《世界最強はニヒルに笑う。~うちのマスター、ヤバ過ぎます~》最強は撲滅を齎す㉓

58部から移しました。

即座PK開戦の漂う、善悪の塔44F北西角で杖を掲げバフのタイミングを計りつつ、スロー レンジ(+5)をバインドに被らない位置へと設置する。

張を悟られないよう、フゥーと細く長く息を吐き出しメイジ職と遠距離攻撃職の位置を確認する。

正面後方壁際に、ATK5人が壁を作るようにして守る一角に回復職と思しきローブを著たのが二人。

そこから左。アクセルの側にいる盾職の後に二人。右のATK側に弓職が一人。

計5人か……、弓職にはバインドがると考えて、問題は正面後方にいるATK5人が守るメイジだ。

あそこでは、範囲にらない。どうするか……思考を巡らせている間に「シネェェェ!」とびながら、張から先走ったのであろう片手に短剣を持ったATKが突っ込んでくる。

「ばっ!! くそっ、仕方ねぇ。仲間來る前に殺っちまえ!」

焦るようにアクセルがび、そのまま戦いが始った。

何を焦ったのかは判らないが、煽るためニヤっと口角をあげ笑いを浮かべて見せ、ソウル オブ カリエンテ、ヘイストⅡ(+25)、ファイアー ウェポン(+25)を自に追加する。

急ぎ、杖をPK用の二刀へ持ち替えると同時に、正面から突っ込んでくるATKを巻き込むよう正面奧にいるメイジまで屆けと願い、スキル一閃を発させた。

キーンと時代劇でよくあるような、鋼が鳴る音が上がり一拍置いて、短剣をもったATKが灰となり沈む。

その音を聞くだけで、テンションがあがる。

巻き込んだ正面の三人ほどが、被弾するも誰も即死はしておらず、HPPOTを使うがあがる。そこへ間髪おかずにつっこみ、切りかかり右手の刀で中央のATKを狙いつつ、右端にいる槍を構えるATKへ蹴りをれ吹き飛ばす。

右手に持った刀をそのまま、ATKへ突き刺したところで、正面後からアイス ランスが飛來する。

を捻り、無理矢理バックステップで下がった。

出來る限り距離をとり、刀を杖に持ち替え撒いておいた設置型魔法を発させた。

[[ティタ] もうつく]

[[ren] k シロついたら正面にDP(ダウン プル)]

[[白聖] k]

周囲へ目線をかし、エフェクトを確認すれば約6~8人程度にあがっていた。

予想よりないか……。

「チッ」

舌打ちしつつ、再度設置型魔法バインド(+18)を左にいるアクセル側へと設置する。

[[黒龍] 角著]

[[宮様] バリアと同時に突っ込むわよ]

[[ren] k]

[[大次郎先生] カウント3……2……1……Go]

ヘイトを打ち込む盾へタゲが取られ、メイジを一瞬見失うとATKの攻撃をける。被弾と同時に、宮ネェのバリアが発された。

間髪れずにシロがダウン プル、黒が、レンジ ヘイトを打ち込み、グランドロールのメンバーの方が慌てふためいている様子だった。

ティタのターゲットマーカーが、アクセスの側にいるメイジを示し、宗乃助、先生、ティタ、チカが走りよると囲みこみエフェクトがあがり攻撃を開始したのが見えた。

二歩ほど下がれば、さゆたん、キヨシが飛ばしたと思われるサンダー スピアが飛んだかと思えば、フリーザーの氷が足元の床に軌道を描くよう周囲の敵対ATKへと打ち込まれていく。

HPを宮ネェによって回復してもらい、メンバーへ個別含めバフを急ぎ追加した。とここで、バリアーの時間切れとなり、黒、チカの一気にHPが減りはじめた。

[[ren] チカ、ATK用れてる]

[[†元親†] 流石! 俺TUEEEEEEEEEできんじゃん!]

[[黒龍] チカ。バリアれろ]

[[†元親†] え? 覚えてねーYO!]

[[ティタ] じゃぁ、なんでお前、前にでてんだー!]

[[ren] バフ、カキカエタ ホウガイイ?]

[[黒龍] チカ!! 回復しろとは言わない……

けどな、せめて前でるなら、バリアぐらい覚えとけつーの]

[[†元親†] Nooooo!!]

[[さゆたん] いいでしゅよ]

[[ティタ] ウン。イイト思ウヨ]

[[白聖] もう職変えてこい]

[[キヨシ] チカは、最弱ATKだよな~]

[[†元親†] キヨシ! お前だけだぜぇ~!]

[[キヨシ] 理解はできないけどなっ]

チカのバフを、書き換えてやろうかと思うような事実が発覚する。

が、書き換えるだけのMPが、勿無いと考え直しバフはそのままにして、先に撒いたバインドを発させた。

更にさゆたん、きよしの魔法から外れた正面ATKに対し、バインド(+18)を設置発させる。

これでもまだ殘り、10人ほどが宮ネェ、チカ、さゆたんたちメイジ職へと狙いをつけているようだ。

辛うじて、未だ攻撃が行かないのは黒のレンジ ヘイトのおかげだろう。

早めに、近場のATKをとめなければならないが……ATKに守られたメイジが、ピュリファイを使いバインドを解除しているため、壁が異常に厚くなっている。

シロに視線を向け、敵対のメイジにステフ プラウセスをれられないかと問いかけるも、首を橫に振られてしまった。

[[大次郎先生] くそっ、奧の回復うざいな]

[[ティタ] 次、アクセルいこうか]

[[さゆたん] これ以上前にでると、こっちが被弾するでしゅ]

どうにか……いい方法はないだろうか? 必死に思考を巡らせ考えるも、現狀奧のメイジに屆く魔法がない。

[[大次郎先生] 仕方ない。renはできるだけ、バインドでATK固めて

俺たちはこのまま獨りずつ潰していこう。

さゆ、キヨシもフリーザーれまくって]

[[ティタ] k]

[[ren] k]

[[さゆたん] わかったでしゅ]

誰も案を出さないことで、先生がこのまま潰していくと決斷する。

正直こうも手の打ちようがないと、MP戦になるのは目に見えている。相手の回復のMPが盡きるか、こちらのMPが盡きるかの勝負だ。

こう言うPKも楽しい……。

こちら側にジリジリよって來るATK三人に向けて、バインド(+18)を設置発させる。

ティタのターゲットマーカーが付いたアクセルへ向けて、アーマーブレイク(+25)を叩き込みエフェクトがあがるのを橫目に、黒の周囲にいる盾やらATKやらの足元へバインド(18)を設置発させた。

こちらが範囲魔法であったことが、功を奏した結果となるかは未だわからないが現狀、アクセルへやたらとヒールを飛ばしているし、宮ネェのMPは50%をキープしている。

いずれ、向こうが先にMP枯渇狀態になりきつくなるだろうことは予想できる。

ならば、こちらはMPを使わせるようバインドとフリーザーでATKを固めていけばいいだけだ。

[[ren] バフ]

5分が経過する前に、個別バフを全員へ回す。

それを邪魔するよう、死角から敵対の弓職がステフ プラウセスを打ち込んで來る。

それが見えていたらしい黒がスキル、プレベント アタック オール ――三次職盾裝備のみ使用可能なスキル。5秒間のみ自を含め、PT、クラン、同盟員すべてに対するデバフを無効化、そのダメージを肩代わりする――を使ってくれた。

[[ren] あり]

[[黒龍] おう]

プレベント アタック オールの効果が切れた黒のHPが一気に減り、タイミングを合わせるように宮ネェのフル ヒールが飛んだ。

バフの更新を終わらせると同時に、弓の方へバインド(+18)を設置発させる。

お返しとばかりに、PK用の二刀へ持ち替える。

ソウル オブ カリエンテ、ヘイストⅡ(+25)、ファイアー ウェポン(+25)を自れ、スキル:アマギリを発させた。

青白いエフェクトが立ち登り、霧のように細かい小雨がシトシトと降りはじめた。それは徐々に剣先へと変化する。次第に、大きく長く幾千もの刃となり弓職を中心として周囲にいた、ATKたちへとダメージを追わせた。

[[白聖] そのスキル俺には使うなよ。マジデ、コエー]

[[さゆたん] 味方ならカッコイイけど、敵だとマジ怖いでしゅ]

[[キヨシ] うわー。痛そう]

[[宮様] 味方で良かったわ~]

[[ティタ] アクセル乙。次、名前ミスってる奴、Grand Crose]

私のアマギリに対して、怖いと言いつつも狙いすましたようにタイミングを合わせ、範囲スキルを使う二人の方が、私は怖い……。

アマギリをけ、範囲攻撃をけたATKたちが必死に、HPPOTで回復しているところに、ダメ押しとばかりに、キヨシのサンダー ストームが巻き起こる。

流石にHPPOTだけでは間に合わなかったらしい弓職、ATK二名が灰となり倒れた。

[[キヨシ] やっぱ、俺TUEEEEEE!]

[[さゆたん] いいとこだけ持ってたでしゅ]

宮ネェ、シロ、さゆたんが、無言でキヨシにジト目を向けた――。

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