《【書籍化決定!】最強スキル持ちは、薬草採取しかできない》15 珍なる遭遇
元F級冒険者のエピクです。
先日より薬師協會専屬の薬草採取者に転職し、無事に過ごしております。
『消滅』スキルの扱いも幅が広がり出して絶好調。
今日もスキル磨きと薬師協會へのお勤めを果たしに魔の森へったところ、珍客と出會った。
初めて會う人で、しかも綺麗なの人だ。
髪のは白くて、かつ著ているものも真っ白だから鬱蒼たる森の中ではよく目立った。
おで遠くからでも気づけて、駆け寄ってみたらめっちゃ驚かれた。背後から近づいたのがいけなかったらしい。
彼はA級冒険者リザベータと名乗った。
A級冒険者ッ!?
僕ナマで見たの初めてだよ! スゲー!!
テンション上がってしまった。
でもなんでこんな場所にA級冒険者が?
僕らの街の冒険者ギルドで一番ランクが高いのはD級だというのに?
一僕たちの住む世界に何が起こっているのか?
なんてことを考えていたら無粋にも襲い掛かってくる巨影があったので、瞬時のうちにぶっ飛ばした。
クマ型モンスターのガリゴリグリズリーだと思う。
本當に人を見るなりノーシンキングで襲ってくるんだから兇暴な害獣だ。
「はひょえぇえーッ!? ちょ!? ちょおッ!?」
隣のA級冒険者さんが野鳥の真似などしていた。
え? 違う?
驚愕の聲?
「ちょっと何なのよ今のはぁーッ!? ガリゴリグリズリーがベキゴキグリズリーにッ!?」
よくわかりません。
「ああああ……!? B級相當の兇悪モンスターがF級に瞬殺……!? そんなことが起こりうるの……!?」
あの、戸っているところ申し訳ありませんが、こときれたモンスターの死骸からそろそろお退きいただけますか。
解を始めたいので。
僕の『消滅』スキルで倒したというのに、モンスターの死は殘っていた。
先日から始めたスキル応用研究の果だ。
さっきは『消滅空間』を球狀にして投げつけた。
『消滅弾』と名付けてみた。
限られた一範囲のみを貫いて消し去るので、急所を狙えば相手の大部分を『消滅』させず殘したまま仕留められる。
ガリゴリグリズリーは、遭ったら仕留めてきてほしいと言われていた獲だ。
指導された通りに解せねば。
「えーと……」
『消滅空間』を発生させる。
指先のとても小さな範囲に。
薄く尖った形狀の『消滅空間』はいわば『消滅メス』だ。
獲の表面をスッと走らせるだけで、簡単に引き裂かれていく怪クマの皮。
「ひッ!? 何それどういうこと!?」
脇から覗いてA級冒険者のお姉さんが驚嘆した。
「ガリゴリグリズリーはB級相當よ!? その皮は鋼鉄並みにい、倒すにも捌くにもアダマンタイト製のマルテンサイト刃がいるのに!? 何で指先でケーキみたいに切り分けているのよ!?」
「ケーキ? 何それ?」
僕の知らない食べだ……!?
いやそれよりも、ガリゴリグリズリーは肝が萬病に効く薬になるとのこと。素早く腹を裂き、中を確認して切り取る。
『消滅メス』は切斷面を『消滅』させるから抵抗もないしスッと切れる。
本來なら刃にべっとりついて斬れ味を鈍らせる脂肪や、い骨もスイスイ行けた。
目標のグリズリー肝を摘出し終わって、殘りはスッパリ『消滅』させる。
「ええぇーッ!? 消え去った!?」
「下手に死骸が殘ってると、それを食べに他のモンスターが集まってきますから。この辺のヤツならいいですけど魔の山から下りてくると困るんで」
「ふぅん、はぁ……!?」
本當にわかってるのかなという生返事。
「で、でももったいない……!? B級相當モンスターなら皮も爪も骨も、優良素材になって高く売れるのに……!?」
「僕の今の雇い主は薬師協會なんで、薬になるものだけがターゲットです」
冒険者が活する極限狀況では取捨選択は厳しくしなければならない。
すべてを抱え込もうとすると必ず押し潰されると教わった。
「さて、では採取再開するかー」
「ええッ!? アナタどこに行くのよ!?」
森のさらに奧ですが。
今日も紫霧草を摘んで帰らないとなので。スェルたちからお願いされてるんです。
「……私も連れて行きなさい」
「えッ? なんで?」
そもそもこの人、何しにここにいるのかな?
A級冒険者さんって、もっと有名なダンジョンに潛ったり大活躍する人だと思ってたんだけど?
気の弱い僕は『嫌です』とも言えないので、仕方なく連れ立って歩く。
「……それで、アナタのその力は何なのよ?」
「はい?」
「モンスターを斬ったり消したりした力よ! あれスキルなの!? だとしても尋常じゃない威力よ! どんな職系ならあんな兇悪スキルがにつくのよ!?」
「尋常じゃない、兇悪スキル……!?」
そんなこと言われたの初めてだ。
ずっと僕はこの『消滅』スキルを、役立たずだと思っていたのに。
なんと反応していいかわからず僕が黙り込んでいると……。
「……そうね、失禮だったわね」
「は?」
「他人のスキルを掘り葉掘り聞こうなんて、その人に切り札を曬させるってことなのにね。A級冒険者の私としたことが下品なマネをしたわ」
なんか一人で納得してくれた。
「私のスキルは『剣士』系、細のサーベルを重點的に鍛えたから刺突力が上がってるの。『モンスター相手じゃ厚の大剣じゃなきゃ効果ないさ』っていうヤツもいるけど結局ダンジョンとかを歩き回るのに武も軽い方がいいのよね」
「なるほど……!?」
「さらに魔法系も修めて屬付加した『氷刺し』が必殺技。そのおで『白豹』なんていうあだ名を頂いたわ。さあ私のスキルを話したんだからアナタのスキルも話しなさい」
そういう魂膽なの?
ギブ&テイクみたいな話になってるけどアナタが勝手に自分の手札曬したんじゃないですか!?
まあいいよ、話すけど。
「僕のスキルは『消滅』スキルです」
「聞いたことない」
僕は自分のスキルを明かすのに以前ほど対抗がなくなっていた。
恥ずかしくて絶対にしたかったんだがな。
でも薬師協會長さんの指導で、心境の変化が起こった。『切り札を隠しておくことと謙虛さは違う』『自分からアピールする時は全力でやれ、相手を威圧するぐらいにやれ』『そうして一目置かれるようにしてこそ持ち札を曬した甲斐がある』と。
回想しているうちに一通りの『消滅』スキルの説明が終わった。
A級冒険者のリザベータさんはたまげた顔をして……。
「何よそれ。もしかしなくてもユニークスキルじゃない!?」
「ん? 海膽……苦?」
「ごく希な割合で生まれ持つ特別なスキルのことよ。職系統に屬さず、単ですさまじい効力を持つの。ユニークスキル持ちは上級冒険者になることが約束されているようなものでS級昇格の最低條件とも言われているのよ!?」
「いやいやまさか……!?」
『自信を持て』とスェルや協會長さんから言われているが、さすがにそこまで浮かれることはできない。
僕のスキルがそんな大したものなんて……!?
「こんな逸材がF級冒険者で、しかも実力不足で追放されるなんて。ここのギルド何考えているの? 稀代の大バカ野郎じゃないの?」
「あ、そろそろ目的地だ」
紫霧草の群生地。
するとヤツらもそろそろ現れて……。
「出てきたマジョロウグモ」
「うぎゃあああああッッ!?」
紫霧草を摘もうとすると大抵出てくるよなあ、この怪グモ。
そして隣のA級冒険者さんが絶する。
「マジョロウグモ!? B級どころかA級相當まで出てくるの、この森!? 適審査なんて何の意味もなしていないじゃない!? しかも一度に何匹出てくるのよ!? 五匹!? 六匹!? 私一人じゃとても捌ききれない!?」
あの怪グモって名前だけは知ってたけどそんなに大したものだったのか。
魔の森は奧に行くほどモンスターの強さが上がると言うが、どうやら僕の思っている以上に上昇率は高いらしい。
「くっそーッ! こうなったら私が前衛で食い止めるからアナタのユニークスキルで……!?」
「『消滅』」
「……すべてが解決した!?」
マジョロウグモの素材も醫療品に使えるそうなので。
ヤツらの吐く糸は、細くて強靭なために合用に使われるんだって。だから見つけたらの糸溜めてるごと持って帰ってって言われてる。
しかし五分も持ち切れるかなあ。
ああそうだ。
せっかく同行してるんだから、こっちのお姉さんに持ってもらえばいいんだ。
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