《世界最強はニヒルに笑う。~うちのマスター、ヤバ過ぎます~》最強は覇者を志す⑲ PT狩り@後始末
キヨシとチカをPTにい二人としだけさっきの狩りについて話すことにした。今回やらかしたのは二人だが、やられた方よりやった方の方が気に病む事もあると考えたからだ。
そんな私の考えを余所に落ち込んでいると思っていた二人は、まったく落ち込んでいなかった。
話し終えた私は、過去の私にこう言ってやりたい……チカ、キヨシの二人は何処まで行ってもチカとキヨシだと。
『おー! renどうした~?』
『ぁ、もしかして心配してくれたりしたの?』
『……一応?』
既にこの時點でPTを切ろうと思う程、二人の対応は明るく元気だ。自分の判斷ミスであったことを痛した瞬間だった。
そりゃ、あれだけのこと言われてるんだし、凹んでるかなって……。はぁ、無駄な時間だった。
『そうだ、renに頼みあるんだよ!』
『そうそう』
なんだろう? あまり良い予はしないが……お金はもう貸さないぞ? と思いながら『何?』と聞けば二人は顔を見合わせニマっと笑う。
『狩りつれてけー!』
『俺も―!』
『理由は?』
『さゆに……裝備買い戻しさせたいから?w』
『俺らのせいで消失しちゃったから?w』
突然の申し出に理由を聞けば、至極まともだった! 草生えてるのは気になるものの二人がそれで気が晴れるのならば手伝っても良いかな? とは思った。
が、キヨシとチカか……とカオスになりそうな予がするのは気のせいだろうか?
『2Hぐらいなら?』
『マジ?』
『いやっほぉぉぉ~!』
どこに行くかも決めていないのに、ベットから飛び降り扉へ向かおうとする二人の腕を摑み止め、何処へ行くのかを聞けば『さっきのとこ!』とダブルで帰って來た。
二時間と言う制約をつけておいて良かった? かもしれないと脳で自を納得させ、走り去った二人の後を追う形で倉庫へと向かう。
倉庫に著き、Mガムを補充していた私の肩を誰かが叩く。後ろを振り返り見れば、ちょうどいい引き役がいい笑顔で微笑んでいた。
その笑顔に返すように微笑みを乗せて、PTチャットでキヨシとチカに5分だけ黙っててくれと頼み、強制參加させるべく、しつこく何度もPTへの招待送った。
拒否されること五回目。漸く參加してくれた引き役が、怪しむ視線を私に投げかけならがらPTチャットで何? と聞いて來る。
『魔巣行こう。ティタ』
『え? 今から?』
『y。どうせまだ寢ないでしょ?』
『寢ないし、行くのはいいけど……? なんだろう凄く嫌な予がするw』
『気のせい。準備して魔巣口~集合』
『k』
最近、クラメンの第六? が凄く鋭くなってるような気がする……ティタにしても、黒にしてもいい塩梅で気付き回避しようとしてくる……何故だろう?
魔巣へのんびり歩き枯木が立ち並ぶどこか寂しげな風景を見ながら移した。
移している間もキヨシ、チカは黙っていたせいかティタに気付かれることなく、魔巣口に四人が集まる。
キヨシとチカを見た剎那踵を返そうとするティタにキヨシとチカが走りより、両腕を各々が摑むと口に引き摺るようにして連れて來た。
ニコニコ微笑むチカとキヨシ。「騙した?」と言う死んだ魚の目をするティタに、首を傾げ「ん?」と返事を返せば、重く深い溜息を吐き出しどこか諦めた顔で「仕方ないか……」と呟いていた。
口でバフを開始する。今回引き役はティタに任せるとして 言いだしっぺであるチカには毆るなと伝え、回復するようする。更に、ダメ押しで回復しないならPOT代を後で請求するからね? とチャットで付け加えておいた。
バフだけをれ終え視線を向ければ渋々だがチカは頷いていた。それを確認してトランスパレンシーをれると魔巣部に進んだ。
ティタを先頭に、キヨシ、チカ、私の順番で隊列を組み進んでいく。「てか、カンストしてから同じ場所に二回もPT組んでくるとは思わなかったよ」と言うティタの言葉に同意を示し、理由を説明すれば「二人とも頑張らないとね」となんともティタらしい勵ましの言葉をかけていた。
『ていうか、さゆの靴っていくつだったの?w』
『さぁ?』
『不明』
『……え?』
『は? 普通まずそこ聞くべきじゃないの?』
『だって、さゆ直に落ちたじゃん? 聞く暇なかったんだよ~』
『聞こうとしたら、娘と寢るでしゅって落ちてった……から……』
『あぁ……』
當然知っていると思っていたさゆたんの消失した靴がなんだったか? について話を聞けば、それすら判っていなかったと言う事実が発覚する。
二人のいい訳を聞いた私は、倉庫から宿屋へ戻るさゆたんがスキップしてた姿を思い出した。
『そう言う事なら仕方が無いね』とティタが言ったところで、四階の狩り場に到著する。
今回の狩り場はさっき使ったところよりも広く、モブの數は200~300。
巡回する痛いモブも弓で、部屋の中央を數分おきに通る場所だ。
『バフ』と一聲かけ、バフをかけ直す。『半分ずつね』と言うティタに『k』とだけ返し弓の通過を確認し、トランスパレンシーをかける。引きに行くティタを見送り、ティタがると言っていた場所から1メートルほど離れた距離に設置型の魔法を配置した。
この狩り場の狩りは、基本さっきと変わらない。手前側のモブを半分だけ引いたティタが戻り、その後ろを100~150ほどの悪魔とも死とも見て取れる一見、ゾンビのようなモブがズルズル手や、足を引き摺りついて來る。
タイミングを計りつつ、ゲッター サークル スクロールを2秒ずつずらし5枚を使用する予定で準備しつつ、ティタ以外に個人バフをれモブの先頭が、ティタまで1メートルに迫ったところで、1枚目を使用すると同時にバインド(+18)を発させた。
次々と押し寄せるモブにゲッター サークル スクロールを予定通り使いつつ、フレイム サークル(+20)、スロー レンジ(+5)、ショック ボルト(+19)、ポイズン クラウド(+20)の順に設置型の魔法を発させる。
設置型の魔法を全て発させ、ティタからタゲを奪った狀態になったところでティタが槍に持ち替え毆りはじめる。そこへ、個人バフを追加してやりキヨシに視線を向ければ、頷き範囲魔法を詠唱発させた。
ブレス オブ ドラゴンを詠唱発させること2回、1枚目のゲッター サークル が檻のように連なったエフェクトを消滅させ効果を失う。
その後2秒ごとにゲッター サークルの効果が消え5枚全てが効果を失ったところで、引いたモブが黃い粒子となり消えていく。
再度引きに行くタイミングを計るためマップに視線をむければ、巡回ではなくプレイヤーの表示が現れた。たまたま通りがかったらしいそのPTは、私たちのを無言で見つめている。
怪しむ視線をそちらへ向けていた私へ、ティタが自分のフレだと伝えた。
視界を遠視に切り替え、棒立ちするPTを見れば今日戦った柿PたちのPTだった。
『バルコニー渡った逆側使ってもいいか? って聞いてるけどいい?』
『いいぜ~!』
『ok!』
『k』
『伝えるね~』
ティタと柿Pが、談をする間棒立ちで待つのも勿ないと考え、トランスパレンシーをれマップで巡回が居ない事を確認して、殘り半分を引きに行った。
最奧に居るモブにギリギリ屆く範囲で、ブレス オブ ドラゴン を詠唱発させジグサグに走り逆サイドの端へと向かう。そこでもまた端に居るモブに當たるようブレス オブドラゴン を詠唱破棄で発し、逃げ帰るよう元のティタたちの位置へと戻った。
直に設置魔法、五種類を設置。チカとキヨシに逆サイドに移するよう伝え二人へ攻撃が當たらない位置へとモブを引き寄せ、1枚目と同時にバインド(+18)を発。以降1枚使うごとに設置魔法を発させた。
ブレス オブ ドラゴンをれたところで、初めてチカからヒールを貰った。
ただヒールを貰っただけ……當たり前のことなのに、なんでかはわからないけどする……。本人が良く言う”やればできる子”……だったんだと、ただのヒールでさせられ、思わされてしまった。
私のを余所に、モブの処理は進み先に倒したモブが湧く前に処理を終えた。
その後、三時間――本當は二時間のつもりだったが、時計を見たら三時間経っていただけ。
特に焦る事態になる事も、事故が起こる事も無く順調に狩りを行い帰還した。
足を運んでいただきありがとうございます。
活報告にて書いておりますが、本日より4日間は作者本人の都合により更新できるかわかりませんので予めお知らせしておきます。
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