにしたのだ。

これには各パーティとも大きくざわついた。

「では店主のマリィ、開店の合図をどうぞ」

そしてマイクさんに託されて……勢いよく手を振り上げる。

「迷宮宿屋、開店です!!!」

そして二年越しの私の念願の夢が、ついに実現した。

第二章[完]

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