《世界最強はニヒルに笑う。~うちのマスター、ヤバ過ぎます~》最強はクランを作る⑤
次の狩場があるネペレの町へ移するため転移ポータルへと向う。
とここで、娘至上主義のさゆたんがむすめさんと寢るため落ちる時間となってしまった。
一番の火力と言えるさゆたんが落ちるとなると、正直心もとない。だからと言って、クエストを止めたりはしないけど。
殘念そうな顔を見せ落ちると伝えたさゆたんは、落ちるため宿屋へと引き返した。
アレだけ殘念そうな顔を見せていたのに足取りは、軽いようだ。なんせ、スキップだから!
『娘好きすぎだろ。禿げろ』
『あー言うのが、將來娘にパパ気持ち悪い! とか言われるんだぜ』
スキップするさゆたんを目撃してしまったらしい宮ネェが、オネエ口調を忘れ突っ込めば、同意するようにキヨシが將來を語ってほくそ笑む。
宮ネェもキヨシも相當なクズだ。二人の言い草に笑ってる私も似たもの同志なんだけど。
ネペレの町に著くなり補充を済ませるため三十分ほど時間をとることになった。
微妙な時間だが私は、宿屋に戻りログアウト。
現実でトイレと水分補給を済ませ、直ぐにログインする。
ベットから起き上がり、集合時間を思って確認すれば十五分ほど殘っていた。
補充は大丈夫だし、やること……あぁ、弓! と思い出し、雑談などが流れる全チャにアーチャーの盟と名前をのせ呼び出すことにした。
{[ren] 緋のリボン/葉炎 10分以に談 plz}
『またでござるか?』
『ちょっと、ren激しすぎ! 僕、濡れちゃうから~』
『ティタ、死ぬ?』
『マジ、すいませんでしたっ。勘弁して下さい』
そんなに殺してないし、週四~五は敵対だけだし、今回は相手が全面的に悪いし私は悪くない。
脳で反論しつつティタの冗談に、PK予告出せば土下座しそうな勢いで謝った。
はじめから言わなきゃいいのに……。
”緋” 失禮します。
”ren” ?
”緋” 緋のリボンのクランマスターしてます。緋といいます。
うちの葉炎が、ご迷をおかけして申し訳ありませんでした。
”ren” どうも。
ご迷おかけしてってことは、事は聴いてるのかな?
”緋” それで、実は葉炎なんですが……。
現在ログアウト中です。
なので代わりにご連絡しました。
”ren” 武、拾ってあるから取りに來て。ネペレ ポータル
武落として、不貞落ちか。まぁ、クラマスなら預けても良いだろう。
”緋” ありがとうございます。直ぐに行きます。
直ぐにポータルへと向えば、既に緋さんは到著していた。
羊の巻き角に水に白を重ね塗りしたような髪を、肩口で切りそろえたの姿をした。
”緋” はじめまして。
”ren” ん。トレード出す。
”緋” はい。
直ぐにトレードのマーク――矢印二本が上下中向きになったもの――をタップする。
アイテムボックスから、弓を移させ完了を押す前に、再度確認をする。
”ren” 間違いない?
”緋” はい。
”ren” 取り書、メールして。確認したらok押す。
”緋” わかりました。
一分ほどで、緋から新著のメールが屆く。
タイトルと文章を確認してokボタンを押す。
”緋” ありがとうございました。必ず渡します。
”ren” よろしく
何度も頭をさげる緋に、バイバイと手を振って待ち合わせ場所の門へ歩みを進めた。
門について、暫く待つことになった。
キヨシが、ログインはしているものの、戻ってこないからだ。
『お前……、強化して、消失んじゃねーよ!』
『それ、初期裝備だよな……』
『またか……』
『呆れるわ』
『キヨシ。馬鹿なの?』
『馬鹿でござるな』
漸く來たと思えば、キヨシがしょぼい裝備に変わっていた。
それに黒がキレ。シロが驚いた顔で、初期裝備であることを見抜き絶句。先生と宮ネェが、心底呆れた顔を見せた。
今まで、ネタでやってるのかと思っていたけど、本気で馬鹿だったらしいことについ、きつい口調で馬鹿なのか聞いてしまう。それに、宗乃助が同調する。
『だって! さゆ居なくなったら火力落ちるって皆が言ってたろ? だから……しでも火力あげようと思って……』
泣きそうな顔でいい訳をはじめるキヨシ。
溜息を吐き、キヨシの裝備について考える。このままでは確実に、モブにボコられて死ぬのは目に見えている。
仕方ないと割り切り、皆にし待ってしいと頼むとキヨシに裝備を貸すため倉庫へと走た。
本當は、自分の裝備を強化――武裝備、鎧裝備共に40で、アクセは35までが、今のところ最大と公式に書いてあった――する時にしでも神的に、功の確率があがるよう生贄用にとっておいた裝備を倉庫から取り出した。
+12 炎羽のローブ
防+72 火耐+22 火魔法攻撃力+22 STR+1
+13 エレメンタルグローブ
防+33 INT+1 MP+43 魔法攻撃耐+23
+15 マジックヘルム
防+22 魔法攻撃耐+25
+10 アイアンブーツ
防+40 理攻撃耐+20
+17 エンシェント スティック
魔法攻撃力+115 屬石強化:水屬+250
戻ろうと思い歩き始めて、アクセはあるのか確認する。
『キヨシ。アクセ』
『ない!』
『馬鹿かお前は!』
消失してしまったらしい。キヨシの答えに、シロまでキレた。
倉庫にもう1度戻り、アクセを取り出す。
+7 マジックリング
防+8 魔法耐+14
+13 マジックリング
防+14 魔法耐+20
+12 ジャイアントリング(ネックレス)
防+22 理攻撃力+24 重量軽減+22
+15 エレメンタルイヤリング
魔法耐+17
+3 エレメンタルイヤリング
魔法耐+5
+8 ユニコーンベルト
攻撃力+9 魔法攻撃力++18 WIS+2
ゴミの寄せ集めではあるが、キヨシが著ている裝備よりは遙かにましだろうと倉庫を後にする。
門に戻り、トレードで裝備を渡す。
『うぉ。強化する前より俺強いんだけど!』
『ren。ちゃんと証文は取っとけよ』
『強化したら、キャラデリまでPK』
喜ぶキヨシの姿に、不安をじたであろうティタが証文を取れと言う。
流石に貸したを強化するような基地外ではないと思いたい。心に反して私の口は信用しきれずキヨシを脅した。
脅された所でキヨシが怯むはずも無く、意気揚々と先頭を歩き出す。皆と私はし距離をとって著いて行った。
ネペレの街から、西へ40分歩けば木もあまり生えていない禿山(誓いの山)につく。
この狩場は、強化の石がドロップするため、プレイヤーに人気だ。
狩場周囲を見てまわれば、ソロ含め5PTほどがかりをしている。
一応と見てみようと言うシロの提案で、誓いの山の北側にある、大量にモブが湧く場所を見れば、珍しく誰も使っていなかった。
もしかすれば、その場で明化の魔法やマントを使い休憩しているかもしれないと考え、ディティクションを使ってプレイヤーを確認するも居ないので、ここで狩ることが決まる。
早速、嵌りやすそうな大巖を引き役2人が確認し、大丈夫だと言うのでバフをかけていく。
黒とティタにヘイストⅡ(+25)をれると、直ぐに走ってモブを釣りにいった。
ここのモブは、風屬特化を持っている。なので設置する魔法は、地屬を主にする。
・バインド(+18)
・アースニードル(+25)
地中から無數の棘で突き刺す
・スローレンジ(+5)
行、移速度低下
宮ネェとキヨシに、マジック オブ アブソール(+25)。シロ、先生、宗乃助に、ヘイストⅡ(+25)とアース ウェポイン(+20)をかけた。
ティタの十と言うカウントがる。
鳥系のモブを大量に引き攣れ、突かれながら戻る黒とティタのHPが中々エグイ。
ティタと黒が試行錯誤して窪みに納まると同時に、スローレンジを発。更にキヨシに、エレメンタルアップ――六十秒だけ魔法攻撃力が、二百%アップする――(+15)をかける。
レンジヘイトのエフェクトが數回見える。宮ネェの無敵魔法が発させると同時に、黒とティタへアースウェポイン(+20)をれる。
近接3人が、槍で毆りはじめ、小気味良いクリティカル音を聞き、設置型魔法を発させるとキヨシがサンドストームを連発しつつ、宮ネェが回復を回す。
槍で毆られ、砂嵐に見舞われた鳥は、無殘に羽を散らして地に落ちていくと黃の粒子になり消えて行った。やはり、メインの裝備は大事なのだとキヨシの火力を見て思った。
一度目のドロップは、三個……。殘り十一回これを繰り返す予定――。
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