《【書籍化決定!】最強スキル持ちは、薬草採取しかできない》115 英雄の誕生
……………………僕、エピクから時間の覚が失われていた。
あれから一どれだけの時間が経ったのだろう?
何分? 何時間? 何日? 何年? 何百年?
途轍もなく長い時間が過ぎ去ったかのような気がした。
それに伴いの覚もなくなってくる。
しかし耳だけはまだ何とか機能するらしく、聲が聞こえてくる。
「……ッ! ……ッ!」
しかし聴覚もまた耗しているらしく、何と喋っているか明確に聞き取れない。
耳元でばれているのに。
「……エピクさんッ! エピクさんしっかりしてください!!」
「エピクくん! 呆けている場合じゃないぞ! 父の聲が聞こえないかッ!?」
しかも左右の耳から。
段々聞こえる聲が鮮明になっていき、同時に意識も明瞭になっていく。
……ハッ!?
完璧に覚醒しました!
「ここはどこ!? 僕は誰!? 今何時!?」
「アナタはエピクさんで、ここは王都からし離れた平原地帯です! エピクさんがあのメチャクチャデッカイモンスターを消し去ってしも経っていないぐらいですよ!!」
なんと?
すると靄がかっていた視界も一気に晴れて、目の前に青空と青い平原が広がった。
左右を見る。
そこにはアルデン山渓を経てここまでずっと一緒だったスェル、それにブランセイウス様までいた。
「ブランセイウス様まで、何故!?」
「そりゃ來るだろう王都の一大事だぞ! 夜も更けた頃に報告が転がり込んで『巨大なバケモノが攻めてきた』と言う! 王宮から眺めてもハッキリわかる巨大獣だ! 慌てて兵を率いて出張ってきた!!」
ブランセイウス様の言を証明するように、僕の真後ろを振り返ったらそれは數多の武裝兵が居並んでいた。
軽く數千人はいるか。
しかしながらキツネにつままれたかのように呆然としている。
幸か不幸か、彼らに活躍の機會は巡ってこなかったようだ。
何故か。
戦う相手が目の前から消え去ったからだ。
「……スェル、あの大魔獣は……!?」
一応念のために尋ねる。
目の前に広がる大草原はただただ広大で、不穏の殘り香の一欠片もない。
「もちろん消えましたよ。エピクさんのスキルで!」
そうだよなあ。
僕も途中から記憶が曖昧なんだが、たしかに僕はあの大魔獣エキドナを消し去るためにスキルを発した。
あれほど……意識が飛ぶほどに全力でスキルを使い続けたのは今までの人生でもないことだった。
貴重な経験と言うべきか?
「本當に消し去ることができたんだな……。あの大魔獣を……」
正直驚きが強い。
この原っぱに殘骸でも散らばってたらしは信じる気持ちも湧いてきたんだろうが、何しろ殘骸どころか欠片すらないんですもの。
僕が消し去ったからだが。
頭部すら『消滅』させても再生させてくる相手……。
完璧に倒しきるには足の小指すら殘しておけなかった。
そうして徹底的に『消滅』させて、『消滅』させて、『消滅』させて、『消滅』させて、『消滅』させて、『消滅』させて……。
消滅させ盡くした結果がこれ。
何も殘らない。
完璧に消し去りすぎて、元からヤツがいたかどうかすら疑わしくなっていた。
この覚懐かしい……。
まだ僕が『消滅』スキルを役立たずと決めつけていた頃。『魔の森』のモンスターを塵も殘さず『消滅』させていた時の覚だ……。
「もしかして夢かもって思うな、本當に……」
「いや、そんなことはない」
僕の繰り言に、敏に反応して拾うのはブランセイウス様だった。
「王都を襲わんとした巨大モンスターはたしかに存在した。王都に住むほとんどすべての者たちが目撃したのだから。あれだけ大きかったのだから、誰の目にも留まるさ」
言われてみれば……。
大きいことにもんな意味が出てくるね。
「あの巨大モンスターは明らかに王都を襲おうとした。その姿に恐れおののき、世界の終わりをじた者たちも多い。それを完なきまでに消し去り、王都の民を救ったのは紛れもないキミだエピクくん。キミはたしかに英雄となった」
英雄……。
聞き慣れない言葉だ。
「僕が何かはいいとして、街に被害は出なかったんですね。それなら本當によかったんですが……」
「ほどの損害もないよ。すべてはキミの功績だ。私を始め、ここに駆けつけた兵士全員が証人となろう」
おおおおおおおおおおおおッッ! と兵士の皆さんたちから歓聲が上がる。
勝ち鬨だった。
一時はどうなることかと思ったが、何とか事なきで切り抜けられたようだ。
……そうだ。
今頃気づいたが空が青い。
僕らがアルデン山渓ですったもんだしていた時には闇夜であったはずなのに。
一晩中、巨大魔獣を『消滅』させまくってたってわけ?
徹夜?
いや意識は飛んでいたから徹夜ではないと言えるような……?
そんなわけないか。
「ロドリンゲデスもしっかり捕まえましたよ!!」
スェルが元気よく補足してくれる。
彼に示され視界にってきたのは、縄でグルグルに縛られ兵士に捕縛されたロドリンゲデスだった。
今回すべての元兇にして、稀代の毒使い。
己の死を偽裝してまで追ってから逃れていた彼が、ついにみずからの行いにけじめをつける時が來た。
「……そんな……バカな……エキドナが……すべての英知と力の結晶たる、我が真理への導き手が……!!」
ロドリンゲデスは、無様に悪あがきするでもなく呆然としていた。
それだけ大魔獣エキドナの消失がショックなんだろう。
いまだに疲労の抜け切れてない僕に替わってスェルが報告する。
「このロドリンゲデスは、薬師協會から追われていた違法薬師です。人を害する毒役作りにはまり込んで、その専門家とり果てました。既に死亡した者と思われていましたが、大聖教會の偽裝工作だったようです」
「なに、大聖教會の……!?」
「大聖教會です!」
この辺のやりとり芝居がかっている。
「その見返りとして匿われながら、製作した毒薬を大聖教會に渡していたようです! それによって仕組まれた謀は數多くあるかと!」
「承知した。この犯罪者の柄は、こちらで預からせてもらおう王家蔵の拷問によって知ることすべてを余すことなく吐き出させてくれる」
「薬師協會側の立ち合いを許していただけるならば」
こうして明るみに出された毒師は、みずからの行いに則って法の裁きをける。
縄を打たれたロドリンゲデスに、もはや登場時の自信に満ちた面影はなかった。
「なんで……、どうして……私はただ、真理を究明したかっただけなのに……。それの何が悪いというんだ……!?」
兵士の人たちに引っ立てられながらブツブツと呟く。
彼にとってはエキドナという最強の隠れ家があった。それを失ったことで自信を支えるすべてが消失したんだろう。
真理の究明でも何でも好きにやってくれたらいいのだが、それがヒトの迷になるからには取り締まらないわけにはいかない。
毆ったら毆り返される。
それもまた一つの真理だと思うのだが、自稱天才の大層な頭脳で気づきえなかったのだろうか?
ともかく彼の捕縛は大聖教會にとって大いなる崩壊への第一歩となるはず。
気を付けて向を追っていこうと思うが……。
今はもうとにかく眠かった。
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