《【書籍化決定】白い結婚、最高です。》58.役に立ちたくて
マリーが誰かと話している聲が聞こえる。
……ユリウス?
引き寄せられるように、うっすらと瞼を開くと、マリーが深刻そうな顔で私の顔を覗き込んでいる。
その隣にはユリウスではなく、白を著た男の姿があった。
あれ? 私、どうしてベッドに寢てるんだろう……
「アニス様、合は如何ですか?」
狀況が理解出來ずにいる私に、マリーがそう尋ねた。
そういえば全がやけに熱っぽいし、頭ともし痛い。
私が自分の異変を告げると、マリーはふうと溜め息をついてから一言。
「典型的な風邪の癥狀ですね」
「風邪……私がですか?」
「覚えていませんか? ポワールと買いしている最中に、倒れてしまったのです」
私はふるふると首を橫に振った。レシピ本を探しに行った辺りで、記憶が途切れている。
マリーによると、ポワールが倒れた私を屋敷まで運んでくれたらしい。
そして目の前の男は、急いで手配した醫者とのこと。
「ポワールが『大変、大変』と騒いでいるのでどうしたのかと思えば、あなたを丸太のように抱えていたので驚きました」
「丸太のように……」
ポワール、意外と力持ちなんだなぁ。
「近頃は冷え込みましたからな。アニス様のように調を崩す患者は多いのです。しかし……」
醫者はそこで言葉を止めると、心配そうに眉を寄せた。
「アニス様の場合、疲れが溜まっていたのもありますな。おをしっかりと休めていらっしゃいましたか?」
「…………」
私は、その問いに答えられなかった。
ここ最近の無理が祟ったということだろう。自業自得以外の何でもない。
醫者は、黙り込む私を安心させるように、微笑んだ。
「薬を飲んで安靜にしていれば、すぐによくなりますよ。では私は、これで失禮いたします」
醫者は一禮して、部屋を後にした。
マリーも彼の後に続くのかと思いきや、ベッドの脇に椅子を置いて腰を下ろした。
「アニス様の看病はお任せください」
「で、ですが、マリーさんには他のお仕事が……」
「今の私には、これが一番重要な仕事ですので」
きっぱりと言われてしまった。
ここは、素直に甘えるしかなさそうだ。
「最近のアニス様は、何かに取り憑かれたように働き続けておられました。気に留めてはおりましたが……配慮が足りず、申し訳ありません」
「いえ……謝るのは私の方です。また迷をおかけしてしまいました……」
「オラリア公爵家最大の汚點」とまで言われている私。
使用人たちは、口々にそんな噂を厳しく批判してくれている。
しかし、悪い意味で注目を集めているのは事実で、私は今や、オラリア家のお荷になってしまっていた。
だからせめてフレイでいる時は、しでもみんなの役に立ちたくて、ひたすら働き続けて來た。
なのにこんなことになるなんて……
ぎゅっとを噛み締めていると、マリーに頭をでられた。
「あなたは頑張りすぎです。たまにはゆっくりと休んでください」
「……はい」
とにかく、今は一日でも早く風邪を治すことに専念しよう。
自分にそう言い聞かせて瞼を閉じても、々なことを考えてしまう。
実家のこと、噂のこと、ミルティーユのこと、ユリウスのこと。
それからポワールにも、後でちゃんとお禮を言わないと。
そしていつの間にか、私は深い眠りに包まれていた。
12ハロンのチクショー道【書籍化】
【オーバーラップ様より12/25日書籍発売します】 12/12 立ち読みも公開されているのでよかったらご覧になってみてください。 ついでに予約もして僕に馬券代恵んでください! ---- 『何を望む?』 超常の存在の問いに男はバカ正直な欲望を答えてしまう。 あまりの色欲から、男は競走馬にされてしまった。 それは人間以上の厳しい競爭社會。速くなければ生き殘れない。 生き殘るためにもがき、やがて摑んだ栄光と破滅。 だが、まだ彼の畜生道は終わっていなかった。 これは、競走馬にされてしまった男と、そんなでたらめな馬に出會ってしまった男達の熱い競馬物語。 ※この物語はフィクションです。 実在の人物・団體・國などと一切関係がありません。 2018/7/15 番外編開始につき連載中へ狀態を変更しました。 2018/10/9 番外編完結につき狀態を完結に変更しました。 2019/11/04 今更ながらフィクションです表記を追加。 2021/07/05 書籍化決定しました。詳細は追ってご報告いたします。 2021/12/12 書籍化情報を追記
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