《【書籍化決定!】最強スキル持ちは、薬草採取しかできない》44 地下世界の帝竜

そしてついにはすべてを解決するために僕らは出発した。

ギルド理事會に掛けられた呪いを解くため、そして僕自の実力を王都で示し冒険者等級昇格の是非を決めるために。

それで的にやって來たのが……。

ダンジョン。

しかも王都の中にあるダンジョンだった。

「お前たちはダンジョンにったのは初めてか? ならば説明してやろう」

なんか勝手に説明してくれる。

「ダンジョンは地下へと広がる迷宮空間だ。モンスターがはびこり、屈強な冒険者でもないと足を踏みれて生還するのは難しい」

それだけならば、ただの危険極まりないシロモノとして人間社會から排除すればよかろう。

しかしながらダンジョンには害だけではない大きな益も存在した。

ダンジョンには濃厚な瘴気が溜まり、それが凝り固まってか貴重な鉱石が多く出土する。

金銀鉄鋼どころか魔力を帯びたミスリルに魔水晶。

そうした貴重な鋼材だけでなく、ダンジョンで生まれるモンスターの素材も高値で取引される。

……そうだ。

「だからこそ國家はダンジョンを手のに置きたがる。かつて王都は別の場所にあったが、ダンジョンが発見されたのでわざわざこっちに遷都してきた。ダンジョンを自分のお膝元で管理できるように」

「だから都市の中にダンジョンがあるのかー」

そしてそのダンジョンの部を進む僕たち。

スェルがギルドで忙しく準備していたけど、その中にはこのダンジョンにる許可を得ることもっていたようだ。

ということはこのダンジョンにエンシェントドラゴンがいるのか?

「さすが王都のダンジョンはドラゴンまでいるんだ、凄いなあ」

「そんなわけあるか! さすがに古代竜が住み著くダンジョンなんか危なすぎて國も手出しできないぞ!」

え? そうなの?

だったらどうして僕たちはこのダンジョンの中を進んでいるの?

「そんなのオレが聞きたいわ! せっかく全冒険者が恐れ憧れるエンシェントドラゴンと対面できると思ったのに! このオレが実家よりも通い慣れた地元のダンジョンなんてガッカリだわ!!」

そんなことを言うのは誰か?

というかさっきから僕は誰と喋っている?

駆け出しの冒険者たちにじってやたら豪華な鎧をまとったベテランぽいイケメン。

A級冒険者のビリリュートさんであった。

結局押しかけで古代竜追及パーティに加わってきた。

別にこちらからはしもんでいないのに。

「煩い! エンシェントドラゴンを討伐してS級昇格できるチャンスだと思ったのに期待外れが!!」

「お世話になったギルド理事さんへの恩返しは?」

やっぱり下心が主な機じゃないか。

パーティを組んで同行するアレオくんやエリーさんも、この強制介者を胡散臭い目つきで見詰めていた。

とはいえ僕も何故このダンジョンへやって來たのかよくわからない。

すべてはスェルが主しているのだが、彼の思は一どこにあるのか。

「ねえスェル、こっちの人の話だとこのダンジョンにエンシェントドラゴンいないらしいんだけど?」

「エピクさんはその人と私と、どっちを信用します?」

「スェル」

ならば黙って進むのみか。

ダンジョン部では、當然のように襲い掛かってきたが難なく撃退できた。

勢いのままに組まれた臨時パーティだが、けっこう強くて安定があるのかもしれない。

そしてそのまま無事到著した。

最下層。

「王都直営ダンジョンは全十五階層で、ここが終點だ。オレは何度もここまで來ているが、やっぱりエンシェントドラゴンなどいなかったな。いつも通りのフィールドワークだ」

ビリリュートさんが不満げに語り、新人のアレオくんたちは『ここが最下層……』と目を輝かせていた。

これが倦んだベテランと初々しいルーキーの違いか。

で、ここからどうなるの?

「これ以上先へは進めないことは間違いないけど、ここでスェル、何か考えがあるの?」

「進めないことはないです」

はい?

「進めないことはありません。それは人間の勝手な思い込みです」

「何なの?」

なんでそんな喋り方になってるの?

「ママから教わったんです。このダンジョンの最下層は地下十五階じゃないって……」

そう言いながらスェルは、ダンジョンの床をでさすり……。

……何かを探している?

「……あった」

床にはめ込まれるようになっている水晶。

スェルは、それに手をれて何事かむにゃむにゃ呟く。

すると……。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!

「おおおッ!?」

階層全を揺るがすような音を立てて、いや実際に階層が揺れていた。

そして奧の壁が橫にズレていき……。

「隠し部屋ッ!? いや隠し通路だ!!」

開いた壁の向こうには、さらに奧へと続く通路がびていた。

それを目の前にビリリュートさんも、アレオくんエリーさんも口をあんぐり開けて驚く。

「こんな隠しエリアがあったなんて……!? 今までこのダンジョンを攻略してきた冒険者は何百人といただろうに……今まで気づかれなかった……!?」

「それは仕方ないです。ママのけ継いだ私が、家族権限で開放しましたから。普通の人間にこの封印を解くことは不可能です」

やっぱりメドゥーサさんからのれ知恵だったのか?

スェルは一母親からどれだけのことを教えられたのだろう? ちょっと怖くなってきた。

「私の王都行きが決まった時に、この通路のを教えてもらいました……」

たった今明るみになった隠し通路をズンズン進んでくスェル。

僕らはその後ろを続く。

「思えばあの時に察するべきでした。ママはすべてをわかった上で、私に必要なことすべてを教えたんでしょうね」

ギルド理事たちに呪いが掛けられていること。

解呪法。

呪いを解くためにエンシェントドラゴンの生きが必要だということ。

そのエンシェントドラゴンまで辿りつく方法。

そもそも理事さんたちに呪いをかけたのはメドゥーサ様なんだから、深く考えるとマッチポンプということが段々わかってきそうだから深く考えないことにした。

それよりも、僕たちは解呪の方法を求めてエンシェントドラゴンの下に向かっているわけじゃない?

するとこの先には……。

「はい、エンシェントドラゴンがいます」

いともあっさり言うスェル。

そりゃ、そもそもそう言うつもりで來たけどさ……。

「ママの話によれば、このダンジョンはそもそもドラゴンの棲み処として作り出されたそうなんです。主は一番奧深くに住み、侵者に煩わされることのないように最深部へと続く道をママに頼んで封じてもらった……」

その封印を娘であるスェルが解いた。

開いた先に待っているのは……!

「古代竜エンシェントドラゴンのうちの一角。土中にこもり地下世界を支配する竜です。その名はアンダーグラウンドドラゴン」

通路を進むうちに階段を降り、あるいは坂を下ってさらに地下深くへと行く。

そして今度こそ真の終點、最下層で待っていたのは……。

地下とはとても思えない広大な空間に鎮座する巨大な竜だった。

「本當にいた……ドラゴン……!?」

僕たち人間の五十倍ぐらいはあるだろうか?

ここまで大きな生は僕も見たことがない。

メドゥーサ様とは別の意味で圧倒される究極的存在。それが超生ドラゴンだった。

ドラゴンは、挨拶もなく訪れた僕たちを目ざとく見つけると、見下ろしながら……。

『我が不可侵の領域に足を踏みれたのは何者ぞ? 我が平穏を打ち砕くか、ならば我は貴様らの存在すべてを打ち砕いてくれようぞ』

竜が喋った!?

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