《パドックの下はパクチーがいっぱい/子大の競馬サークルの先輩が殺された?著ぐるみの中で?先生、どうする? 競馬ファン必見、妖怪ファン必見のライト・ラブリー・ミステリー》12 無數の蟲が教室を飛びい、娘たちの悲鳴をう
二限の授業、和の建築論。
二回生向けの授業である。
とはいえ、三年生もいるし四年生もいる。
単位取得に失敗した者もいるし、単位収集のためにけているものもいる。
四十人ほどがる小ぶりな教室。
ミリッサはこの大學で三科目をけ持っているが、すべて木曜日のこの教室を確保している。
大學の校舎群の最東端の十二號館。
急斜面に建っていることで、教室はすべて地下にある。地下とはいえ、暗くはない。むしろ、玄関が四階にあるという認識が正しい。
その最低部の奧。人通りのない靜かな場所に1201教室はある。
両側に窓。
南側からは阪神間の街並みが眺でき、遠く大阪灣の向こう、関西空港が見える。
北の窓にはすぐそばまで六甲の自然が迫っている。紅焔山と呼ばれる、ひときわ緑の多いエリアが窓いっぱいに広がっている。
窓を開けようものなら、鳥のさえずりが部屋を満たす。雨の後など、近くの沢の水音までも聞こえてくる。
無數の蟲が教室を飛びい、娘たちの悲鳴をう。
ミリッサはこの教室が好きだった。
「おはようございます!」
真っ先に挨拶をしてきた學生。
最前列に座ったアイボリー。三年生である。
普通、単位収集のために講してくる者は最後尾に座るものだが、この娘は違う。
後ろに居並ぶ二年生には目もくれず、長の背をまっすぐにしてこちらを見つめてくる。
ミリッサはこの娘に好を持っていた。
サークル部員ジンの親友。
競馬場でもたまに見かける。バイトとして。
白いものを好んで著るタイプで、今日も白いTシャツ。
出席を取るとき、ほとんどの者は聞こえるかどうかの生返事をするだけだが、アイボリーは違う。
立ち上がり、大きな聲で応えてくれる。時には、よろしくお願いしますと頭まで下げてくれる。
當然、授業態度はまじめで熱心。績もトップとくれば、講師としては好きにならずにいられない。
二年生もこの先輩を見習えばいいが、そうはならない。
アイボリーが浮いた存在であることは當然のり行き。
ミリッサも、ことさらにこの娘を特別扱いしているととられかねない言を戒めていた。
晝休み、學生食堂。
教職員専用席と札の置かれた席もあるが、たいていは先客がいる。
學生と同席することもあったが、ミリッサはり口近くの一人、ないし二人用の丸テーブルに、チキンカレーのプレートを置いた。
會釈する學生もあれば、わざわざ聲をかけてくれる學生もいる。もちろん、無視して通り過ぎる學生も多い。
男が前に座った。
「よう」
大學の企畫部、部長職のヨウドウ(酔う堂)。高校時代の親友である。
この男の紹介でここで教えることになった、いわば恩人である。
「どうだ、調子は」
友はC定食のプレートをテーブルに置くと、早速、魚フライにかぶりついた。
「まあ、ぼちぼちだな」
「授業がか? それとも本業の方か?」
「両方。ついでに競馬もな」
ミリッサは本業を持っている。
大學の給料だけでは食っていけるはずもないし、つもりもない。
獨で、持っているものと言えば事務所兼自宅のマンションの一室のみ、とはいえ、他の稼ぎがなければ生きていけない。
「競馬でバンと當たれば、ここともおさらば、そうよく言ってたな」
「まあ、ありえないことではないさ。が、今も昔も、み薄」
「で、裝デザインの方は?」
と、友は気遣ってくれる。
長い不況のせいで、ミリッサのような個人事務所は干上がってしまっている。
「ところで、おまえの娘な」
ミリッサは話題を変えた。
気な話はごめんだ。
「どうかしたか?」
アイボリー。
この呑み助でちゃらんぽらんな男によくあんなできた娘が、とは言わない。
実際、ヨウドウには自慢の娘なのだ。
「どうもしない。よく勵んでいる」
「いつもすまないな。気遣ってくれて」
「いや、気遣ってなんて、なにもしてないさ」
ミリッサは言い出しておいて、何を話せばよいのか、迷った。
話題にすることではなかった。
たとえ、アイボリーがあの事故、いや、今や殺人事件に昇格になったノーウェの死に、わずかとはいえ関わりがあることなど。
しかし、ミリッサはあえて話題にした。
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