《ニジノタビビト ―虹をつくる記憶喪失の旅人と翡翠の渦に巻き込まれた青年―》第30話 キラって方向音癡?
第六二四系の第七星クルニの二日目の夜も味しいご飯をいただいて、今ニジノタビビトに趣味を聞いたら、ご飯とお菓子を食べることと言うことだろう。もしかしたら頭には「キラの作る」とつくかもしれない。
ニジノタビビトは誰かがと言うよりもキラが心を賭して自分に接してくれることも、食べるものを作ってくれることも、一緒に食事ができることも嬉しくて仕方がなかった。そしてそう思う度に確かな別れがあることを思い出して寂しくなって、考えないようにすると言うことを繰り返していた。
翌朝も、しっかり朝ごはんを食べてから二人は宇宙船を出た。今日はキラの手にもカケラが握られていた。二人で持っていた方が効率がいいと思っての判斷だったが、キラは正直この手のひらに収まるサイズのカケラを傷つけてしまいやしないか、無くしてしまいやしないか気が気でなかった。流石にカケラをれるためのペンダントトップはニジノタビビトの一つしかなかったもので、頭を悩ませた結果かけらに紐を何回か巻いて括って、紐の反対を手首に巻いて縛った。それから基本的にカケラは左手で握りしめてポケットに手を突っ込んだままにした。
「虹をつくる人っていつも大どれくらいで見つかるんだ?」
「そうだなあ、大二、三日くらいなんだけど……」
そう言いながらニジノタビビトはし高いところにあるキラの顔を伺った。こればかりは仕方ないとはいえ、早く帰りたいだろうにあまり時間をかけてしまっては申し訳ないと思ったのだ。キラは恐る恐るこちらを見てきたニジノタビビトに首を傾げたが、すぐに思い至った。
「あ、早く帰りたくて急かしているんじゃなくて、そりゃ帰りたい思いはあるけど、単純に疑問に思っただけだから」
ニジノタビビトは眉を上げて肩を落としてホッとした。これからただでさえ、の現化を見せるのに、その他のことで距離を置かれる可能は考えたくなかった。キラがそんな人ではないとは思っていながらもどうしても臆病になってしまっていた。
「さて、一応二手に分かれた方が効率としてはいいんだけど、キラがカケラを握っていて熱をじるかも分からないし、そもそも連絡手段もないしね……」
キラのポケットにっていた通信機はもはやアラームと星メカニカのカレンダーと時刻を確認するためだけの道になっていた。
宇宙船にはインターネット回線が存在していたし、使ってもいいと言ってくれたがそもそもそれぞれが作られた星が遠すぎるせいで、波長が合わず、接続出來なかった。そのため、宇宙規格の充電を借りてバッテリーが切れてしまわない程度に充電するのみだった。通信機が宇宙規格である必要なんてどこにあるだと買うときは思ったものだが、きちんと意味があったし、端子に宇宙規格を採用してくれた擔當者と、購時に勧めてくれた販売員さんに手を合わせて謝した。
今日も一応持ってきてはいるものの、もちろん通信はできないので、できて時計のメモリが一つ進んだらこの場所に集合、くらいのものであった。
「キラって方向音癡?」
ニジノタビビトは軽く尋ねたものの、これは大事な問いだった。通信機が使えたって、そもそもが方向音癡ではどうにもならない。これが例えば地図が読める方向音癡ならまだいいが、そうでないのなら絶対に離れないようにしなくてはいけなかった。
「いや、方向音癡じゃないし、地図も読めるよ」
キラは二手に別れる、つまり一人になると言うことに対してそこまで不安そうではなかったので、本當に大丈夫そうだと判斷できた。
「それなら、一応キラにはそこの公園を中心に辺りをまわってもらおうかな、正直な話縁だからずっと座って待っていても出會えるときは出會えるよ」
「ん、わかった。とりあえず時計のメモリ一つ分でいい?」
「うん、それで、じゃあ飲みとか必要だったらこれで買って、我慢しちゃダメだよ。また後でね。キラ」
ニジノタビビトはそう言うとキラにいくらかお金を渡して、心なしか駆け足でいってしまった。
実のところ、ニジノタビビトにはキラに買っておいてやりたいものだとかがあったりしたのだ。期限が、終わりがあるとはいえ最低四ヶ月、見込み半年以上の旅なのだ。服も生活用品も宇宙船に元々あってニジノタビビトが使っていないものを使ってくれているが、それだって一週間でギリギリくらいだった。きっとキラに買いに行こうと言ったって、遠慮するのは目に見えていた。どうせとりあえず足りていますから、なんて言うのがオチだろう。
キラがまるまる一週間一緒にいたことによってニジノタビビトの人となりを理解してきているようにニジノタビビトだってキラの人となりは理解してきていた。
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