《世界最強はニヒルに笑う。~うちのマスター、ヤバ過ぎます~》最強は撲滅を齎す⑳
先生たちをり口まで迎えに來て10分が経過した。
漸く見えた人影の中に大きな大剣を背に擔ぎ、金髪黒メッシュ、白地の布、背中の部分にリアルな黒の髑髏(どくろ)マークをれた、牧師の様に裾の長いローブ姿の脳筋犬獣人こと元親が見えた。
『PTLティタだ』
『あ……』
[[ティタ] ごめん、そっちでPT組んで、連合う]
[[大次郎先生] k]
とりあえず挨拶する前に、元親をクランへとう。
直に承諾したのかクラチャに
【 †元親† が クラン Bloodthirsty Fairy に加しました 】と流れた。
[[†元親†] よっすー]
[[大次郎先生] おかえり]
[[宮様] おかえり]
[[ティタ] おけーり]
[[ren] おか]
[[ヒガキ] はじめまして、ヒガキと言います。よろしくお願いします]
[[†元親†] ヒガキ君よろしくね。チカって呼んくれていいぜ~w]
[[ren] バフ]
[[宮様] ヒガキ、チカはPKになると言葉遣いがヤバイから、気をつけてね……]
[[ティタ] 戦闘狂ってやつだ]
[[ヒガキ] そんなにですか?]
[[大次郎先生] 予想以上だと思うぞ……]
その場で、固有バフ以外とトランスパレンシーをれ、先生を先頭に宮ネェ、チカ、私の順で進んでいく。道は、既に伝えてあるため先生が先頭でも問題ない。
しかし、チカが參加となると本當に注意しないと……最悪全滅だなぁ……。戦闘狂であるチカはPKや戦場では、が滾るらしく忠告を無視して、真っ先に突っ込んで行くタイプの死神ヒーラーだ。
どんなに宮ネェが回復したとしても、所詮は防はローブだ……。何故武ではなく防の方をどうにかしようと思わないのだろうか? と、毎回思うし、実際何度も皆から突っ込まれているのだが、一向に防に関して変更するつもりはないようで、結局その負擔は宮ネェへと行ってしまう。
[[ティタ] 先に言っとくぞチカ。今日は盾いないからな]
[[†元親†] そっか、黒居ないんだっけ? まーなんとかなるっしょw]
[[大次郎先生] 本當に頼むよ?]
[[宮様] なんだろ、不安しかないわ……]
[[ren] 同意]
[[白聖] おはー]
[[†元親†] そんなことないでしょ? 俺やれるよー?]
[[ティタ] あぁ、そうだな……]
[[白聖] ぬおおおおおお! チカおかえり]
[[大次郎先生] ノ]
[[宮様] ノ シロいい所に來たわ。沼地下り口左側の続き部屋でPKするわよ]
[[†元親†] シロ久しぶり!]
[[白聖] 行くわ]
[[さゆたん] おはでしゅ~]
[[ren] ノ]
[[ティタ] ダブルでおはよ]
[[大次郎先生] ノ]
[[宮様] ノ さゆも沼地下り口左側の続き部屋でPKよ。シロと一緒に來て]
[[†元親†] よっす。さゆ!]
[[さゆたん] わかったでしゅ。チカおかえりでしゅ]
先生たちと移中、シロとさゆたんがログインしてきたことで、火力だけがあがったような気もするが……これでチカが暴走してもなんとかなるかもしれない? ならなさそう……。
そう思考しつつティタが待つ、路地まで移した。まずは中を確認するため、引き役がこちらを走りモブを引いて行くのに合わせるため、路地で個別のバフ込みでバフをしていく。
[[†元親†] うぉぉぉ! 久しぶりのPKだぜ。ミナギルゥゥゥ!]
[[白聖] 始ったか]
[[さゆたん] はじまったでしゅね]
[[ティタ] まだ突前だぞw]
[[大次郎先生] ハァ]
大剣を既に抜き、やる気満々な様子でチカがクラチャに発言をすれば、呆れたようすでクラチャに文字が流れた。
り口に著きティタを先頭に據え先生、宮ネェ、チカそして、最後尾を私が務めることになったのだが、漲る闘志を燃やすチカがどうせ先頭だろうと、敢えてチカにはカリエンテをれてあげた。
そこでし考えどうせ、チカが先頭ならばとディティクションを上げさせることを思いつき、クラチャで提案してみれ、即座に了承を得た。
[[ティタ] 來るぞ。チカ走るのはいいけど、死ぬなよ]
[[†元親†] うへへへっ。余裕だぜ!]
[[白聖] り口ついた。る]
[[黒龍] ノ]
[[さゆたん] あたくちも著いたでしゅ]
[[黒龍] お? PK]
[[†元親†] よっす! 黒はよこい]
[[大次郎先生] y 沼 地下り口左の続き部屋]
[[黒龍] おぉ!チカ久しぶりじぇねーか。相変らず死神ヒーラーしてるのか? いくわー]
[[†元親†] 大剣ぶん回すぜ~]
このタイミングで黒がログインした。後10分早ければと皆が思ったはずだ……。
チカの言葉に不安を覚えるも、引き役がこちらへと走ってくるのが見えた。り口の目の前を通り過ぎし先で奧へと行く盾の後を著いて中へとっていった。
ティタと同時に走り出したチカが、相手の盾と並走(へいそう)している……バカだ。モブのタゲを貰うなよと思いつつもなんとか、待機場所へと到著した。
そのまま突っ込むチカの襟を、ティタが引っ張り止めるとモブの処理が終わるまで待ってからだと説明していた。
モブの処理速度が遅いことから、基本は1PTでやっているのだろうと考える。明化して消えてるメンバーに當りがいることを願いつつ、処理が終わると同時にチカがディティクションを打ち上げた。
現れた明化したメンバーを瞬時に見回す――。
ニヤリと顔が歪み即座に、サイレンス(+25)を詠唱込みでアクセルへと叩き込む。
この間のPKで裝備を落としていたらしい奴は、簡単にサイレンスにかかり、慌てたように右往左往しながらもり口へ走って逃げようとする。
[[ren] アクセル私の、他やって]
[[ティタ] ]
ここ數日の鬱憤を晴らす気分で、アーマー ブレイク(+25)をアクセルへとれ、更にスロー(+20)をれてやる。り口の方から矢が飛來すると同時に、アクセルの足が止まった。
[[ren] シロ!]
[[白聖] この程度じゃしなねーだろ?]
[[†元親†] ぎゃははははっ! しにさらせやー!]
[[さゆたん] チカ……戦闘狂が発癥したでしゅ]
[[ティタ] チカ! タゲ合わせろ。シロダウンプル。さゆはフリーザー使って]
[[白聖] k]
[[さゆたん] k]
[[黒龍] り口ついたわー。走る]
シロに邪魔され、苛っとしクラチャで怒るも、麻痺が治るまで待ってから殺ろうとジリジリ距離を詰めていく。白とさゆたんがバフの効果範囲にったのを確認してバフをれてた。ついでにと、二刀に持ち替え、ファイアーウェポイン(+25)、ソウル オブ カリエンテを自へとかけた。
殘り10秒……9……8……7……6……3……1……0
0と同時に、右足で地を蹴りアクセルへと突っ込み右の刀を突き刺すよう腕ごと前へと突き出す。
金屬のかち合う音がなると同時に、仄かに右掌に痺れをじた。
止められたのだと理解し軽く飛び上がり奴を左手の刀で一刀両斷するつもりで切りかかる。
バックステップで避けるアクセルが、仕返しとばかりに跳躍しつつ大剣を私に向かい振り下ろしにかかる。
ニヤっと口角を上げ笑いを見せれば、何かを警戒したのか舌打ちしつつ無理矢理大剣を橫に振りぬき回転すると、後へと下がった。
「くすくす」
ワザとらしく聲を上げ笑って見せれば、アクセルは顔を醜く歪め走った目で睨みつけると、橫へと走り出す奴から視線だけを逸らさず、見つめればその姿が掻き消えた。
「チッ」
舌打ちしつつ、ディティクションを打ち上げマップを確認する。一つだけプレイヤーのマーカーがり口の方へ向うのを見つけ、走りよりながら武を二刀から杖に持ち替え、ブレス オブ アローを打ち込んだ。
チカチカと出たり消えたりを繰り返すアクセルが、り口を抜けようとした剎那、大きな音を立てそのが窟へと跳ね返された――。
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