《世界最強はニヒルに笑う。~うちのマスター、ヤバ過ぎます~》最強は覇者を志す⑯ PT戦

黒が元所屬していたクラン蝶々とトーナメントPT戦が始まり一分ほどが経過していた。開始直後に回復の胡蝶、盾のセキエイそして、重ATKのうち槍を持った丸が既に行不能狀態で、七割方勝ったようなものだ……。

守り手を失ったATK二名で何ができるかと言えば……HPPOTをがぶ飲みしつつ、ける二人で連攜し相手に攻撃をしかけ起死回生を図るべきところだ。今回に至っては諦めて死ぬのを待つしかない。

や裝備からみて、三次職の暗殺者であろう義経は生き殘るつもりが無いのか私へと斬りかかって來た。そのきが余りにもお末であり、単調過ぎることから初心者なのだろうと思った私は、彼にvs魔法職講座を行う。

まずは、きが単調な部分を直させるため、後ろへ移するであろうタイミングを狙い。足元へブレス オブ アローを打ち込む。もちろん詠唱破棄で……。

暗殺者特有のスキル:シャンセント――単の敵に対し使用可能。使用中はMPが10秒に3ずつ減する。攻撃を事前に見破り回避することができる暗殺者特有のスキル――を使用していれば、私の攻撃を事前に察知し回避するだろうと思い打ち込んだのだが……狙った場所へと足を運んでくれる。

え? けちゃうの? これはマズイかもしれないと不安になる。スキルの存在を知っているかどうかも怪しくなってきた。

さっきのは偶々だったかもしれないと気を取り直し、今度は打撃を與えてみようと義経の攻撃を杖でいなしガラ空きの脇腹へと振り抜いた。

「うぐっ」と言う聲をあげ、距離を取る義経。

これはマズイどころではないのではないか? まさか……打撃すらけるとは思わなかった。と言うのが正直なところだ。

どう教えればいいか頭を悩ませていていた私の視界に、試合が終わったらしい宗乃助がクラチャで、ハイド ヴィジブルについて聞いた理由を尋ねているのが見えた。

それに答えつつ同職に聞けばいいんじゃないか? と考え、さっそくクラチャで聞いてみる。

[[ren] 宗乃助。シャンセントって普通に使うスキルだよね?]

[[宗乃助] そうでござるな。単の相手の場合は使うでござるよ?

まさか! 直に見るでござるよ。しばし待つでござる]

[[白聖] 下手くそなだけじゃない?]

[[ren] キャラ作って直の初心者?]

[[大次郎先生] 効率廚あるあるだな……経験値だけが高い無能]

[[宮様] あー。あるわねw]

杖で毆ってしまったがためなのか、中々近付いてこようとしなくなってしまった義経から視線を外さず、黒たちの個別のバフを更新する。その後、自に近接用のバフをかけた。

バフをかけている間遠巻きに私を見るだけで、攻撃しようとしないことから、試しにこちらから攻撃を仕掛けに出る。

杖から二刀に持ち替え、直線ではあんまりだろうと軽く右へ回り込み側面にったところで、移していた足の軌道を変える。

義経へ左手の刀を振り上げ、できるだけゆっくり振りおろし隙を作りつつ斬りかかる。流石にこちらのきに注目していたらしい彼は、を正面に向け短刀を構え直す――。

斬りつけて來ると思っていたのに、彼は構えた短刀で左手の刀の攻撃をけただけだった……。

いやいや、そこはけないで反撃して? ほら私の右側ガラ空きでしょ? そう脳で突っ込みをれたところで、それを見ていたらしいティタと黒が同時に『『うわー。ありえねー』』と言う。

見る暇あったら他の倒してしい……そう思い視線だけをそちらに向ければ、既に義経以外灰になっている。

『あれ? もうそんなに時間経った?』

『いんやぁ? まだ、6分位しか経ってないぜ~w』

[[ren] どう説明したらいいと思う?]

『まぁ、あれだ……豆腐だったんだよw』

[[宗乃助] 義経殿に対してでござるか?]

『プリンだw』

[[ren] y]

[[さゆたん] なんであそこでけるんでしゅかね?w]

『うはははははw 確かにぷりんあらもーど並みに甘かったぜ~w』

『あぁ……そう』

[[宗乃助] 今のを見る限り、殘念でござるがキャラ作り直せとしか……w]

[[白聖] 所屬するクランが悪いとここまで腐るのなw]

『で……いつまでやるの? ren』

『もうちょっとやりたいけど……だめ?』

[[大次郎先生] うーん。勉強不足ってじだな]

『まー。どうせ時間的にコレラストぐらいだろ? 好きにしていいぞーw』

『ちゃんと最後は殺して快勝にしてくれるならいいよw』

『あり』

既に終わっていたらしい事に気付いた私がそんなに時間が経っていたのか? と聞けば、チカが違うと答え、黒とティタがらかいから直に終わったと言う意味合いの言葉を発した。

ティタからいつまで? と聞かれ正直に答えれば、もうラストだろうから好きにしていいと言われ謝する。

本職から返って來た答えを聞き、殘念だがお手上げ狀態らしいことが判る。

羅列される文字たちを見つつ、義経へ右手の刀を下段腹の下辺りからにかけ斬りつける。特に速度をあげた訳ではないのだが、彼はそれを避けるのでさえ手いっぱい狀態のようだった。

さゆたんが[まるで、いじめてるみたいでしゅねw]そうクラチャで呟いたのを見て、黒たちの方へ視線だけを向ければ、口角だけをあげ鼻で笑われた。

私としては、どう言う風に戦うべきかを義経さんに考えてしかっただけなのだが……周囲はどうやら、苛めているように見えるらしい。

しだけ焦りを覚えた私は、後で彼にメールでスキル使用について伝えると決める。

いつも通りの速度で彼へと突っ込み、右手の刀を首の付けから脇へと振り抜く。その反を生かし彼の腹部を橫一閃に斬りつけた。

義経にニコっと優しいつもりの頬笑みを浮かべたのがまずかったのか、変わったと思ったのかは不明だが、「ひっ!」と雑魚キャラの様な悲鳴をあげ、あきらかに揺したような表を見せたかと思えば、もちをつき後退りする。

[[白聖] まさかそこで、ニヒル笑いwwww]

[[宗乃助] ren……あんまりでござるよw]

[[キヨシ] アレ見たいじゃね? モヒカンさw]

[[ティタ] 草生える]

[[大次郎先生] そこでそれは相手に同するw]

[[さゆたん] renちゃん鬼でしゅねw]

[[†元親†] お前の命はあと……ってやつなw]

[[ren] ?]

[[黒龍] 俺は何も言ってね―からな。殺すなら↑の奴らだけな!]

[[宮様] 私も何も言ってないわよ~♪]

義経さんがオーバーアクションしたせいで、私がディスられる。優しく笑っただけなのに……酷い。

ショックをけた腹いせと、既に戦いは終わっていると考えていたから丁度いいだろうという思もあり、義経へアマギリを発させた。

戦意喪失狀態だった彼は諸にアマギリの刃をそのけ倒れると同時に灰へと変化した。

一拍置いて【 Aチーム win 】と表示される。

「おつ」と労いの言葉をかけつつ、早速メールを開き仮想のキーボードをオンにする。

その後直に街へと戻された私は、NPCの傍に佇んだまま、5000文字にも及ぶ想とき、スキルについての文章を書いた。

が……送信しようと紙飛行機の様なマークをタップした剎那、赤い文字で文字數が超過しています。と表示された。どうやら一度に送れるメールの文字數は700文字までだったらしい。

これも仕様かと諦め、仕方なしにコピーとペースト、削除を繰り返し30分かけ、七通にも及ぶメールを送りつけてしまう結果となった。

その後時間的にやはりもう人がいないと判り、ヒガキさんゼンさんを連れて強制的に狩りへと向かうためクラチャで聲をかけた。

[[ren] ゼンさん、ヒガキさん狩り行こう]

[[キヨシ] だなーw]

[[†元親†] ヒロインあのニヒル笑いでww]

[[ゼン] はい]

[[ヒガキ] あ、はい]

[[黒龍] 狩り場どこにすんだ?]

[[ティタ] ずるい。俺も行きたい]

[[白聖] 寄生行きたい!]

[[キヨシ] 俺もー!]

[[†元親†] 俺も俺も!]

[[大次郎先生] お前たち……オレオレ詐欺じゃないんだからw]

[[ren] 魔巣]

[[宮様] いくわ!]

[[さゆたん] 參加するでしゅ!]

今回選んだ狩り場は、魔の巣窟と呼ばれるアンテッド系しかでない高レベルがPTで狩りをするための狩り場だ。

各部屋ごとに100~300ほどのモブが整列し並んで湧く、全てがアクティブで攻撃力は強いものの盾が居なくても走るだけでタゲが來る。そのため槍や範囲魔法を使い狩る。

経験値も相當に味しいはずなので、ここを選んだのだがどうやら全員行きたいらしい……。

連れて行ってあげたいところではあるが、ゼンさんとヒガキさんの獲得経験値がカンストに吸われるのは忍びない。

そこで考えた私はクラチャでバフの支援だけをするから、別の部屋でやってくれと伝えた。

足を運んでいただきありがとうございます。

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