《【書籍化決定!】最強スキル持ちは、薬草採取しかできない》90 エピクの
ティターニア様?
何です?
さっきからこの僕エピクのことをが開くように見つめて?
ご婚の直後から旦那さん以外の男をそんな熱視線はダメなのでは?
「ティア? 一どうしたんだい?」
ほらブランセイウス様も不安で聲が震えておるではないですか!
お願いだから僕を家庭のドタバタに巻き込まないで!!
「だってアナタと私の大切な息子がそこにいるのですもの。私たちの契りを長した息子に見守ってもらえるなんて、本當に幸せだわ」
「?」
僕への視線を一時も逸らさずにそんなことを言う。
え?
息子?
どこに?
僕は振り返ってみたが、そこには通りすがりのおじいさんしかいなかった。
そのおじいさんにも全力で被りを振られた。
「ワシにゃあとっくに逝っちまったが生みの父親も母親もおるわい! 小僧おぬしはどうなんじゃ!?」
ご丁寧に聲までかけてもらって……。
僕ですか?
僕は心ついた時から寄りがなくて……。
気の付いた時には一人で魔の森を彷徨っていた。
そこを偶然通りかかった冒険者に拾われて、エフィリトの街へ連れてこられた。
十代前半までを孤児院で過ごし、いられる年齢を越えて叩き出されてからは他にできることがないので冒険者の業界へ。
そして、最底辺冒険者として搾取され続ける生活を経て今に至る。
……今から考えたら不可思議ではある。
何故僕は魔の森などで心ついたのだろう?
仮に僕が捨て子であったとして、子どもを捨てるにしてももっとましな場所があったと思うんだ。
せめて拾ってもらえる可能のある場所に置いていけ。
モンスターのうろつく魔所なんてもはや殺意すらじるじゃん。
危険地帯を歩くのが仕事とはいえ冒険者に発見してもらったのは凄い幸運ではなかったのか?
しかもそれで運を使い果たしたのある僕。
どうして僕の人生はあんなとこからスタートしたのか?
「ちょっと待ってくれ? ということは……え? エピクくんは私の息子?」
ブランセイウス様まで困しています。
そりゃあ今日まで獨を貫いてきた人がいきなり社會的に獨立するぐらいの年齢の息子がいたなんて知ったらビックリ仰天だが。
「ええ、だって覚えがあるでしょう?」
「そ、そりゃあ……!?」
あるんかい。
「しかしエピクくんの年齢から考えて……あり得るか。私たちが離れ離れになったのは十八年……エピクくんは十六、七歳といったところだろう? ぴったり一致する……」
いやいやいやいやいやいやいやいや……!
待ってください?
そんな綺麗に納得していかないで。々とまだまだツッコミどころがあるじゃないですか。
「妖の住む『木霊の森』は歪んだ空間の中にあるの。それは一度でも踏み込んだことのある人ならわかるでしょう?」
「「はい……!?」」
いかん、ブランセイウス様と一緒にハモッてしまった。
たしかに雙方『木霊の森』へ踏み込んだ経験はあるけれども。
タイミングも言葉もピッタリ一致して面映ゆい。
『さすが親子……』とか言うな。
「空間の歪んだ『木霊の森』は次元を跳躍して様々な場所に繋がっているの。魔素が濃く、同じように時空が不安定な場所限定だけど。メドゥーサ様が支配する魔の山、その裾野である魔の森も當てはまるわ」
「それで……」
「私が子どもを籠り、どうしていいかわからなかったときにメドゥーサ様が現れて言ってくださったの」
――『子どもは男のし合った結論よ。アナタのが正しかったかどうかは、この子が判定してくれるでしょう』と。
この件にもかんでやがったのかあの神。
メドゥーサ様萬能論が出つつある。
「私はメドゥーサ様の勧めに従って、生まれた子どもを外の世界に送り出したの。どのみち私にはそれ以外できなかった。子どもを生んで分かたれたらいよいよ私の存在は希薄になってしまうし、妖たちに人の子どもを育てることはできない。できることは大人になったら消えてしまう延命の加護を與えることだけ」
そういえば……。
子どもの頃から僕はない食事でも充分なパワーを発揮して元気に過ごすことができた。
おでわずかしか食べられない孤児院生活でも、それ以上に過酷な底辺冒険者時代も何とか乗り越えられたものだ。
それはティターニア様の與えてくださった加護?
「メドゥーサ様の仰った通り、アナタは立派な人間になって私たちを繋ぎ直してくれたわ。異相に移った『木霊の森』を見つけ出すことも。境界を踏み越えることも純粋な人間には不可能。人と妖の両質をけ継いだアナタにしかできないことなのよ」
「そうなんですか?」
僕的にはどちらも『何となくできそうだから』と思ってみてやってみたらできた、というじだったんですけど。
僕の生まれついての本能が『できる』と知っていた。
「ブラちゃんも、ちゃんと私たちのの結晶を育て上げてくれていたのね? やはりで繋がれた縁は離れていてもキッチリ繋がっているのだわ。そして私と再び出會うためにこの子を送り出してくれた。本當にアナタは私の運命の人だわ!!」
「え?」
「えッ?」
違う。
僕が『木霊の森』に出向いたのも、さらに遡って僕がブランセイウス様に出會ったのもすべて偶然の産であったなんて……!
世の中どんな偶然が重なるかわかったものじゃない。
ただただその時々の良心が赴くままに行した結果。
それだけ見たらたしかに大いなる運命の歯車が存在するようにしか思えない事態だ。
しかし結局のところ偶然でしかない。
ブランセイウス様は、今この瞬間告げられるまで僕のことを息子なんて思ったことすらないだろうし、なんなら子どもがいたことすら夢にも思わなかったはず。
それは僕とて同じこと。
いや待て?
それ以前に二人は本當に僕のご両親なのか?
……。
多分間違いない。
妖族なために老いを知らないティターニア様は若く溌剌で、僕とほとんど同じ年のようにじる。
だから母親というと違和が否めないが、ブランセイウス様は人間として、また一國の宰相としても年月を重ねそれにふさわしいいぶし銀の風を獲得している。
彼の年格好なら僕と親子といっても何ら違和はない。
だからといって一から十まで納得きれるわけでもないが……。
それよりも問題は目の前にある。
ティターニア様は、この家族(?)の集合はの運命であると信じている。
ここで真実が明らかになってしまうとようやくまとまりかけた話がぶち壊しになりかねない!
ここで僕はどうすべきか!?
この僕の、空気を読み続けてきた人生十六年の経験が活きた!!
「そそ、そーなんですよ!」
「!?」
とりあえず肯定してみた。
言ってる間に次に続く言葉を考え中。
「ブラ……じゃなくお父さん?……はずっとお母さんのことを気にかけていたんですよ! だからこそ僕が一念発起し! 勇猛邁進! 悲願達!」
「そうなの!? やっぱり私たちの息子は強くて優しいのね!」
よーし!
セーフセーフ!
何とか取り繕えた。
今こそまさに、大聖教會の野を挫き、この國が安定を迎える唯一無二のチャンス!
王様にもっとも相応しいブランセイウス様には連れ添うお妃さまが必要だし、それにむ相手はティターニア様しかいないって言うんなら全力サポートするしかない!
まして同じポジションを下心丸出しで狙っている猛禽のようながすぐ傍にいればなおさら!
生まれた直後から放置されたことについては何か思うところはないのか、と言われそうなところだが、そんなことにウジウジこだわってる場合じゃねえ!!
何より平和が大事!
この平和を守るためなら、僕はどんな役割でも被る所存!!
そんな僕の決意を知ってか知らずか、周囲も段々と盛り上がっていき。
「……お妃どころかすでにお世継ぎまでおられたとは……。ブランセイウス陛下も男子であられたか……!?」
「しかもそのご子息が十代の若さで既にS級冒険者であるなど! お父上に劣らぬ偉才ぶりではないか!」
「この國の未來は明るいぞ!!」
おお盛り上がる盛り上がる。
……よし! これでもう逆転の雰囲気はない!!
最後にどうなるかと思ったが勝利した!! 僕たちは大聖教會の野を挫いたのだ!!
盛り上がる現場の片隅で、一人だけ悔しげに爪を噛むがいた。
もちろんあの大聖だった。
ここで一區切りしてお休みをいただきます。5月末再開予定です。
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