《【書籍化決定】白い結婚、最高です。》71.家宅捜索
こうしてイーサンの指揮の下、ロートリアス邸の家宅捜索が始まった。兵士が次々と屋敷の中にってゆく。
広間に集められたロートリアス男爵夫妻や使用人は、皆顔を引き攣らせている。
片隅で、彼らの様子を靜かに眺めるユリウス。
「しかしお前も、隨分と大膽なことを考えるなぁ。犯罪者の捜索を建前にして、囚われの妻を探し出そうなんてよ」
イーサンが、気さくな口調で話しかけて來た。
すると、ユリウスも口元に笑みを浮かべて言う。
「そういうお前こそ、裁判所にかなりの無茶振りをしたんじゃないのか? 普通は目撃証言だけで、令狀なんて出せないぞ」
「まあ気にするな。大事な嫁さん探しだ。手段なんて選んでいられないさ」
「すまないな、ありがとう」
だが……と、ユリウスはロートリアス男爵へ視線を向ける。
彼は焦りの表を見せながら、兵士に向かってんでいた。
「くっ……私は無実だ! どれだけ探しても、何も出て來んからな!」
苦し紛れによる主張には、どうにも思えない。
そしてユリウスが覚えた嫌な予は、殘念ながら的中してしまった。
捜索が始まってから約二時間が経過したが、未だアニスを発見できずにいる。
「ほうら、私の言った通りじゃないか!」
「そうよ! まったく、無禮な方々ですこと!」
勝ち誇った顔の夫妻に、イーサンも溜め息をつきながら頭を掻いている。
自分たちの早とちりだったのだろうか……?
ユリウスがい表で腕を組んでいると、いつの間にか姿を消していたポワールが笑顔で戻って來た。
「すごいすごーい! ここの書庫、古い本がいっぱいありますよ~!」
「ポワール、私たちは遊びに來たわけでは……」
途端、ポワールの言葉にロートリアス男爵が目を見張ったのを、ユリウスは見逃さなかった。
「……いや。私も気になるな。案してくれるか?」
「はい!」
「これ以上私の屋敷で好き勝手するな」と喚く聲が聞こえるが、無視して書庫へ向かう。
中にると、本棚がずらりと立ち並ぶ室は、古びた紙の匂いで満たされていた。だが、人が隠れられそうなスペースはどこにも見當たらない。
「ほら、ここに並んでいるのなんて、私がずっと探してたシリーズなんですよ~」
壁際の本棚を指差して、ポワールが言う。
背表紙のタイトルを見るに、どうやらミステリー作品のようだ。
「君はこういう本が好きなのか?」
「はい! トリックとかはちんぷんかんぷんなんですけど、面白いんです!」
「…………」
そういえば、以前読んだ本で本棚を使ったトリックがあった。
……試してみる価値はある。
「ユリウス様?」
「ポワール、この本棚から本を全て抜くぞ」
「了解でーす」
數分後、ユリウスは空っぽになった本棚をじっと観察した。こうして見る限り、怪しい點は特にない。
だったら……と、本棚を橫にずらしてみる。
「……!」
「あーっ!」
本棚の裏から現れたのは、地下へと続く階段だった。
「隠し部屋ってやつですね!」
「……降りてみる。君はここで待っていてくれ」
「ユリウス様お一人で大丈夫ですかぁ?」
「ああ。危険をじたら、すぐに戻る」
そう言い殘してユリウスは、暗闇に包まれた階段を下り始める。
逸る気持ちを抑えて、一段一段慎重に下りていくと、オレンジのが揺らめいているのが見えた。あれは松明だろうか。
階段を下り切ったユリウスは、「これは……」と呟いた。
松明の明かりにうすぼんやりと照らされているのは、鉄格子の檻だった。
銀河戦國記ノヴァルナ 第2章:運命の星、摑む者
『銀河戦國記ノヴァルナ』シリーズ第2章。 星大名ナグヤ=ウォーダ家の新たな當主となったノヴァルナ・ダン=ウォーダは、オ・ワーリ宙域の統一に動き出す。一族同士の、血縁者同士の爭いに身を投じるノヴァルナ。そしてさらに迫りくる強大な敵…運命の星が今、輝きを放ち始める。※この作品は、E-エブリスタ様に掲載させていただいております同作品の本編部分です。[現在、毎週水曜日・金曜日・日曜日18時に自動更新中]
8 190ニジノタビビト ―虹をつくる記憶喪失の旅人と翡翠の渦に巻き込まれた青年―
第七五六系、恒星シタールタを中心に公転している《惑星メカニカ》。 この星で生まれ育った青年キラはあるとき、《翡翠の渦》という発生原因不明の事故に巻き込まれて知らない星に飛ばされてしまう。 キラは飛ばされてしまった星で、虹をつくりながらある目的のために宇宙を巡る旅しているという記憶喪失のニジノタビビトに出會う。 ニジノタビビトは人が住む星々を巡って、えも言われぬ感情を抱える人々や、大きな思いを抱く人たちの協力のもと感情の具現化を行い、七つのカケラを生成して虹をつくっていた。 しかし、感情の具現化という技術は過去の出來事から禁術のような扱いを受けているものだった。 ニジノタビビトは自分が誰であるのかを知らない。 ニジノタビビトは自分がどうしてカケラを集めて虹をつくっているのかを知らない。 ニジノタビビトは虹をつくる方法と、虹をつくることでしか自分を知れないことだけを知っている。 記憶喪失であるニジノタビビトは名前すら思い出せずに「虹つくること」に関するだけを覚えている。ニジノタビビトはつくった虹を見るたびに何かが分かりそうで、何かの景色が見えそうで、それでも思い出せないもどかしさを抱えたままずっと旅を続けている。 これは一人ぼっちのニジノタビビトが、キラという青年と出會い、共に旅をするお話。 ※カクヨム様でも投稿しております。
8 177お悩み相談部!
たまに來る相談者の悩み相談に乗り、その解決や手助けをするのが主な活動のお悩み相談部。そこに在籍している俺、|在原《ありはら》は今日も部室の連中と何気ないことを話し合ったり、一緒に紅茶を飲んだりしながら、なに変わらぬ代わり映えのない日常を過ごすはずだった……。 だが、生徒會から舞い込んだ一つの相談がそんな俺の日常を小説のような青春ラブコメへと変貌させる。 ●キャラクター紹介 |在原《ありはら》、今作の主人公。言葉は少しばかり強めだが、仲間思いのいい奴。でも、本人はそれを認めようとはしない。 |晝間夜《ひかんや》、在原の後輩でことあるごとに在原をこき使おうとする。でも、そんな意地悪な表裏にあるのは密かな戀心? 本人はまだ、それに気付いていない。 本編では語られていないが、在原にお弁當のおかずをご馳走したこともある。 |緋野靜流《ひのしずる》、在原の同級生。面倒見がよくいつも部室では紅茶を注いでいる。みんなからは密かに紅茶係に任命されている。 家はお金持ちだとか……。 |姫熊夢和《ひめぐまゆあ》、三年生。いつも優しそうにしているが、怒るとじつは怖い。 學內では高嶺の花らしく彼氏はいないらしい。みんなから愛されている分愛されるより愛したいタイプ。 じつはちょっと胸がコンプレックス。 |海道義明《かいどうよしあき》、在原の中學からの幼馴染。この中では唯一の彼女持ちだが、その彼女からは殘念イケメンと稱されている。仲間とつるむことを何よりの楽しみとしている。どちらかもいうとM。 |雙葉若菜《ふたばわかな》、海道と同じく在原とは幼馴染。在原のことを母親のように心配している。本人は身長なことを気にしているが、胸はどうでもいいらしい。じつは彼氏がいるとかいないとか……。
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●見習い魔術師のエレナが、魔術の先生であるノムから魔術の理論を教わりながら魔術師として成長していく、RPG調ファンタジー小説です ●ノムから教わったことをエレナが書き記し、魔導書を作り上げていきます ●この魔導書の章と、小説の章を対応させています ●2人の対話形式で緩い感じで進行します 《本小説の楽しみ方》 ●魔術よりも、エレナとノムのやり取り(漫才)がメインです。できるだけスピード感がでるようにしたつもりですが・・・。ゆるっとした気持ちで読んでいただけるとありがたいです。 ●本小説の魔術の理論は、いろいろなゲームの魔術の理論を織り込み、混ぜ込みながら、オリジナルのシステムとして體系化したものです。できるだけ系統的に、各設定が矛盾しないように頑張った、つもりです。理論の矛盾點とか、この部分はこのゲームの理論に近いとか、イロイロ考えながら読んでいただけるとうれしいです。 ●本作は元々はRPGのゲームでした。この物語部を改変して小説にしています。それゆえにいろいろとゲーム的な要素や數値設定が出てきます。ゲーム好きな方は是非に小説を読んでやって下さい。 _______________________ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 【★】創作ポータルサイト http://memorand.html.xdomain.jp/ キャラ紹介、世界観設定などの詳細情報はコチラへ _______________________ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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