《世界最強はニヒルに笑う。~うちのマスター、ヤバ過ぎます~》最強は撲滅を目指す④

ゼンさんが死に戻り、先生の直が解けこちらへ戻る姿を見てさゆたんとシロが立ち上がり移する。

範囲を示すため捲いたはずのゴミが消えているのに気付いたらしい二人が、アイテムボックスからゴミを捲く……。

その間、クラチャでは先ほどの戦いについての話で盛り上がる。

[[黒龍] 俺次先生か……]

[[ティタ] ゼン相手に、あれは卑怯]

[[キヨシ] ゼン。良くやった!]

[[大次郎先生] よろしく、黒。卑怯じゃないから]

[[ゼン] キヨシ君、ありがとう。やっぱり強いですね]

[[ヒガキ] 勉強になります]

[[大次郎先生] ゼンは、きつけないとダメだよ。鈍足のドワ相手に待ってちゃだめ]

[[黒龍] 確かに、あそこで止まって待つぐらいなら、スキルでも叩き込んだ方が良い]

改めて整えた、會場にり直しさゆたんとシロが各々陣取ると宮ネェが中央へと進み出る。

「いいわね?」

「いけるでしゅ」

「やったる」

確認の言葉に、返事を返した二人の顔は殺る気満々だ。

宮ネェが手をあげ、カウントを開始する。

「3……2……1……0」

0と同時にその手を振り下ろし、走って戻る。

先制したのはシロの方だった。宮ネェが立っていた位置からさゆたんの立つ位置まで、無數の矢が降り注ぐ。それに応戦するさゆたんが、トルネードを詠唱し飛來する矢ら自を守りつつ、アイス ランスを放つ。

アイス ランスの軌道にあったトルネードがその勢いで割れ、真っ直ぐに元シロいた位置へと向う。さゆたんが、アイス ランスを使うと読んでいたらしいシロは、既に移し弓を引いて狙いを定めていた。

シロの弓に番えられた矢の形狀からオリハルコン アロー ――対人において高ダメージを與える矢――だと言うことがわかる。

さゆたんもそれが判ったのだろう、直後何かの詠唱にったのだが、詠唱が完了するよりも先にシロの弓から、矢が放たれる。

風を纏いうねるような音を立て、目にも留まらぬ速さで移する矢は、さゆたんを見事に抜いた。

さゆたんの負けと思っていれば、先に倒れ灰になったのはシロの方だった。

「さゆたん win」

宮ネェが宣言する。

クラチャでさゆたんに聞いたところ、先ほど詠唱途中の魔法を辭め、矢が自を貫く直前に三次職の魔法攻撃職、固有の魔法、リフレクション――貰ったダメージを相手に返す魔法だ――を詠唱破棄で発していたらしい。

詠唱破棄を選択をすると、効果が70%ほどまで落ちるが、同じ遠距離職でHP黒やティタに比べてないシロに対してだったので、さゆたんの選択は正しかったと言える。

[[白聖] あぁぁぁ、ウィンドウ ショット乗せなきゃよかったぁ!]

[[黒龍] あぁ、やっぱあれ乗ってたんだw]

[[ティタ] それ乗ってなかったら、勝ってただろうに……]

[[さゆたん] 黒砂糖より。シロは甘いでしゅよ]

[[白聖] くそぉぉ。次は勝つ!]

[[宮様] そこは、せめてシロップって言ってあげて]

クラチャで、シロが雄たけびをあげ、さゆたんが勝ち誇る中、次の試合に挑む二人が、意気揚々と會場にる。

宗乃助 vs キヨシだ。

「二人いい?」

中央で宮ネェが、二人を見る。

「いっつでもぉ」

「良いでござるよ」

二人の返事を聞くとカウントをはじめた。

「3……2……1……0」

0と同時に、宗乃助がその距離を詰め走り寄る。それに対抗するかのように、キヨシも逆へと走る。まるで追いかけっこだ……。

走りながら、キヨシがアイスランスを何度も、宗乃助に向い放つが狙いも何もない。そんな狀態で、見て呆れた先生が、キヨシに怒りの言葉をかけた。

[[大次郎先生] キヨシ! 真面目にやれ]

追いかけていた、宗乃助の急な方向転換に、慌てたキヨシが足を縺れさせその場に倒れこんだ。

それを見逃すはずもなく、宗乃助がキヨシに近付き、馬乗りのなるとスキル フニッシュ ブロー ――三次職、弓経由の暗殺者。固有のスキル。短剣を裝備した狀態でのみ使用可能。自のHPの50%を生贄に、攻撃力が2倍になる――を、叩き込んだ。

キヨシが灰へと変わると同時に宮ネェの宣言がる。

「宗乃助 win」

立ち上がり戻ってくる宗乃助が、なんとも切ない顔をしている。

[[黒龍] おつー]

[[宗乃助] まともな戦いがしたいでござるよ]

[[ゼン] キヨシ君……]

[[ティタ] 諦めろ。キヨシだ]

[[白聖] どんまい。宗]

[[キヨシ] いやぁ~。負けた~]

[[さゆたん] ティタの言うとおりでしゅ]

[[大次郎先生] まったく……]

クラチャで、宗乃助が嘆き。キヨシだからと言う理由で皆がめていた。

言われている本人は、明るく気にした様子も無い……。

裝備貸さないほうが良かっただろうか?

宗乃助が戻り、次は私の番となる。

漸く順番が回ってきたと會場へとる。対戦するヒガキさんを見れば、明らかに顔が直している。

張しなくてもいいのに……。

「二人とも、準備いいわね?」

「はっ、はい」

宮ネェの言葉に頷くことで返事をした。

手があげられカウントがはじまる。

流石に、一撃で殺すのは忍びないし、楽しくないと思い、一本の刀を持った狀態だ。

「3……2……1……0」

0の言葉と同時に振り下ろされる手を視界に納め、ヒガキさんへと走りよる。彼はどうやら、盾のようで、大きな盾にそのを隠し前へと進み出てくる。

試すつもりで、刀を彼の盾へと打ち込む。

ガッツ

鈍い音がなり、止められた刀と盾の間から彼の持つランスが、私の目掛けて突き出される。

敢えてその攻撃を避けずに食らう。

HPの減りを確認して、バックステップを踏み距離を取った。

ここで、初めて自にヘイストⅡ(+25)をれる。

その姿に、驚く顔を見せたヒガキさんは、直に顔を引き締めそれ以上はさせないと邪魔するようにランスを何度も突き出して來た。

ヒガキさんのドワの特徴は、が小さいが、力があるところだろう。

だが、盾でを隠すのは良いが、重心を前に傾け過ぎているためが前のめり気味になっている。

を捻りランスを避け、橫へ回りこむとそのまま足を使って、盾を蹴り上げてやればバランスを崩し、よろよろと倒れこんだ。

「甘いよ」

そう伝え、彼の小さなへ刀を突き刺し、切りつける。

必死に手元へランスを引き寄せようとするも、刀のダメージが彼のHPを上回り灰へと変わった。

「ren win」

宮ネェの宣言を聞き、元の場所に戻ろうと顔を上げてみれば、周囲を囲むように何十人と言うプレイヤーが立ち見している。

[[ren] 周り]

[[宮様] げっ]

[[ヒガキ] 負けました~。やっぱり強い]

[[大次郎先生] 何でこんな人がいるんだ?]

[[白聖] うわー。あっ、あのこ可いくない?]

[[ティタ] 注目の的?]

[[ゼン] どっ、どうしましょう?]

[[黒龍] うぜー]

[[キヨシ] 有名人だぁぁ!]

[[さゆたん] 退散するでしゅか?]

さゆたんの言葉を拾った先生と宮ネェの提案で、タイマンは中止となり闘技場から離れることになった。クラン戦を控えた狀態で、手のを見せるようなことはまずいと考えたからだそうだ。

囲いを抜け、宿屋へ向うため移を始めれば、數名のプレイヤーから呼び止められた。

何かと聞けば、クランにりたいということだった。

今回、ヒガキさんとゼンさんがったばかりで、新しい人を募集するつもりはないと宮ネェが斷りをれていた。

私としても、これ以上知らない人が、増えるのは勘弁してしいところだったので、宮ネェに謝した。後で、マナPOTでも送ってあげようと思う。

折角楽しんでいたのに、殘念だったがまだお楽しみが殘っている。

そう、敗者には黒歴史を全チャで語ると言う罰ゲームがあるのだ。

そのことを宿屋へ向う途中、クラチャで伝えると、がっくりと項垂れた頭が四つ……。

[[ティタ] はぁ。俺1]

[[宮様] うふふ。楽しみね]

[[白聖] ティタずる。2]

[[ゼン] 自分3で]

[[ヒガキ] 3]

[[宗乃助] 楽しみでござるな]

[[大次郎先生] ヒガキ 4ね]

[[キヨシ] ぬぁぁぁ。オチ俺かよー]

[[さゆたん] キヨシがオチ。ありえないでしゅ]

[[黒龍] オチつかないんじゃね?]

[[ヒガキ] 4でいいです]

[[宮様] じゃぁ、宿屋についたらはじめましょう]

罰ゲームを回避したメンバーが良い笑顔で頷いた。

クラン戦開始まで殘り3:57――。

足を運んでいただきありがとうございます。

ハローウィンイベントを、この作品で書くことになりました。

10月の末までには閑話として掲載させていただきますのでよろしくお願いします。

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