《【電子書籍化決定】人生ループ中の公爵令嬢は、自分を殺した婚約者と別れて契約結婚をすることにしました。》大好きになった人
ーーそれからさらに時は経ち、アロナがアストフォビアに來てから幸せな日々が続いていた。
一年の半分以上が冬というこの地にも、夏がやって來る。この季節の間に人々は野菜を作ったり猟に出かけたりと、冬の備蓄に備えて力的に活するのだ。
代々ロファンソン辺境伯はこの時期になると土地や農を低金利で貸し出し、他國への輸出にかかる関稅の何割かを負擔し、領民がしっかりと厳しい寒さに耐えられるだけの蓄えを作れるように工夫している。
アロナから見ても、父親であったフルバート公爵が悪領主だったとは思わないが、領民の生活よりも規律や秩序を重んじるきらいがあった為に、それに耐えられない者達との格差もあったようにじる。
自然の脅威に曬されながらもアストフォビアがこれだけ潤っているのは、雪の下に隠された富な金資源だけが理由ではないのだと、アルベールの側にいれば良く分かる。
そして、彼の雙肩に乗せられたものがどれだけ重いものだったのかも。
「アロナ!」
爽やかな夏風に吹かれながら、ククルが軽やかな足取りで馬車から降りてくる。その隣で彼をおしそうに見つめているのは、ククルの人であるソレイユだ。公爵家の三男であり、剣の才に恵まれた誠実な人柄。これはククル可さに、アロナが彼に緒で彼の人となりを調べてしまったがゆえに、間違えようもない事実である。
「初めまして、ロードマン侯爵令嬢。僕はソレイユ・ダナンフォルトと申します」
「初めまして、ダナンフォルト様。アロナ・ロードマンと申します。王都よりはるばるお越しくださり、謝いたします」
雄々しさが前面に出た、気の強そうな目つき。けれどククルを見つめる時にだけそれがとろりと優しげに下がるのを、アロナは見逃さない。完璧なカーテシーを見せながら、彼の視線は鋭くソレイユを値踏みしていた。
(この方ならきっと、ククルを幸せにしてくれるわ)
フルバートの屋敷にいた頃からずっと寄せていたククルの思いが葉ったことを、アロナは心から祝福する。と言っても、先にを示したのはソレイユの方らしいが。
ククルが選んだ人に文句をつける気はないが、そこはもう姉心のようなものだ。
ルーファスが引き金となったあの件で、ソレイユは獻的にククルを支えたらしい。そうあってはもう、手放しで祝福しない理由はどこにもない。
「ククル、今日はありがとう」
「アロナの為だったらどこにでも飛んでいくわよ」
「そんなこと言って、寒いのは嫌だと冬には絶対に來なかったくせに」
「そ、それはほら、あれよ。たまたまじゃない」
しどろもどろに言い訳をしてみせるククルを見て、アロナはらかく微笑む。そんな彼を見て、ククルも嬉しそうに頬を染めた。
「あなたが幸せそうで本當によかったわ。アロナ・ロードマン侯爵令嬢」
「お心遣いに深く謝いたします、ククル様」
二人で顔を見合わせ笑いながら、ロードマンという姓にもだいぶ慣れたなと、アロナは思う。
フルバート公爵家と縁の切れたアロナを養として引き取りたいと名乗り出たのは、アルベールの叔父であるエツィオ・ロードマンだった。それによりアロナはアルベールの従姉妹という立場になったわけだが、が繋がってはいないことと、アロナが今の境遇に陥ってしまったことに同と罪悪を示した王妃が國王に掛け合い、フルバート家からの除籍及び二人の結婚は無事正式に認められた。
(王妃様に気にられておいてよかったわ)
こんな形で役に立つなど夢にも思っていなかったと、アロナは心苦笑する。
こんな形になってしまったが、両親はここまで自分を育ててくれた。兄達も含め、フルバート家が不幸になれば良いとは思っていない。
ただこれからは、別々の道を歩んでいきたい。
(私は私の大切な人を、大事にしていきたいから)
「さあククル、それにダナンフォルト様もどうぞこちらへ。アルベール様もすぐにいらっしゃるわ」
「ああ、アロナの婚約者様に會えるなんて本當に楽しみだわ!」
スキップでもしそうな勢いで腕を絡ませてくるククルに、アロナも満面の笑みを浮かべたのだった。
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