《【書籍化決定!】最強スキル持ちは、薬草採取しかできない》114 大消滅
「『消滅』ッ!」
力いっぱいに『消滅空間』が広がった。
その範囲にあるものを何であろうと『消滅』させて欠片も殘さない。
究極無雙の力だ。
『消滅』スキルの前では神が與えた大魔獣ですら対抗できず、その腹の中に包された偽りの庭園も一瞬にして消え去る。
そこで栽培されていた薬草毒草も諸共に。
「ああーッ!! もったいない!?」
とんだのは、僕の同行者であるはずのスェル。
……スェル?
「なッ、何でもないです! 大魔獣を側から消し去ろうってことですね! いい考えですやっちゃいましょう!!」
この薬草園は、世界中に生息する全種類の薬草が集まっているそうで、薬師ならば誰もが喜ぶお寶。
だからスェルの気持ちもわかるけど、わかってくれ!
今はそれより大事なものがあるんだ!!
「『消滅』!」
わかっていたことだがこの大魔獣。たった一回のスキル発ではとても殺しきることなんてできない。
何せ山のような大きさなんだ。
僕が今まで出會ってきたあらゆる生より大きいし、二番目以下を斷トツで突き放すぐらい大きい。
それ以前に僕が出遭って『でっけえ』と思ったのは古代竜エンシェントドラゴンたちだが、彼らがイモリかヤモリに思えてしまえるほどの巨大さなんだ。
そんなエキドナを『消滅』するとなったら、とても一息ではいかない。
掛け値なしの本気で、一杯に『消滅空間』を広げたつもりだが、これで大魔獣の何割……いや何パーセントを消せたことだろうか?
途方もない気分になってくる。
「クハハハハハハ……! 思ったより愚かだな。失敗するとわかっていることを強行するとは。……いや、何事も実地で検証するのは研究者としてはいいことか?」
すぐ傍でロドリンゲデスが嘲笑う。
「何がおかしい?」
「別に天才でなくともわかることだ。エキドナのはどこまでも巨大。それをたった一人で消し去るなど不可能だ、どんなスキルを持っていたとしても。それにキミも知っているだろう? キミは一度、このエキドナを殺したと思ったはずだ」
そうだたしかに。
初めてこのエキドナが、ダンジョン擬態を解いて地中から這い出してきた時度肝を抜かれた。
そしてすぐに打ち倒した。
頭部を丸ごと『消滅』させて。どんな生きであろうと頭部を失って生き続けることはない。この常識を覆せる生命なんていない……と信じ切っていたのだが。
どうやら常識というのは思ったよりあっさりと覆るようだ。
僕たちがで長話に興じている間に、すっかり再生して王都目指して行進していたらしい。
一度の『消滅』で到底消しきれないほど大質量。加えて急所なんてものもない、何しろ頭を消したって死ななかったのだから。
これだけでもうどうやって殺したものかお手上げとなるだろう。
「だからってあきらめる理由にはならない……!!」
王都の人々の命がかかってるんだから、がむしゃらにやったって罰は當たらない!
さらにもういっちょ!
「『消滅』ッッ!!」
かつて、王都の地下迷宮ダンジョンでアンダーグラウンドドラゴンをビビらせた、その規模に匹敵する『消滅空間』を発生させる。
それでもこの大魔獣を消し盡くすには全然足りない。端が欠けたといったところだろう。
「フハハハハハハハ!! 無駄なことはやめたまえ! そんなことよりもっと有効なキミの能力の活用法を私が教えてやろう!! キミたちは私と共に、世界の真理を探究すべきなのだよ!!」
毒師ロドリンゲデスは勝ち誇ったように笑う。
しかしそんなのにかまっていられない。
「煩い! 真理なんかに何の価値がある! そんなものは犬のエサにもならないゴミだ!!」
「何だと!?」
「ついでに言ってやるロドリンゲデス! お前の持つ技もゴミだ!」
『消滅空間』を発生させるのをやめないままに僕は言う。
「何故なら、すべての技は人に役立つためにあるからだ! 技は人が生み出す! 目的があって生み出すものだ! より便利に、より安全に、より楽しく、よりよい生活を過ごせるようにと目的をもって生み出されるのが技だ!」
だからこそ技は人の役に立たなければならない。
人の役に立たない技は、つまり目的を果たせなかった失敗作だ。
「ロドリンゲデス! お前の生み出した毒の技は人を苦しめて殺すものだ! 何の役にも立たない! 人を害するだけの役立たずの技はゴミだ! ゴミ以外の何でもない!!」
「戯言を抜かすなあぁッ! 私の技は世界の真理に通じる! もっとも崇高なものだぁ!! ゴミではなぁいいぃぃッッ!!」
ずっと余裕の態度をぶっていたロドリンゲデスが初めて激昂した。
それほどにヤツにとってはナイーブな事柄なんだろうな。
悪口で上手く鼻を明かせてやれたので、あとはもう目の前に集中するのみだ。
もう一度……!
「『消滅』!!」
さらにもう一度……!
「『消滅』!!」
消しても消してもあとからあとから片とも巖塊ともつかない魔獣の側が出する。
本當に何なんだこの生は?
とにかく今は、僕の息が切れない限り『消滅』を発するしかない。
いかに急所のない巨大生であろうと、頭を潰されようが再生し続けるふざけた構造だろうと、このまま『消滅』を強行し続ければどうなる?
その一片に至るまで跡形もなく『消滅』させたら、さすがに再生不可能なんじゃないか?
幸いエキドナの再生能力は『目にも留まらず』というほどの超高速ではないらしい。
だからロドリンゲデスも無駄話などして時間稼ぎを図ったのだろう。
幸い、僕が『消滅』させる速度はエキドナの再生速度を上回っている。
その証拠に次々と消すエキドナの一部の……さらに奧まで突き進むことができるんだから。
……しかしながら……。
今までこんなことがあっただろうか?
この『消滅』スキルが何の役にも立たない外れスキルだと疎んじていた頃から、有効な活用法を研究し始めても、強力すぎるこの力をなるべく抑えて……細く絞って……というやり方を心掛けてきた。
今やっているのはまったく逆だ。
力いっぱい大きく広げている。
全力で、魂の続く限りに広げまくっている。
そのことが意外にも心の弾むことだった。
誰にも気兼ねなく全力を振り絞ることがこんなにも楽しいなんて。自分の限界に挑戦することが、こんなにも心躍るなんて。
――『人の役に立たない技はゴミ』
ロドリンゲデスに叩きつけた主張は、この僕のスキルにも當てはまる。
つい最近まで僕のスキルは役にたたないスキルだった。
それを抑えて、細く絞って何とか役立つようにしてきた。
しかし今、迫りくる大兇から王都の人々を守るという……人に役立つ目的のために僕のスキルが全力で使われている。
その事実にが滾り、が躍った。
僕のスキルは今、意味を持っている。
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