《【電子書籍化決定】人生ループ中の公爵令嬢は、自分を殺した婚約者と別れて契約結婚をすることにしました。》結婚の報告

隙あらばアロナに抱きつこうとするルタから最人を守りつつ、アルベールは辺境伯の顔つきに変わる。

「この度僕とアロナは正式に婚約を結ぶ運びとなりました。今後は二人で力を合わせ、このアストフォビアの守人として人事を盡くします」

「ええっ、アロナ結婚しちゃうの?だったら相手は僕がいいよ!なんといっても、神龍の長だし」

「ははっ。ルタ様の冗談はおもしろいなあ」

アルベールの乾いた笑い聲が、窟に響いた。

「これからはアルベール様のお傍で、この土地や神龍様の為に微力ながらお手伝いさせていただくことを、お許しください」

アロナの表から張のを読み取ったルタは、優しげに目を細めながら姿勢を正す。

「それもありがたいけど、僕はこれから君に恩返しができると思うと本當に嬉しいよ」

「ルタ様…」

「溢れるを持った優しいアロナには、これからたくさんの幸せが待ってるんだ」

その言葉に、彼は瞳を潤ませながら深く頷いた。

「ああ、その顔凄く可いな。アロナ、やっぱり僕と結婚しない?かつては神龍と人間が結ばれたこともあるらしいし、その二人の間にはちゃんと子供も…」

「ルタ様!いくらあなた様といえど、しいアロナを渡すわけにはいきません!」

「そんなに怒らないでよアルベール」

「いいえ怒ります!」

アロナを挾んで二人がぎゃいぎゃいと言い合いをしていると、後ろから誰かが彼の肩を叩く。

「アロナ様。セリカです」

「まあ、セリカ様。お久しぶりでございます」

ルタと同じく人の姿に変わっているセリカを初めて目にしたアロナは、その儚げなしさに一瞬息を呑む。そんな彼を、セリカはふわりとした微笑で包み込んだ。

「その節は大変お世話になりました。またこうしてアロナ様にお會いすることができ、大変栄に思います」

「それはこちらの臺詞です。皆様ご健勝の様子で本當に嬉しく思います」

「一段としくなられましたねアロナ様」

正に神神を現したようなセリカにそう言われ、アロナは頬を染める。彼はちらりとアルベールに視線を移し、その後またアロナを見つめた。

「申し訳ございません、先程のお話を聞いてしまいました。お二人のご婚約を心よりお祝い申し上げます」

「ありがとうございます、セリカ様」

「お二人はとてもお似合いですよ」

(…恥ずかしいわ)

にこにこと笑うセリカと、恥ずかしさからもじもじとを捩らせるアロナ。その傍では未だにルタとアルベールがくだらない言い合いを繰り広げている。

「いい加減にしてください。ほらルタ様、あまり邪魔をしてはいけません」

穏やかな表のまま、セリカがルタの腕を摑む。

「ええ、もうアロナとバイバイなの?」

「ルタ様さえ良ければ、またここに來ます。今度はアビゲイル達と一緒に」

「本當?絶対だよ、待ってるからね?」

どこか憎めないルタの様子に、アロナは笑いながら頷いた。

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