《モフモフの魔導師》20 5年ぶり
暇なら読んでみて下さい。
( ^-^)_旦~
彼とベッドで寢転んでいたマードックは、スンと鼻を鳴らしてを起こす。
「終わったみてぇだな。また來るわ」
軽く抱擁して彼の家を後にする。彼に見送られながら建を出ると、ウォルトが待っていた。
「終わったのか?」
「あぁ。終わった」
「ちっと臭うぞ…。やりすぎたんじゃねぇのか?」
マードックの鼻にはの匂いが屆いていた。
「アイツらは、関係ないサマラのことまで言い出した。中途半端にやるとサマラに迷が掛かる。だからアイツらの好きな獣人のやり方で徹底的にやった。死んではない」
「そうか…。悪ぃな」
「なんで謝るんだ?」
マードックには悪いと思うけど、ボクはサマラに會えたらもう2度とフクーベに來るつもりはない。
変に逆恨みされないよう、反抗する気も起こらないくらいまで徹底的に相手を痛めつける。それが…嫌というほど味わった獣人流のやり方。
「お前は…」
もう來るつもりはねぇんだな、と言いかけてマードックは口を噤んだ。
「いや、いい。行くぞ」
「あぁ」
そう言って2人は歩き出す。
「サマラは今、服屋で働いてんだぜ」
「そうか…。昔から手足も長くて人だし、モデルもできるな。獣人も々な服を著る時代だし」
街行く獣人を見れば、お灑落な服を著ている者もいる。昔は獣人の服といえば貫頭ばっかりだったと聞く。
「俺達にとっちゃ服とか要らねぇけどよ、んな種族の中で俺達だけ服を著ねぇわけにはいかねぇからな」
「獣人専用の服もあったらいいな。尾を出せるような服とか」
「今は爪で突き破ってっからな」
「ボクはローブだから関係ないけど」
「ズボンは関係あるだろうが。しっかし、お前を見てると正直暑苦しいぜ」
「これがボクには丁度いいんだ」
他もない會話をしながら歩く。やがて、一軒の店が見えてきた。何人か外で荷下ろしをしてる。
「おっ。噂をすればあの店だぜ。サマラは…っ と、いるな。まだ仕事中か。ん…?どうした?」
「……」
ボクは固まってしまった。…というより、サマラに見とれてけないでいる。遠目にだけど、サマラの姿がハッキリ見える。
最後に見たのは5年前。
あの頃はまださの殘るといったじだったけど、年月を経てしく長してる。
マードックは、型がゴリラなのを除けば顔と風貌は狼と言ってもいい。でも、妹のサマラはに纏う皮と可らしくピョコッと立つ耳を除けばほぼ人間に見える。
艶のある長い濃紺の髪と皮。スラッと長い手足。引き締まったスレンダーな型は、萬人が認めるだ。
サマラの匂いも屆いてる。あの頃とはし変わってるけど…ずっと隣にいたいほど好きだった匂い。
無意識に思い出が蘇る。気付けば涙が溢れて止まらなくなっていた。
「おい!ウォルト!」
駆け出してその場を離れると、人目も気にせず顔を両手で覆って嗚咽する。様々ながに湧き上がってきて苦しい。
忘れたつもりだった。
逃げ出すほど苦しかったフクーベでの生活。そんな中で、サマラとの思い出だけは特別だった。本當に楽しくて好きだった時間。
もう全ては過去のことで、無かったことにできてると思ってた。でも…蓋を開けたら思い出が溢れて涙が止まらない。
そして…今でもサマラのことが好きなんだと気付いてしまった。
「うぁ… あぁ… ううっ…」
「ウォルト…」
追ってきたマードックが心配してる。野蠻で橫柄で口の悪い獣人が、言葉を紡げないでいる。困らせてしまっている。
「すまない…。泣かないって言ったのに…。しだけ、待ってくれ…」
「おう…」
それから暫くして、すっかり落ち著きを取り戻した。
何年分も泣いた。泣きすぎて逆に頭がスッキリした。
「もう大丈夫だ。悪かった」
「気にすんな。それよか目が真っ赤だぞ。そっちが心配だ」
「自分でも目が走ってるのがわかる」と苦笑する。
「そろそろ仕事も終わんぞ。…覚悟はいいか?」
「あぁ。問題ない」
ボクらは再び店の近くまで移して、し離れた場所でサマラが出てくるのを待つ。
サマラはまだマードックと一緒に住んでるらしいけど、家には帰らず彼氏の所に行くかもしれないから、その前に會うことにした。
張しながらしばらく黙って待っていると、ガチャッと扉のノブが回り、従業員と思われるが數人出てきた。人間もいれば獣人もいる。
サマラは最後に出てきた。
「おい。ウォルト」
「解ってる」
皆が挨拶をわしてそれぞれ歩き出したところで、意を決して聲を掛ける。
「サマラ!」
一杯の気持ちを込めて名前を呼ぶ。
サマラはこっちを向いたかと思うと、大きな目を見開いてくのをやめてしまった。
仲間の従業員達は、何事かと心配そうにこっちを見ている。
「ウォルト……?」
「サマラ……久しぶりだね」
ボクのことなんて、見たくもないかもしれない。けど、最後に會って話したかった…。
マードックのためでもなく、自分自がんだこと。もし許してくれるなら、しだけでも話したい。
「ウォルトォ~!」
サマラが猛スピードで駆けてくる。
走り方も変わってないなと微笑んでいると、サマラは両手を広げて飛び込んできた。
「危ない!」
驚きながらもしっかりと抱き留めてあげる。
「ホントにウォルトなの!?夢じゃないよね?!」
興しているサマラは、昔と変わらず元気なようでホッとした。見た目はクールなのに、格は天真爛漫。そこがサマラの魅力でもある。
「夢じゃないよ。サマラに會いにきたんだ」
「うん!うん!ウォルトの匂いだ!夢じゃない!」
にぐりぐりと頭をり付けてくる。戸いながらも、サマラの頭を優しくでた。昔はよくこうしていたのを思い出す。
サマラは、バッと顔を上げて目を合わせると、次の瞬間には子供のように泣き出してしまった。
オロオロするウォルトの隣で、マードックが困ったように笑っていた。
読んで頂きありがとうございます。
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