《【電子書籍化決定】人生ループ中の公爵令嬢は、自分を殺した婚約者と別れて契約結婚をすることにしました。》雪解けの水
アルベールによりこれでもかというほど著込まされたアロナは、彼の馬の後ろにる。そしてしっかりと、アルベールの腰に抱きついた。
彼からしてみれば、どれだけ速度を出されようとも振り落とされないための手段でしかなかったのだが、アルベールのが強張ったことに気づきすぐに腕を離した。
今の彼に、恥じらう余裕などない。
「申し訳ございません。はしたなかったでしょうか」
「…いや。全速力で走らせますので、落ちないようしっかりと摑まってください」
「分かりました」
アロナは再び、アルベールにぴたりとを著させる。ぶくぶくに著込んでいる彼の、のぬくもりなどじるはずはない。
そう分かっているのに、アルベールはなぜか背中に意識を持っていかれてしまう自分を、することができなかった。
アルベールのおかげで、アロナは行きよりもずっと早く王都へと帰ることができた。本來であればまず両親に顔を見せるのが常識なのだろうが、アロナの頭には彼らの存在などかけらも浮かばない。
「あ、アロナ様…!?」
アルベールからの報で、ルーファスだけでなくエルエベやククルも宮殿の一室で治療をけていると知っていたアロナは、脇目も振らずその場に足を進めた。
彼の姿が公爵令嬢とは思えないほどにぼろぼろであることもそうだが、その傍にアルベール・ジャック・ロファンソン辺境伯がいることにも、宮殿の従者達は目を見張った。
(國王陛下、それに王妃様もいらっしゃらない)
素早く周囲に視線を走らせ、現狀を読み取る。この二人が瀕死のルーファスの傍についていないということは、アロナの想定であった。彼は三兄弟の中で、一番期待の薄い王子だったから。
けれど、エルエべ達の母であり王妹であるモルティーナは、三姉妹を溺していたはず。優秀なアロナと比べるような発言はあったものの、刺された娘を放っておくような分ではない。
そんな彼がこの場にいないはずはないと、アロナは違和を覚える。そして同様に、次ローラがいないことにも。
「ククル様!」
狀況把握を終えたアロナは、宮廷醫達をおしのけるようにしてククルの側に寄ると、躊躇なく膝を突き彼の手を握った。
(…氷のようだわ)
華のように笑う彼の面影は、どこにもない。アストフォビア一面に広がる雪よりももっと白く、今にも空気に溶けて消えてしまいそうなククルの姿に、アロナは涙を必死に堪える。
完全に意識を失ってはいないようだが、弱々しい呼吸は今にも止まってしまいそうで怖い。
「どうしてこんな…いいえ。今はそんなこと、どうだっていいわ」
彼は、傍に立つアルベールを見上げる。彼は神妙な面持ちで頷くと、コートの元から小さな小瓶を取り出した。
「急な訪問をお許しください。僕はアルベール・ジャック・ロファンソンと申します。偶然このことを聞きつけ、なにか力になれないかとやってまいりました」
どうということはないガラス製の小瓶。彼がそれを軽く振ると、微かにちゃぷんという音が響く。
「これは、アストフォビアの雪解け水です。昔から我が領地では、雪解け水を口にすると生を呼び寄せるという言い伝えがあります。どうかこちらを、ルーファス殿下とエルエベ様、そしてククル様に」
アルベールの言葉に、その場にいた誰もが息を呑み、そして困する。
ただ一人、アロナを除いて。
乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル 【書籍化&コミカライズ】
【TOブックス様より第4巻発売中】【コミカライズ2巻9月発売】 【本編全260話――完結しました】【番外編連載】 ――これは乙女ゲームというシナリオを歪ませる物語です―― 孤児の少女アーリシアは、自分の身體を奪って“ヒロイン”に成り代わろうとする女に襲われ、その時に得た斷片的な知識から、この世界が『剣と魔法の世界』の『乙女ゲーム』の舞臺であることを知る。 得られた知識で真実を知った幼いアーリシアは、乙女ゲームを『くだらない』と切り捨て、“ヒロイン”の運命から逃れるために孤児院を逃げ出した。 自分の命を狙う悪役令嬢。現れる偽のヒロイン。アーリシアは生き抜くために得られた斷片的な知識を基に自己を鍛え上げ、盜賊ギルドや暗殺者ギルドからも恐れられる『最強の暗殺者』へと成長していく。 ※Q:チートはありますか? ※A:主人公にチートはありません。ある意味知識チートとも言えますが、一般的な戦闘能力を駆使して戦います。戦闘に手段は問いません。 ※Q:戀愛要素はありますか? ※A:多少の戀愛要素はございます。攻略対象と関わることもありますが、相手は彼らとは限りません。 ※Q:サバイバルでほのぼの要素はありますか? ※A:人跡未踏の地を開拓して生活向上のようなものではなく、生き殘りの意味でのサバイバルです。かなり殺伐としています。 ※注:主人公の倫理観はかなり薄めです。
8 125勇者になれなかった俺は異世界で
第四回ネット小説大賞 一次突破 第五回ネット小説大賞 一次突破 第1回HJネット小説大賞 一次選考通過 突然、クラスごと異世界に召喚され、クラスメイト達は勇者になっていたがその中でたった1人だけ勇者になれなかった少年、高理ソラ。勇者になれなかった彼は、女王に見捨てられ半殺しされ亜空間に放り込まれてしまう。何も無い亜空間の中で彼の命が盡きようとしていた時、彼の命は大魔王に救われてしまう。これは、大魔王に命を救われた少年が復讐を目的に成長して行く物語。たぶん。 漫畫の方が1~4巻まで発売されているので、書店やネットで見かけた際は是非! 2022年2月1日から更新再開です。 數日は過去の話を読みやすくまとめたモノを投稿していきます。 そのあとから続きを投稿予定です
8 53最強転生者の異世界無雙
勉強もスポーツもそくなくこなす高校生、悠馬。 そんな彼の人生は、唐突な事故で終わりを迎えてしまう。 だが、いろいろあって彼は異世界に転生することとなった。 悠馬の才能は異世界で発揮されるものだった! 悠馬改めユーマの二度目の人生が今、始まる! ※主人公は基本的に他人を助けようとするけど、どうでもいいことで面倒臭いと感じたら冷たくなることもあります。 ※殘酷な描寫は保険です。 ※アドバイスを下さるとうれしいです。 ※主人公は苦戦するかも怪しいレベルでチートにしたいと思ってます。苦手な方はご遠慮ください。 ※主人公はヘタレ系ではありません。
8 66創造の力で異世界無雙~言霊使いの異世界冒険譚
目を開けてみるとそこには見知らぬ場所が。そこで創造神やら何やらに世界を調整して欲しいと言われた。そして何かを戴けるそうなので俺は━━━━━━━━ 神様達からの加護で『創造』やら何やらの力(チート)を貰った俺は異世界を堪能しながら調整とやらを行っていった。現実世界でも最強の幸は異世界でも最強のようです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━処女作です。可愛がってください。 誤字脫字等あったら教えてください。逐次更新していきます。 週に1、2回にします。ちょっとキツくなりましたので。 もし、面白いと思ってくれたなら、高評価お願いします!
8 88チート過ぎる主人公は自由に生きる
夢見る主人公は突然クラスで異世界へ召喚された。戦爭?そんなの無視無視。俺は自由に生きていくぜ。(途中口調が変わります) 初めてなのでよろしくお願いします。 本編の感想は受け付けてません。 閑話の方の感想が少し欲しいです。 絵は描けません。
8 96高欄に佇む、千載を距てた愛染で
山奧にある橋。愛染橋。 古くからその橋は、多くの人を見てきた。 かつては街と街を結ぶ橋だったが、今は忘れられた橋。 ある日、何故かその橋に惹かれ… その夜から夢を見る。 愛染橋に纏わる色んな人々の人生が、夢になって蘇る。
8 118