《【電子書籍化決定】人生ループ中の公爵令嬢は、自分を殺した婚約者と別れて契約結婚をすることにしました。》想いの拠り所
「信じる信じないと、そういう話じゃない。事実がそうであるだけ」
ルタは瞳を閉じたまま、靜かに呟く。
「なるほど。近頃この辺りが騒ついていたのは、君のせいだったんだ」
セリカよりもくじる、鼻にかかったようなハスキーな聲。話し方も砕けていて、若干ではあるがアロナの肩からは力が抜ける。
「今の人生は四度目?」
「全てが夢でないのならば、そうです」
「夢じゃないよ。トゥラリアナの力だ」
「の神様の…」
(本當に、そんなことが…)
神龍に続きトゥラリアナの名まで出されたアロナは、もう頭で理解できる範疇を超えていた。
「あの、ルタ様」
「なに?」
「こうして話していても、おには障りませんか?」
アロナの言葉を聞いたルタは小さく笑い、それと同時に痩せこけた肢が微かに揺れる。
「気にするところはそこなんだ」
「セリカ様から頼まれた大切な役目です。そして私自もルタ様を救う一端になれるならばと、そう思いここに來ました」
セリカやアルベールの話を聞いた限りでは、もっと拒まれると思っていた。あっさりと距離を詰めることを許してくれたルタだが、アロナの張が解けることはない。
「私は、どうすればいいでしょうか」
「彼から、どうして僕がこうなったのかは聞いてる?」
「ルタ様は、のお強い方だと。そのせいで、必要のない悪意までそのおに取り込んでしまうのだと」
「そうだね。その通りだよ」
先ほどまで閉じていたルタの雙眼が、ゆっくりと開かれる。エイミやセリカ達と同じ、白金の瞳。々濁っているようにもじられたが、とても神的な輝きを放っている。
(どうしてかしら。泣いてしまいそうだわ)
そう思ったアロナは、両手の拳を堅く握りしめた。
「僕はもう、このまま死にゆくんだと思ってたんだ。それがまさか、このタイミングでトゥラリアナの加護をけた者がやってくるなんてね。使命を全うしないまま散るのは許さないって、コアトリクが天で怒ってるのかな」
コアトリクとは確かルタの前に長だった神龍の名前だと、アロナは思う。
(聲が優しい。ルタ様はコアトリク様という方を慕っていらしたのね)
「君がどうしてトゥラリアナの加護をけることができたのか、知りたい?」
唐突なその問いに、アロナははっきりと頷いた。
「それは君が彼と同じくらい、に生きただからさ」
「私が、に…」
「君が一度目の生をけた時から、きっとそうだった。だからトゥラリアナは、死した君のを救った。何度も、何度もね」
アロナには、ルタの言うことが理解できた。それほど強い己のが、いったい誰に向けられていたのかということも。
「…トゥラリアナ様は、私に同してくださったのですね。何度繰り返しても報われない、気づくことすらできなかった愚かな私に」
「さぁ、それは分からない。でも、彼はよほど強いにしか共鳴しない。噓偽りのない、真実のにしかね。そしてそれは、君自のことだけ。相手の気持ちは、全く関係のないものだ」
(相手の気持ちは、関係ない)
ぽつりと、一筋の涙がアロナの頬を伝う。そしてそのまま堰を切ったように、ぽろぽろと溢れて止まらなくなった。
【書籍6/1発売&コミカライズ配信中】辺境の貧乏伯爵に嫁ぐことになったので領地改革に勵みます
身に覚えのない罪を著せられ、婚約者である第二王子エルネストから婚約を破棄されたアンジェリクは、王の命令で辺境の貧乏伯爵セルジュに嫁ぐことになった。エルネストに未練はないし、誤解はいずれ解くとして、ひとまずセルジュの待つ辺境ブールに向かう。 初めて會ったセルジュは想定外のイケメン。戀など諦めていたアンジェリクだが、思わずときめいてしまう。けれど、城と領地は想像以上に貧乏。おまけになぜかドラゴンを飼っている!? 公爵家を継ぐために磨いた知識でセルジュと一緒にせっせと領地改革に勵むアンジェリクだったが……。 改革を頑張るあまり、なかなか初夜にたどりつけなかったり、無事にラブラブになったと思えば、今後は王都で異変が……。 そして、ドラゴンは? 読んでくださってありがとうございます。 ※ 前半部分で「第1回ベリーズファンタジー小説大賞」部門賞(異世界ファンタジー部門・2021年4月発表)をいただいた作品ですが、他賞への応募許可を得た上で改稿加筆して応募タグを付けました。 ※ 2021年10月7日 「第3回アース・スターノベル大賞」の期間中受賞作に選んでいただきました。→2022年1月31日の最終結果で、なんと大賞に選んでいただきました! ありがとうございます! 加筆修正して書籍化します! 2022年6月1日 発売予定です。お迎えいただけますと出版社の皆様とともにとても喜びます。 コミカライズも配信中です。 どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m
8 136平和の守護者(書籍版タイトル:創世のエブリオット・シード)
時は2010年。 第二次世界大戦末期に現れた『ES能力者』により、“本來”の歴史から大きく道を外れた世界。“本來”の世界から、異なる世界に変わってしまった世界。 人でありながら、人ならざる者とも呼ばれる『ES能力者』は、徐々にその數を増やしつつあった。世界各國で『ES能力者』の発掘、育成、保有が行われ、軍事バランスを大きく変動させていく。 そんな中、『空を飛びたい』と願う以外は普通の、一人の少年がいた。 だが、中學校生活も終わりに差し掛かった頃、國民の義務である『ES適性検査』を受けたことで“普通”の道から外れることとなる。 夢を追いかけ、様々な人々と出會い、時には笑い、時には爭う。 これは、“本來”は普通の世界で普通の人生を歩むはずだった少年――河原崎博孝の、普通ではなくなってしまった世界での道を歩む物語。 ※現実の歴史を辿っていたら、途中で現実とは異なる世界観へと変貌した現代ファンタジーです。ギャグとシリアスを半々ぐらいで描いていければと思います。 ※2015/5/30 訓練校編終了 2015/5/31 正規部隊編開始 2016/11/21 本編完結 ※「創世のエブリオット・シード 平和の守護者」というタイトルで書籍化いたしました。2015年2月28日より1巻が発売中です。 本編完結いたしました。 ご感想やご指摘、レビューや評価をいただきましてありがとうございました。
8 158種族ガチャ
主人公の蘆汝遊矢は最新VRMMOのゲーム〔アーカイブオンライン〕をクジの景品で當てたためはじめてみるかとゆう。ちょっとした興味から始まる、初めてのゲームの世界をまったりレア種族でいろんな人とゆっくり遊んでいくはずの物語。 ※VRmmoからは途中から離れて、いっときしたら戻ります。
8 82ただの世界最強の村人と雙子の弟子
とある村にある森に、世界最強の大英雄が村人として生活していた。 そこにある雙子の姉妹がやってきて弟子入りを志願する! 主人公は姉妹、大英雄です。 學生なので投稿ペースは一応20時を目安に毎日投稿する予定ですが確実ではありません。 本編は完結しました。 次回作は公開しているので、そちらも是非 誤字・誤用等があったらお知らせ下さい。 初心者なので訂正することが多くなります。 気軽に感想・アドバイスを頂けると有難いです。 Twitterもありますので、そちらでも感想等を受け付けてます @hi_rosyumi
8 189究極の捕食者 ~チート融合スキルで世界最強~
七瀬素空(ななせすぞら)が所屬する3年1組は、勇者スキルを持つ少女に巻き込まれる形で異世界に召喚される。皆が《炎魔法》や《剣聖》など格好いいスキルを手に入れる中、《融合》という訳のわからないスキルを手に入れた素空。 武器を融合させればゴミに変え、モンスターを融合させれば敵を強化するだけに終わる。能力も低く、素空は次第にクラスから孤立していった。 しかし、クラスを全滅させるほどの強敵が現れた時、素空は最悪の手段をとってしまう。それはモンスターと自分自身との融合――。 様々なモンスターを自分自身に融合し自分を強化していく素空は、いつしか最強の存在になっていた――。 *** 小説家になろうでも同様のタイトルで連載しております。
8 96転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)
自分が目覚めたらわけわからない空間にいた。なんか半身浴してるし、変な聲聞こえるし……更には外が囂々してる。外の様子がわかるようになると、なんと魔王と勇者が最終決戦してた。その場にいる自分ってなんなんだ? って感じだけと、変な聲の話では二人の戦闘でこの世界がヤバイ!? 止めなくちゃ――と動き出す自分。それから事態はおかしな方向に進んでいくことに!?
8 195