《【電子書籍化決定】人生ループ中の公爵令嬢は、自分を殺した婚約者と別れて契約結婚をすることにしました。》怖がりの令嬢
翌日アロナは、ラーラと共にククルの屋敷を訪れていた。すっかり快復し、あと數日もすれば學園にも戻れるとのことだ。
彼の腹部に傷跡が殘ってしまうのが辛いアロナだが、ククルは「命があるんだから充分だ」と言って笑い飛ばした。
(ロファンソン様は、今日アストフォビアに戻られると言っていたわ)
昨日はとても楽しかった。まるで夢のようだったと、のようにをときめかせてしまうくらいには。
それでもまだ、答えが出せない。きっといくら考えてもしっくり來ることはないだろうとアロナは思う。アルベールのことを想うのならば、を引くのが正しい選択だと分かっていても。
「どうしたのアロナ、ぼんやりして。私に會えてそんなに嬉しいの?」
「……」
「ちょっとアロナってば!」
ククルにを揺すられて初めて、旅立っていた彼の意識はこちらに引き戻された。
今は彼の部屋で二人、楽しいお茶會の最中だということをようやく思い出す。
「ごめんなさい、考え事をしていたの」
「もしかしてお姉様達のこと」
「いいえ、違うわ」
「じゃあ、ロファンソン様?」
その名前を出された瞬間、アロナの手からぽろりとクッキーが落ちた。
「し前はあれだけ否定していたくせに、やっぱり進展があったんじゃない」
「そういうわけじゃないわ」
「どうして否定するのよ」
「だって…」
「なくともロファンソン様の方は、どう見てもアロナに首ったけよね」
おかしな言い方をするククルを諌めたいのに、上手く言葉が出てこない。
「ついこの間二人でお見舞いに來てくれたじゃない?面識のない私にあんなに立派な花束をくださって、しかも“フルバート嬢が懇意にされている方ならなおさら”だって。アロナを見る目も凄く優しげだったし、噂に聞く変人辺境伯なんて見る影もなかったわよ。趣味っていうのも、きっとカムフラージュよ」
意外と核心を突いてくるククルに、アロナは心冷や汗をかく。
「そ、そんな大げさよ。ロファンソン様は本當は紳士的な方だってだけのことで」
「好きだと言われたんでしょう?あんな態度は絶対アロナだからよ」
ククルにだけは、アルベールのことを話している。姉を失ったばかりの彼にこんな相談をしていいものか迷ったのだが、逆に見くびらないでと言われてしまった。
あなたのことならなんでもお見通しだ、と。
「アストフォビアからなかなか帰って來ないから心配してたけど、いい方向に話が進んで本當によかったわ。これで私も安心して學園に戻れる」
「待って。私、ロファンソン様のお話をける気は…」
言いかけた途端、ククルのヘーゼルの瞳がふにゃりと下がる。
「アロナ。あなたはもう、解放されるべきなのよ」
「ククル…」
「幸せになることを怖がっちゃダメ」
そう言って、ククルはアロナの手を握る。あの時とは違う溫かなに、ほんのしだけ泣きそうになった。
人生を何度も繰り返していることを知らなくとも、彼はいつもアロナの心に寄り添っていた。
「學園に戻ったらきっと、一人だけ生き殘った私を悪く言う人もいると思う」
「そんな人は放っておけばいいわ」
「もちろんそうする。私の心のスペースは、私を大切にしてくれる人達のためだけに使いたいもの。辛い時傍に居てくれた、アロナやソレイユに」
ククルが優秀な姉達と比較され、馬鹿にされ、辛い思いをしてきた姿をアロナはずっと見てきた。それでも負けじと前を向くその姿は眩しく、そしてしい。
「三姉妹の末娘としてしか扱われたことのない私を、アロナだけがただのククルとして見てくれた。それがどれだけ嬉しかったか」
「ククル、私……」
「最初は私を利用するつもりだったとしても、そんなこと関係ないわ。それに今は私達、こんなにお互いを必要としているんだもの」
ククルのまっすぐな言葉のひとつひとつが、アロナの心に刺さる。それは痛みではなく、勇気となって彼の心に溶けていった。
「私は、あなたの味方だからね。なにがあっても、それは変わらないんだから」
「…ありがとう」
二人は顔を見合わせ、互いに幸せそうに笑った。
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