《世界最強はニヒルに笑う。~うちのマスター、ヤバ過ぎます~》最強は撲滅を齎す〆

あの後どうなったかは言わずもがな……的な狀態だった。

クラメンとGMの青木さん以外全員が死となり、そのまま殘像を殘しログアウトしていった。

GMの青木さんは、激しく揺しつつ【 わっ、私……むっ、無敵で良かったです。 】と言い殘し消えて行った。

[[大次郎先生] 帰るか]

先生の言葉に他のメンバーが頷き、帰還の護符を使う。

最後に、ディティクションを打ち上げ私も帰還の護符を使った。宿屋へ帰る前にポータルで、拾った裝備を預かり倉庫へと向う。

[[ゼン] こんにちわ~]

[[ヒガキ] こん。ゼン]

[[大次郎先生] ノ]

[[ren] ノ]

[[黒龍] ノ]

[[キヨシ] よぉ~]

[[白聖] ノ]

[[†元親†] よっす~。しかし、あの魔法すげーなぁー!]

[[宗乃助] こんでござるよ]

[[宮様] こんにちわ]

[[さゆたん] こんでしゅ。もうrenちゃんバフって思っちゃだめでしゅ]

[[ティタ] ノ GMですらびびってたぞwww]

[[ヒガキ] GM?]

[[ゼン] GM見たんですか?]

[[大次郎先生] うーん。なんと言えばいいかな……]

そうして先生がことの顛末を全てチャットで流せば、ゼンさんとヒガキさんが無言となりクラメンからは何度も溜息を吐かれた。

いい訳をさせて貰えるのならば、私はこう言いたい。

『あの場ではカリエンテ召還が一番全員を殺すのに最善だった』と――。

どうせ、誰にも理解されることはないだろうが、私の中で運営の判斷よりもあの場でグランドロールに対して、殺すことの方が優先だったのだから仕方ない。

そうひとり脳でいい訳をしつつ、クラン倉庫に皆から預かった裝備を突っ込めば、いつの間にやらク

ラン倉庫にお金がっていた。

誰が購したのだろうか? と思いクラチャで確認すれば、さゆたんがドロップ品のローブを先生から売ってもらったらしい。値段的に、通常価格な気もするが、さゆたんが納得しているようなのでそこは何も言わず、そっとしておいた。

そう言えば、コンビニ行くんだったと思い出し宿屋へ戻り、そのまましばしログアウトすることを伝え、現実へ戻った。

財布を持ち、コートを羽織って……ふと、機の上に充電したまま放置されたスマホが點滅しているのに気づき誰かを確認してみれば、兄からのメッセージが屆いていた。

容は、PK邪魔してゴメンね。だけだった。

運営のせいで邪魔された腹いせに、課金アイテムを要求する旨(むね)のメッセージを送り、そのままコンビニへと向った。

20分ほどして戻リ、食べたかったエビの奴を手に取り開封して、口へ含みつつ、公式掲示板を覗き込めばそこには、騒然と並ぶグランドロールのクラメンたち謝罪文。

「ぶほっ……」

その余の多さに、つい口に含んだはずのエビのお菓子がディスプレイへと飛び出した。

いやいや……幾らなんでも多すぎでしょ? 何この多さ……カリエンテはやりすぎたのだろうか?

不安になりつつ、ディスプレイを拭きその容を読んでいけば、明らかに前者の文を真似して張り付けただけと思える文章が並んでいる。

「これじゃぁ、だめだよね? ていうかこの程度で許すと思ってるのがおかしい」

ブツブツ獨り言で愚癡を零しつつ、公式掲示板の畫像を取り謝罪文と名をつけたフォルダーにれ込み、ギアへと送る。

開けたばかりのお菓子の袋を近くにあったクリップで挾み、皆に知らせようとギアを被りゲームへと戻った。

一瞬の浮遊じ、瞼を開けば宿屋の天井が視界に映る。

クラチャで戻った旨を伝え、さっそく掲載されていた謝罪文をゲームで皆へメールで送った。

[[宮様] 何これ、コピー?]

[[宗乃助] ペーストでござるな]

[[黒龍] ありえねー]

[[大次郎先生] 本的に、最後まで居た奴を謝罪文だけで許すはずないだろw]

[[ティタ] うわー。ありえねー]

[[キヨシ] 流石頭悪いやつらだぜww]

[[さゆたん] 無いでしゅね]

[[ren] これが20個ぐらい載ってた]

[[白聖] 名前変えただけじゃねーかw]

[[†元親†] やっちまおうぜぇ~!]

チカはほっといて、やはり皆もこれでは納得できないと言う判斷をくだしたようだった。

先生が言うとおり、初回のみ仕方なく參加したけど……とかならまだ、謝罪文掲載のみで許せるし、理解もできる。

だが、ほんの一時間ほど前まで、自分たちから攻撃を仕掛けるPKをしておいて……不利になったら、謝罪文を掲載し許してもらおうなど、甘いといわざるを得ない。

それに、今更なのだ、とうに許せる範囲を超えている相手を、文章を複製し名前だけを変え、掲載した謝罪文ごときで許せるはずもない。

[[黒龍] 全チャで名指しするしかねーな。これ]

[[大次郎先生] 20人も? 考えるだけで時間の無駄でしょ]

[[宮様] じゃぁ、どうするの?]

[[白聖] 無言で殺せばよくね?]

[[さゆたん] シロの案でいいと思うでしゅ]

[[ren] 無効って全チャする]

[[大次郎先生] わかった。もしむちゃくちゃ言ってくるようならこっちに回して]

[[ren] k]

黒の言うとおり全員名指しするのが一番効果的なのだろうが、ぶっちゃけそこまでやってやる義理も無い。お節介にそれをしたとして、じゃぁどうすればいいの? と言われたところで、別に……としか答えられない。

私たちの目的は、あくまで喧嘩をふっかけられたから、PKでやり返すだけである。極論を言ってしまえば、それを楽しむことが目的なのだが……。

そんな訳で、とりあえず猛獣でのPK後に行った、善悪の塔以降に掲載された謝罪については無効だと全チャで宣言する。

{[黎明の君主] お暇な方は是非、猛獣へ參りましょう~PTM募集中~}

{[歴代最強魔王] きけー! 俺は最強だーwwwww}

{[ren] 元グランドロールのメンバーに告ぐ。

宣戦布告後善悪60FでのPK以降に公式に掲載された謝罪文に関して

我々はそれを認めない。よって以降もPKされる覚悟をしておけ}

{[イム] お前が最強なら、このゲーム最強しかいない。草}

{[ニーニャ] おぉぉ! まじですかっ!? 謝罪文卻下キター!}

{[グランゼス] 橫暴すぎだろ。ren}

{[黒龍] まじまじ、公式にのったやつ見てみろ、全部複製だぞwww}

{[ティタ] あっ、ゼス相変らず弱いの?}

{[ドリアンナ] それはあんまりです}

{[ヒュージュル] 謝り損じゃないか!}

{[白聖] いや、お前ら考え方おかしくね?

不正ツール使ってまで、うちのマスター殺そうとしたのに

コピーして、名前変えただけの謝罪文で誰が許すの?}

{[黒龍] つーか、ゼスお前は永久PK対象だからな?}

{[†元親†] うおぉぉぉ。ゼスじゃん! 相変らず効率廚してっかー?}

{[ニーニャ] え? 不正ツール??}

{[大次郎先生] シロ、それ言っちゃだめなやつ!}

{[キヨシ] 神の目使ったんだよ。グランドロール}

{[月下] それは、マスターたちが勝手に使っただけで、私たちは知らなかった}

{[大次郎先生] キヨシー!}

{[白聖] とにかく、あの謝罪文で許されると思うな。逃がすつもりねーよ?}

{[ニーニャ] まじかよ……神の目はあかんで~}

全チャで全部語ってしまったクラメンをジト目で見つめる、宮ネェと先生、宗乃助の視線を逃れるようシロ、キヨシがスゥーと殘像を殘して消えた。

未だに全チャは盛り上がっているが、許さないと宣言したからには今後も、個人個人を狙ってPKしていくことが決定した。

數日後、グランドロールに対するクラン戦? は、すっきりしないまま、公式の発表によりアクセル以下神の目を使用したメンバーの永久アカウント凍結、以降二年間はアカウントの取得止と言うオチで終了した。

同じ日、PKを中斷したため兄に集った(たかった)はずの謝罪の意味をこめた課金アイテム要求に対する答えがゲームのメールで屆いていた。

この度は――から始る文章の一番したに、今回のお詫びといたしまして力回復ポーション5(・)個(・)と魔力回復ポーション5(・)個(・)を送らせていただきますと書いてあった……その他には一切何もない……。

マジ、シネ(怒 そうリアルでメッセージを送った、私の気持ちをきっと同じ容のメールをけ取ったクラメンもじたことだろう……。

61部からの移です。

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