《【電子書籍化決定】人生ループ中の公爵令嬢は、自分を殺した婚約者と別れて契約結婚をすることにしました。》寄り添う二人

無事ルタへの挨拶も済み、二人は城へと戻る。その道中馬車の中でアルベールは、決してアロナから離れることをしなかった。彼の肩に手を回し、その細いをぎゅうっと抱き締める。

「あ、アルベール様…暑いです…っ」

「いいや、まだ寒いだろう?こうしていれば暖かいから」

「そういうことではなく…っ」

目の前がぐるぐる回るほど、恥ずかしさでどうにかなってしまいそうだ。素直になって想いを口に出して伝えると決めたけれど、こういったれ合いに急に慣れるわけではない。

「嫌かい?アロナ」

「い、嫌というわけでは」

そう、嫌ではない。ただ恥ずかしくて堪らないだけだ。

「やっと二人きりになれたんだ。君を獨り占めしたい」

「わ、私はいつだってアルベール様のものです」

「そんな可いことを言って、アロナは僕の理を試しているんだね」

ルタやセリカと別れてから、アルベールの表がほんのし曇っている気がする。アロナは恥に震えながら、そろりそろりと彼の腰元に手をばす。

分厚いコートの中に手をれると、らかな絹のシャツをきゅっと摑んだ。瞬間、アルベールのがびくっと反応を見せる。

「あ、アロナ」

自分から仕掛けておいて、攻められると途端に顔を赤く染める。そんな人を可らしいと思いながら、アロナは口を開いた。

「なにか悩んでいらっしゃいますか?もしも聞かれたくないことであれば、この言葉は聞き流していただいて構いませんが」

「…僕、けない顔をしてる?」

アロナは、ふるふると首を振る。

人だからと言って、全てを曝け出す必要はありません。ただお力になれることがあるなら、私はなんだっていたします」

「…だから、そういうことを言われると堪らなくなるよ」

アルベールはそう言って、目の前にあるしいしいアロナの頭に頬ずりをした。

「…ルタ様に嫉妬した」

「あれは私達をからかっているだけです」

「だけど僕よりずっと魅力的だから」

自信なさげに目を伏せるアルベールが、しくてたまらない。心の中を広げて見せることが出來たならいいのにと思いながら、アロナは彼の頬にそっと手を添える。

「もう、アルベール様しか見えません」

「アロナ……」

「私をそんな風に変えたのはあなたです」

一度素直になったアロナは、アルベールにとって非常に心臓に悪い。けれどそれ以上に、実は不用な彼が必死に自分にを伝えようとしている姿が、可くてしくてどうしようもない。

々しい男ですまない」

「あなたは私にはもったいないほどの方です」

「そんなこと言わないで」

アロナもアルベールも、時折自信を失くす。自分よりももっと、相応しい相手がいるのてはないかと。

それはもう、今後ゆっくりと時間をかけて伝えあっていくしかない。言葉や態度で、相手の気持ちを思いやりながら、そうして二人の手で、幸せを増やしていくのだ。

「アルベール様の言う通りですね」

「えっ?」

「とても暖かいです」

唐突にそんなことを言い出すアロナに心臓を跳ねさせながら、アルベールはらかく微笑みながら彼らかな髪をでた。

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