《寢取られた元カノ?、知らない許嫁、キャな馴染も皆要らない。俺のみは平穏な高校生活だ!》立花さんの別荘で

長めで。

――――――

私立花玲子、今日は八月九日。今日から二泊三日の予定で達也さんと一緒に西伊豆にある我が家の別荘に出かける。

帝都學館から今の長尾高校に転校して二か月半。私はもっと簡単に彼と許嫁への道を歩めると思っていた。

でも、三頭加奈子、桐谷早苗というライバルが、積極的に彼にアタックしている。もうゆっくりとしている時間はない。

でも學校で彼に積極的に出ても返って嫌われてしまう。だからお父様にお願いして彼とゆっくりとお話が、いえもっと深い関係を結ぶ為に我が家の別荘に二泊三日で行く事にした。

彼のご両親には、お父様を通してお互いをもっと知る為とお願いしてある。元々結婚という目標があるから簡単に了承してくれた。彼も同意してくれた。

私は今彼の自宅に向っている。

「お嬢様、もうすぐ立石様宅に著きます」

「分かりました沖田」

彼の家の車止めに止まると沖田が先に降りて私が乗っている後部座席のドアを開けてくれた。

ゆっくりと私が降りると玄関から彼のお母様が出て來た。

「おはようございます。玲子さん」

「おはようございますお義母様」

彼が手荷を持って玄関から出て來た。

「おはよう立花さん」

「おはようございます達也さん」

「じゃあ、母さん行って來るね」

「行ってまいります」

「はい、気を付けて行ってらっしゃい」

私が後部座席に先に乗り彼が乗ると沖田がドアを閉めた。お義母様に深くお辭儀をすると運転席に座って車を出した。

一般道から自車専用道路にりもう二十分、彼は何も話さない。ただ景を見ているだけだ。

「達也さん」

「はい」

「今日は直接別荘に行く前に水族館に寄りたいと思うのですが宜しいでしょうか?」

「構いません」

彼はこの旅行を喜んでいない、むしろ無理に來てくれているのかしら。あまり楽しそうに見えない。

「達也さん」

「はい」

「この旅行迷だったでしょうか?」

「なぜそんな事聞くんです?嫌だったら斷っています」

「そうですか。でも楽しそうに見えないので」

彼が私の方を見ると

「済みません。これ俺の普通の顔です」

「えっ!」

私とした事が、なんという失態をしてしまったのか。

「ご、ごめんなさい。申し訳ありません」

「良いですよ。慣れています。學校とかは、あれでも気を使っているので」

「ごめんなさい」

「…………」

まあこうなるよな。何か話した方が良いんだろうか。しかしなあ、の子と二人で、まして立花さんとは知り合ってまだ時間もない。話題が無いんだが。

また、黙っている。何か話さないと。

「あの達也さん」

「はい」

「あの、今回の旅行は、私と達也さんが知り合ってまだ時間がないのでもっと私を知って貰おうとそして達也さんをもっと知りたくて、おいしています。だから…」

黙ってしまったよ。困ったな。

「立花さん。二人共知り合って二ヶ月半しかいや実質二ヶ月です。だから話題が無いのは仕方ないんじゃないですか。

だから今無理して話さなくても、これからいっぱい時間有りますよね。だからその時の事を話題にすればいいと思います」

「…そうですね。その通りですね。私やっと二人きりになれたので上がってしまって」

「…………」

確かに達也さんの言う通り。やっぱりこの人は優しい人。

結局途中景の事でしだけ會話しただけだった。でもし笑ってくれた。

「達也さん、あれです。水族館です」

やっと話題が出來る所にやって來ました。

車を駐車場にれ、沖田に二時間程度と言って二人で車を離れた。

チケットをり口で買うと二人で順路に沿って歩いた。

「あっ、達也さんクラゲがフワフワ泳いでいます」

水槽の中をじっと見ながら立花さんが喜んでいる。學校と違い張が無いのか笑顔が爽やかだ。

「達也さん。こっちの水路でメダカが一杯泳いでいます」

嬉しそうに話す彼を見て、學校じゃ結構我慢しているんだなと思った。

俺達は順路に沿って水槽や水路を見て行くと表に出た。

「わーっ、達也さん大きな水槽に大きな魚が泳いでいます」

「あれは、マグロです。本マグロやカジキマグロと違い、小型のビンチョウマグロです」

「そうですか。お詳しいですね」

「いや、偶々知っていただけです」

「あっ、向こうでイルカのショウが始まりました」

やはり夏休み、結構混んでいる。前の方で空いている場所がある。なんでここだけ空いているの?そこに行って二人で見ていると飛び上がったイルカが思い切りダイブした。

バシーン。

ザザーッ。

俺達の上から思い切り海水が被さって來た。

不味い。咄嗟に彼の前に出て彼を俺のを覆い隠そうとしたが、

キャーッ。

目の前が真っ暗。あれっ、私思い切り抱きかかえられている。あっ、冷たい。

顔を上げると

「はははっ、濡れちゃいましたね」

「済みませーん」

向こうから係の人がタオルを持って來た。

「済みません、ここ水が掛かるので立たない様にとお願いしていたんですけど、間に合わなかったですね」

だからこんなに見える所でも誰もいなかったのか。俺はタオルをけ取ると立花さんからを離してタイルを渡した。彼のブラウスも濡れている。

「私は良いです。達也さん背中が濡れています」

「良いですよ。どうせ海に行く恰好なので」

でも俺のシャツはずぶぬれだった。スラックスも濡れているが風邪を引く季節ではない。

後に駆け付けた係員が、

「ごめんなさい。このTシャツお二人で使って下さい。更室は事務所の裏にあります」

「あっ、済みません。ありがとうございます。立花さん、上だけ著替えましょうか?」

「はい」

予定外のイベントになったけどこれで達也さんとの會話が始められる。

二人で別々に更室で著替えて出てくると、背中に水族館の名前、に大きなイルカのマークがった白いTシャツだった。お互いを見ると

「ふふふっ」

「はははっ」

「「お揃いですね」」

ハモってしまった。彼が顔を赤くして下を向いている。しかしこの人ブラウスからでも分かったけどTシャツになると思い切り強調されるな。

達也さんとハーモニーです。嬉しい。それにふふっ、私のに興味を持ったみたい。いずれ…。

「達也さん、まだ時間もあります。スラックスが渇くまでもうし見て回りましょうか」

「はい」

良かった。達也さんの聲がらくなっている。

殘りの時間も大きな水槽や海に面した景を眺めているに予定の二時間になった。景を眺めていると

「達也さん、お願いが有ります。この旅行の時だけでいいんです。私の事玲子って呼んで下さい」

やっぱりそう來たか。仕方ないよなあ。でもなあ。

「駄目ですか、達也さん」

「…玲子さんで良いですか」

「はい!♡」

大きな目を更に大きく開いて嬉しそうに聲をだした。

水族館でちょっとしたイベントが有ったが、その後俺達は玲子さんの車で西伊豆別荘に移した。

「達也さん、ここです」

著いた場所は土という海から富士山が見える景勝の地に有り、ここは海水浴場や巖遊び、それに簡単なレジャーボートも出來るところだ。

そして別荘はこの土を一できる高臺に立っていた。大きな別荘だ。車が付くと別荘を管理している人や玲子さんの面倒を見る人達だろう五人位が玄関に出て來た。

「「お嬢様、お待ちしておりました」」

「皆さん、ご苦労様です。こちら立石達也さん、私の許嫁になる方です。相のない様に」

「「ははーっ!」」

玲子さん、ちょっと言い過ぎ。

俺達のバッグは、お手伝いの人達が部屋に運んで行ったようだ。

「達也さん、疲れています?」

「いえ、全く」

「そうですか。それでは下の海岸まで散歩に行きますか。十分と掛からないです。あっ、このTシャツで宜しいですか?」

「良いですね」

「ふふっ、私もそう思います」

俺達はお揃いのTシャツを著たまま、海岸に降りていくと午後四時過ぎだというのにまだ多くの海水浴客がいた。

「ここは灣狀になっているので波も無く穏やかな海です」

「そうですか」

俺達は浜辺には下りずに軽く散歩して別荘に戻った。

「お嬢様、立石様、お帰りなさいませ」

ここの責任者らしき人が聲を掛けて來た。

「お嬢様、立石様。お荷はお部屋にれてあります。お風呂もお部屋毎に準備しておりますが、屋外の溫泉風呂も用意してあります。如何なさいますか」

えっ、屋外の溫泉風呂、どういう意味?

玲子さんが俺の顔を見ると

「ふふっ、達也さん、屋外の溫泉風呂は混浴ですが、水著でる事になっています。安心して下さい」

「…………」

どう返事すればいいんだ?

「ご一緒にりますか」

「い、いやいや。いきなりは」

「でも明日は二人で水著姿ですよ」

何か玲子さん食獣のような顔している。気の所為だろうか。

「あ、明日にしましょう。今日は自分の部屋の風呂にります」

「そうですか」

殘念です。一緒にればハードルが下がったのに。

俺は、スポーツバッグから三日分の著替えと海水パンツ等を出すとオープンロッカーに掛けた。

ここは普段は家族で使う様に出來ているんだろうな。來客用というよりとてもオープンだ。窓も全面ガラス。景が良く見える。

バルコニーに出る為、窓を開けると夕方の気持ち良い風がって來る。さてっ、風呂でもるか。水族館で水浴びしたからな。

お風呂場にるとボディタオル、ハンドタオル以外にもバスローブも用意されている。これはいいな。

俺はを洗ってバスユニットにると俺のでも十分に足がばせる。流石だな。

のんびりとった後、バスローブを著て頭を軽く拭いた後、まあ元々短髪だから簡単に乾く。部屋に戻って備え付けの冷蔵庫から冷えた炭酸飲料を取り出すとバルコニーに備え付けられているリクライニングシートに座った。

さて、明日明後日どう過ごすかな。玲子さんとお互いの事を知るという目的で來たけど特に話す事無いし。

そう、考えながら海を見ていると

ガチャ、

「達也さん」

――――――

次話に続きます。

次回をお楽しみに

面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意が沸きます。

想や、誤字字のご指摘待っています。

宜しくお願いします。

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