《世界最強はニヒルに笑う。~うちのマスター、ヤバ過ぎます~》最強は覇者を志す㉖ PT戦@數
本日2本目の更新です。
盾を替えた盾に対し、バインド(+18)を詠唱し設置発させること十回、どうやらこの盾は魔法防力が上がる盾だったようで、バインドがまったく聞く気配がない……。
仕方なくシロに、盾の足止めを頼みタスキに向かい走りつつ、裝備を変更する。
ローブ裝備から軽鎧へ裝備をチェンジしつつ、二刀を取り出す。
『あの盾メデューサでござるか?』
『不明』
『見た目似てるけど、メデューサなら丸くない?』
『アバターで盾の見た目変更できるから、もうわかんないよなーw』
『メデューサなら、デバフり難いからなぁ……冷凍もやめといた方がよさげ』
『バインドらない……強化しないとダメだ』
『なんか、トーナメント戦からやたらスキルり難いw』
『運営の嫌がらせでござるか?』
『通常狩り場なら問題なかったよな?』
『y』
『後で運営にメールしてみるかーw』
PKに比べバインドもアーマーブレイクも、フリーザーにしても酷くり難いのは確かだ……あの盾がメデューサの盾だったとしても、今までに比べてかなりり難い。
以前行ったグランドロールとのPK戦では、普通に効果を得ていたし、り難いとは言っても何度か試せばっていた。
そのPKからさして時間も経っていないことを鑑みるに、どうやら運営がトーナメント戦だけ何かしているのではないかと疑いたくなってしまう。
まー、運営に聞いたところでどうせテンプレメールが帰って來るだけだろうが、余りにもおかしい……のは確かだ。
そんな甘い考えをしつつ、タスキに切りかかる。右手の刀をタスキの左上腕から腰にかけて振り抜き、左手の刀で腹を橫一文字に切り裂いた。
宗乃助、シロ、キヨシの攻撃が相手に著弾する度にエフェクトがあがる。
そのを前に、あるアニメの一文が頭をよぎった……目がぁぁぁぁ! と、流石に空気を読めない子にはなりたくないので、脳で再生させるに留めたが、そんな私とは対照的にキヨシが、はっきりとチャット同じ文言を打っていた……あれ? 毒されてる?
『目がぁぁぁぁぁぁ!』
『黙れ?w』
『はぁ……キヨシの位置から目が痛いなら、拙者やrenはもっとでござるよ?w』
『うははははははっ!』
笑ってごまかすキヨシを橫目にチラリと視界に捕えたところで、右手の刀をタスキの腹に差し込んだ。
背後に現れた宗乃助が頭上から縦に切り裂くと同時にクリティカル音がなり、タスキのが軸を失くしたように揺らゆらと揺れ倒れ灰に変化した。
『おし、@3 結』
『おつかれでござる』
『盾に全くフリーザーらないw』
『DPれてるから、ほっとけw キヨシ、重ATKの方だけ注意なw』
『おうよー!』
タスキの処理が終わり、次に向かうのは結だ。宗乃助と二人連れだって、傍にいる盾のスキルに気をつけながら結へと移した。
私たちが移するよりも早く結に攻撃を仕掛けているシロとキヨシを橫目に、私たちも刃をそのに差し込んでいく。
アーマー ブレイク(+25)の効果が未だ殘っている暗殺者は、紙よりも更にらかい。まるでプリンのように掬ったそばからダメージがって行く。
『おー。やっぱABいいでござるな』
『すげー。楽だわ―w』
『雷系纏わせると2割減るww』
チャットを打つ余裕すらできるほどにらかい結を仕留め終え、DPしかっていない盾を先にやろうと言う話になったところで、フリーザーの効果が切れたらしい重ATKがいた。
『キヨシ、シロ』
『無理』
『あ……!』
直に反応したのはシロの方だったが、既に矢を番え打ち抜く寸前だったためかきに合わせることができず。重ATKの急襲をけた宗乃助が、思いの外強い一撃を貰いHPを4割ほど吹き飛ばしてしまった。
直にハイド ヴィジブルを使い姿を消した宗乃助に対し、執拗にディティクションを打ち上げ追いかけまわす重ATKをシロのダウン プルが貫ききを止めた。
HPPOTをがぶ飲みしながら宗乃助がシロに謝を伝える。その二人の様子を伺いつつ、重ATKにバインド(+18)を無心でかけ続けた……。
MPがMAXから殘り半分になった頃、漸く重ATKのが変わりバインドがその効果を発揮する。
キヨシのMPとシロのMPが半分を切っていることを考え、バフを更新してマナチャをれる判斷を下した。
『バフ後マナチャ』
『いくぜー!』
『使いまくるわー!』
『スキル連打でござるな!』
マナチャと言う単語を出すと何故かテンションが上がるらしい、うちのクラメンたちは嬉々として魔法が効かないはずの盾に魔法を打ち込んでいく……【 これぞ、無駄打ち 】と題名を打ってもいいかもしれない。
流石に、効かない相手に魔法を打ち込むぐらいなら……重ATKを優先でいいのではないか? とPTチャットで訴えてみたところ、この場に居る私以外のメンバー全員が盾に魔法が効かない事を失念していたらしい反応が返って來た。
『バカしかいないw』
『アハハハ』
『忘れてただけだw』
『あるあるでござるよw』
『そう言うことにしとくw』
溜息をひとつ零し、皆の言い分にとりあえずわかった的な返事をする。
盾に向かっていたはずの攻撃が重ATKに向いたことで、盾の眉がよる。こちらのMPやHPバーは盾の目にも映っているだろう。
無盡蔵にMPを使いきる勢いで魔法やスキルを使いまくるうちのメンバーたちのきに違和をじたらしい盾はその表を変えた。
『このまま、重ATKにMPバンバン使って。多分盾が裝備替える』
『了解でござる』
『おっけー!』
『わかったw』
見つからないようニヤっと笑った私は、バフを更新し終わり皆に指示を出した。もし相手が私たちのMPを見て裝備替えるとすれば全の殘りが1割に減った頃だろう。
全と言う事は私自もMPを減らす必要があると考え、重ATKに向けブレス オブ アローを打ち込んだ。
殘りMP1割を切ったところで、盾が不意に自の裝備を変更した、その行を目撃した私は、思通り事が運んだと顔が緩んだ。
振り返りざま、周囲を見回し全員が範囲にっていることを確認すると同時に、ローブに裝備を変更しマナ チャージを詠唱する。
全員のMPが八割まで復舊すると同時に、そのまま盾に対しバインド(+18)を執拗なまでに詠唱し設置、発させた。
『ラスト盾~』
シロの聲にハッとなり盾の狀況を見れば、そのは黒く変している。
そのままでもいずれ倒す事はできるだろう。けれど、出來るだけ早くこの試合を終わらせたいと考えアーマー ブレイク(+25)を詠唱して発させた。
五度目の発で漸く頭上に鎧が砕けるエフェクトが上がり、しだけらかくなった盾に対し攻撃をはじめるも既にHPは殘り半分と言ったところだった。
やりきったを抱えた私は、二刀を振りまわし斬り刻む。
宗乃助の短剣が赤いエフェクトを帯び、エフェクトは徐々に炎へと変わる。
短剣のきに合わせ揺らめいた炎は、盾の背中へ赤い筋を殘すとそのままへ吸い込まれていく。
數瞬後、それはの部を燃やしたのか短剣の刃の軌道を伝うよう噴き出した。
その隙間を狙うように、雷を纏った矢が幾本も盾の背中に突き刺さる。かと思えば、その後ろから鋭利に刃のような氷の塊が盾の肩を穿つ。
なすすべなくHPを削られた盾が倒れると同時に會場にブザーが鳴り響いた。
【 チームA Win 】と高々と表示された勝利の印を見上げ、互いにハイタッチをわす。
戦った相手にも「おつ」「おつかれさん」などと聲をかけ、今回の戦いでじたスキルの強化について思案する。
正直、今スキルの強化をするのは痛い……お金がかかる訳ではないが、現狀で強化するよりも四次職になってからの方が強化の功率が高いのだ。
その事を考えるとどうしても二の足を踏んでしまう。現狀の問題點などをもう一度考え直してどうにか打開策を考えようとブラックアウトする視界の中、思考を打ち切った。
足を運んでいただきありがとうございます。
明日はお休みを頂きます。
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