《パドックの下はパクチーがいっぱい/子大の競馬サークルの先輩が殺された?著ぐるみの中で?先生、どうする? 競馬ファン必見、妖怪ファン必見のライト・ラブリー・ミステリー》222 黒貓が何度も頭を顔を、りつけていた

実は、警察が先生を狙っていることは薄々気づいていました。

レオンからの報が全くといっていいほど、って來なくなっていたからです。

いずれ先生は再度、警察に事聴取され、重要人として警察署に連れて行かれる。

それなら、今日、一旦、先生には、警察にあの部屋から連れ出されてもらって、ミーティングを中止にするしかないと考えました。

ただ私は、その場できちんと警察に抗議して。

部長としてやるべきことをやって。

そして、本當に嫌なんですけど、また親の力を借りて、先生を解放し。

その間に先生に、今言ったことをすべて打ち明けて。

聞いていただいて。

真実が分かるものなら、それを教えていただいて……。

その上で、私自はどうするか、考えようと……。

でも、その目論見は見事に打ち砕かれました。

ジンの三四郎が警察が來ると知らせました。

デジロウが三四郎を襲ってパニックになりました。

先生はランに連れられてバルコニーから逃げました。

ランは貓妖怪、とは知っていました。でも、まさか三階から飛び降りる?

何がどうなったのか見當もつきませんでしたし、うろたえました。

警察がってきてからは、ジーオ先輩が警察をやり込め、退散させてくれました。

私はなにも言えなかったし、どんな役割もすることができませんでした。

何も。

私……。

あれからどこに隠れておられたのか知りませんけど、あ、きっとここですね。

崎警察署に留め置かれていることが分かってからは、なんとか私の出番が。

とても不謹慎な言い方ですみません。

元のストーリーに戻ったことにして。

でも、前のように簡単にはいきません。親の威を使っても。

なにしろ……。

でも、結局、私の出る幕は全くありませんでした。

いざというとき、私は先生を守ることはおろか、先生に注目してもらえるようなことはなにも。

私は……。

私、いったい、何をしてたんだろ、と思います。

この秋の京都のG1が始まってから。

いいえ、二年もの間。

部長だからって立ててくださっているけど、何ひとつ。

空回りばかり。

ランやジンがうらやましかった……。

ハルニナ先輩やルリイア先輩も……。

さっき、ハルニナ先輩が私の気持ちを代弁しようとしてくださいましたが……。

先生の方じゃなく、私が何も分かっちゃいなかった。

ちゃんと話をせず……。

気持ちを表現せず……。

自分勝手で……。

もう私、何を言ったらいいのか、分からなく……。

ごめんなさい。

謝って済む話じゃないことは分かっています。

でも、謝ることしかできません……。

みんな、ごめんなさい。

本當にごめんなさい。

スペーシア。

あなたがさっき言ってくれたこと。

お館様がおっしゃった、自分の気持ちを言葉にして、正直に。

心に沁みました。

でも、もう、なにも、これ以上……。

話せない……。

フウカは靜かに泣いていた。

再び、さわやかな風が吹き、池には小さなさざ波が立った。

フウカの膝には、どこから飛んできたのか、季節外れのスイフヨウの花がフワリと落ちた。酔ったかのような濃いピンクをし、まだ萎んでいないおおらかな花。

小さな黒貓がフウカの脛に、何度も頭を顔を、りつけていた。

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