《世界最強はニヒルに笑う。~うちのマスター、ヤバ過ぎます~》最強は覇者を志す④
談の信をオフにしようかとまで思ったが、それをすると余計面倒なことになりそうだと考える。
はぁ~。と溜息を零す私の気分は鬱気味だ……このままトーナメント戦が終わらなければいいとさえ思うほどこの後に控える、胡蝶とのやり取りが嫌だった。
気分を害されたまま、マッチングが終了したのか次の戦いの地へと移する。
今回の場所は、何もない平原で相手は盾職……あれ、見たことある裝備じゃん? と思い畫面中央上部のバー付きの名前を確認すれば、黒龍となっていた。
[[黒龍] あー。マジ終わったわ]
[[ティタ] 笑うわwww]
[[白聖] くじ運最強だな黒。腹いたいわwww]
[[ヒガキ] どんまいです]
[[†元親†] やっと終わった~。バリア最高~!]
[[ゼン] 元親さん、強い!]
[[キヨシ] どっちが勝つかな?w]
[[宗乃助] チカ……バリア>突っ込むまではいいでござるが……その後が酷いでござる]
[[宮様] チカの戦い方真似できる回復居ないと思うわよ~]
[[大次郎先生] あぁ……黒、多分ren機嫌悪いから気をつけて?]
[[さゆたん] チカの戦い方、酷いでしゅね……ただ、バリアして大剣振り回すだけでしゅ]
[[ティタ] 機嫌悪いの?]
[[黒龍] ちょっ……マジ?]
[[大次郎先生] y]
[[白聖] ワロス]
先生の余計なひと言に黒が、ガチで課金バフをれ始めた……あー。面倒な!
舌打ちしたい気持ちを押させつつ、こちらもバフをれようと思い。そう言えばさっき覚えたイリュージョンの存在を思い出す。
どうしよう……使ったら怒るかな? でも戦いだしいいよね。それに、胡蝶にからまれたの黒のせいだし……腹いせしたい。黒が悪いわけじゃないとは思うも、胡蝶の件に関して無関係ではない。
思考の中で理由を並べ、自分を肯定してやりバフを開始した。
カウントが殘り5秒となったところで、黒がこちらに向かって走りだす。
それを見つめニヤっと口角を上げれば、ピタっと走る足を止め右へと回避するようなきを見せた。
そこで0となり、開始を知らせるラッパのような音がなる。
開始と同時に杖を掲げ詠唱した。
「イリュージョン トニトゥールス」
空より、太く大きな稲妻が、空間を縦に亀裂がるように落ちてくる。雷が落ちたことで周囲に砂が舞い視界を塞ぐ。
舞っていたはずの砂が次第にパリパリと電気が走る音を鳴らし、黃いエフェクトへと変化していった。
「グルボオオオオ」
砂の中から、大地に轟く鳴き聲がすると同時に砂がパンと弾け、トニトゥールスが姿を見せた。
金とも銀とも見える鱗を持ち、その周囲を取り囲むように稲妻が走る。
カリエンテとはし形態が違う個の竜で、獰猛な目、し長めの髭を揺らす龍のような顔。
は丸く蝙蝠の羽のような小さな翼が両前足の肩の部分にあり、尾は長く銛の先のように反り返っていた。
トニトゥールスは四肢を踏ん張り首を天へ擡げ、耳を塞ぎたくなるほどの咆哮をあげる。
「ギュアオォ!」
[[黒龍] おまっ! くそがぁぁぁぁぁ]
それが黒の最後の言葉だった……なんて噓だけど……。
トニトゥールスの咆哮に答えるかのように、天から幾筋もの稲妻が高速で落ちる。
逃げ場を失った黒をその視線にとらえたらしい、トニトゥールスは巨に似合わないほど高速で移するとその勢いのまま雷を纏う尾を、黒めがけ振るった。
トニトゥールスのきが早すぎて、諸に尾での一撃を食らった黒は、弧を描き空中を飛びつつ儚くも灰となり地面に落ちた。
會場にブザー音が鳴り響くと同時に、トニトゥールスが勝ち時の咆哮をあげ、金のエフェクトを殘し消える。【 ren win 】と頭上に表示され【 20秒後街へと戻ります 】と言う表示が、視界中央へ現れるとのカウントがはじまった。
「お疲れ。黒」
「くそ。マジでうぜえええええええええ!」
ニッコリ微笑みを乗せ労いの言葉を言えば、不服だったらしい黒は本當に悔しそうにんだ。
その様子を見やり、まだ移までにもうしかかるなと思いつつ、クラチャへ目を向ければ……職不問への參加を辭めると言ったチャットが目についた。
[[宮様] あれ、カリエンテじゃないよね?]
[[ティタ] うわー。職不問やめとこうlol]
[[さゆたん] あたくちも辭めるでしゅw]
[[ゼン] ……あんなのに、勝てるわけない]
[[†元親†] ren、超かっけー! 俺もそれ覚えたい!]
[[大次郎先生] だから……機嫌悪いっていったじゃん(汗]
[[黒龍] マジ最悪だわ。アレ何? 雷?]
[[宗乃助] 拙者……暗殺者でよかったでござるよ]
[[キヨシ] 黒。マジ可哀そう]
[[ren] トニトゥールス。雷のドラゴン]
[[宗乃助] 雷はやっぱり俊足でござるな]
[[ティタ] 怖。雷怖]
[[白聖] ふぅ。終わった……えーっと?]
[[宮様] チカ。ドラマスならないと無理よww]
[[さゆたん] ラスボスが、最強のドラゴンをまた1手にれたでしゅ]
[[ヒガキ] 惜しい。もうしで勝てたのに!!]
[[大次郎先生] ヒガキ惜しかった。あそこでまさかってやつだったな]
先生がヒガキさんの想を言い始めたところで、視界がブラックアウトすると街へと戻された。トーナメント戦エントリー用のNPCの右に姿を見せた剎那、視界が一気に開けこちらに視線を送っている。
ん? 何かあった? と思考しつつ、その場をかず、職不問ランダムへ再度登録した。
[[キヨシ] すげー遠巻きに見られてるwwwwww]
[[白聖] 全員じゃねーだろうけど、白チャで結構言われてたしなw]
[[ren] ?]
[[黒龍] 何?]
[[宮様] あぁ、二人は中に居たから知らないだろうけど……]
そう言って、宮ネェが説明してくれた。
黒と私の戦いがあると各部屋を観察していたらしいプレイヤーが全チャで流したらしい。それを聞いたプレイヤーたちが観客となり、その戦いを見ていたと言う。
あぁ、だからこういう狀況なのか……トニトゥールス使ったの失敗した……。
狀況に納得しつつ、トニトゥールスを使ったことを後悔した。
[[ティタ] これで名実共にラスボスだなwww]
[[†元親†] ラスボスren! w]
[[宗乃助] まぁ、何を言われようと……今更でござるよw]
[[黒龍] まじかよー。くそ、だせーじゃん。錬しねーと]
[[ren] 黒、お金あるの?]
[[黒龍] んー。金はなんとかなる。使ってない奴捌いて作るし。
1Gでサイレンスかバリアが付けば……]
[[大次郎先生] 1Gでその二つは、本気で厳しいぞ?]
[[ヒガキ] え? 錬ってそんなに?]
[[さゆたん] 1Tでも厳しいでしゅ]
[[キヨシ] 病みそうw]
[[黒龍] つくかもしれねーだろ! しぐらい夢見せろよ!]
[[宗乃助] っ[現実を見るチケット] でござるよ]
[[黒龍] ……鬼しかいねぇ]
黒が本気で錬を試みると宣言すれば、その資金では不足だと答えるものが続出した。
実際問題、錬は本當にお金がかかる……(・)錬(・)破(・)産(・)と言う言葉が、この世界にある。それほど湯水のごとくゼルが消えていく。
1Gじゃたいした錬スキルは付かないなと考え、お金が足りないようならそのうち、借金の申しれがあるだろうと勝手に思ったところで、次の戦いの場へと移した。
今回も會場は、平原だ。相手はローブ姿の魔法攻撃職で、名前は時雨(しぐれ)と言うらしい。
ご丁寧にも、相手の人は私の姿を確認するとペコっと頭を下げた。無言のまま頭を下げられこちらも頭を下げ返す。
魔法職か……バフを足すとすれば、なんだろうか? と思案するも結局いつも通りのバフをかけた。カウントが20秒を切ると同時にゆっくりと相手に向かい歩を進めた。
足を運んでいただきありがとうございます。
遅い時間に更新になり申し訳ありません。
- 連載中89 章
魔力ゼロの最強魔術師〜やはりお前らの魔術理論は間違っているんだが?〜【書籍化決定】
※ルビ大量に間違っていたようで、誤字報告ありがとうございます。 ◆TOブックス様より10月9日発売しました! ◆コミカライズも始まりした! ◆書籍化に伴いタイトル変更しました! 舊タイトル→魔力ゼロなんだが、この世界で知られている魔術理論が根本的に間違っていることに気がついた俺にはどうやら関係ないようです。 アベルは魔術師になりたかった。 そんなアベルは7歳のとき「魔力ゼロだから魔術師になれない」と言われ絶望する。 ショックを受けたアベルは引きこもりになった。 そのおかげでアベルは実家を追放される。 それでもアベルは好きな魔術の研究を続けていた。 そして気がついてしまう。 「あれ? この世界で知られている魔術理論、根本的に間違ってね?」ってことに。 そして魔術の真理に気がついたアベルは、最強へと至る――。 ◆日間シャンル別ランキング1位
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【12/15にコミックス第1巻が発売。詳細は活動報告にて】 聖女モモを虐めたとして、婚約者の公爵令嬢クロエ=セレナイトを追放した王子レッドリオ。 だが陰濕なクロエが大人しく諦めるとは思えず、愛するモモへの復讐を警戒してスパイを付け監視する事に。 ところが王都を出た途端、本性を表す『悪役令嬢』に、監視者たちは戸惑いの嵐。 ※本編完結しました。現在、不定期で番外編を連載。 ※ツギクルブックス様より書籍版、電子書籍版が発売中。 ※「がうがうモンスター」「マンガがうがう」でコミカライズ版が読めます。 ※世界観はファンタジーですが戀愛メイン。よく見かける話の別視點と言った感じ。 ※いつも誤字報告ありがとうございます。
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