《世界最強はニヒルに笑う。~うちのマスター、ヤバ過ぎます~》クランハウス②

ティタの部屋を後にした私は、他のメンバーが未だ呼ばないことから一階へ戻った。

リビング・ダイニングの橫、階段側にある部屋の扉を開き見て、その広さと日當たりの良さ、庭を見渡せる窓の位置などからそこを、會議室に設定する。

使うことはないだろうな……と正直な想を思い描きながら、部屋を後に逆の扉へと向かう。

會議室側とは違い、午前中は日がりそうな作りの出窓。その窓が気にったのでここを私室にする。し広いがまぁ、いいだろう。

部屋を自分の部屋に設定したところで、宮ネェとさゆたんからお呼びが掛る。

[[ren] さゆたんし待ってて]

[[宮様] 來たわね~wここよ~!]

[[さゆたん] いいでしゅよ~w]

二人が同時に呼んだため、先にクラチャで聲をあげた宮ネェを優先した。

宮ネェが選んだ部屋は、三階にある黒部屋の隣。

南向きのテラスが付いた部屋だ。この部屋は続き部屋ではないものの、広さは今までで一番広い。

各部屋の広さは自由に小、拡張できるのだが……各自の居室となる部屋については、権限を持つものが部屋の広さの二倍までの広さ、高さであれば自由に変更できる仕様になっている。

例えばだが、10畳ほどの広さから20畳までなら拡張することができるのだ。

但し、部屋數は一個のまま変更はできない。

その為もう一部屋しい時は、その都度、全権限を持つマスターに要相談となる。

瞳を輝かせた宮ネェに見守られながら、壁に設置されたタッチパネルを作して、権限を與える。

[[宮様] ありがとう~♪]

[[ren] k]

余程楽しみだったのか権限を與えたと伝えるよりも早く、宮ネェが部屋の裝を変更し始めていた。

窓に取り付けられたグレーから白へグラデーションしているレースのカーテン、更にグレーの厚手の遮カーテンが取り付けられていた。

裝を変更する際、現実世界と違いわざわざ腳立などを用意してやる訳ではない。

予めアイテムボックスに室用の家や小などをれておき、室でアイテムボックスのアイテムをタップする。

すると、室小したようなウィンドウが表示され、何処に置くかの指定ができるのだ。

[[さゆたん] こっちでしゅよ~]

二階ティタの二個隣の角部屋の扉から顔を出したさゆたんが、クラチャを使い私を手招きしながら呼ぶ。

[[ren] お待たせ]

[[さゆたん] いいでしゅよw]

[[ゼン] マスター。終わったらお願いします]

[[ren] ゼンさん> k]

さゆたんの部屋は、意外とこじんまりとしたじだ。

私の選んだ私室と変わらない広さのそこは角部屋らしく、L字型に窓が配置されているため日當たりは本當に良さそうだった。

次が待っているため、さっそく壁に取り付けられたタッチパネルを作して、権限をさゆたんに與える。

[[ren] 終わり]

[[さゆたん] ありでしゅよ~w]

部屋の扉を開き退室する旨を伝える為、さゆたんの方を振り向いた私の視界に巨大なの娘のSSが映った。

まじかぁ……うわぁ……。

いぞ、うちの子マジ可い! とひとり褒めそやすさゆたんの姿に、ハッとする。

そう、これは見てはいけないものだ。そう直的に思った。そして、ごと視線を扉の方へ戻し、音を立てずそっと部屋を後にした。

部屋の扉すら音を立てずに閉めていた私を見つけたゼンさんが、元気良く聲をあげ笑顔を見せると手を振る。

その笑顔に癒された気分になった私は、さっきの嫌な景を脳から弾き飛ばした。

見なかったことにしたと言うべきなのかもしれない……。

[[ゼン] マスター。ここにしましたー!]

[[ren] うぃ]

ゼンさんは、階段正面にある部屋を選んでいた。

クランハウス々を知っているかと聞いた私にゼンさんは知らないと答えた。そうなると多分だが、ヒガキさんも知らないはずだ。

未だ部屋が決まっていない先生ではなく、裝をしているはずの宮ネェにクランハウスのあれこれの説明をクラチャで頼むと壁のタッチパネルを作して、権限をゼンさんに與えた。

[[宮様] ヒガキは部屋決まったのかしら?]

[[ren] まだ]

[[キヨシ] ren~! 決まったぜ!]

[[大次郎先生] 他に、補助金け取ってない奴いる?]

[[宮様] そう。じゃぁ二人共決まったら部屋で説明しましょうかw]

[[ティタ] ねね。庭にさ~、畑作ろ!]

[[白聖] 先生> 貰った。 ティタ> 誰が耕すんだよw]

[[ヒガキ] はい]

[[ティタ] 畑やればご飯味しいいのできるかもじゃん?w]

[[ゼン] お願いしますw]

[[白聖] 誰が作るんだよw]

キヨシクラチャで呼ばれ、言う通りに進めば庭に出た。

あれ? 部屋の設定するはずなのに……そう思いながら進んだ庭の隅の方にキヨシがいい笑顔で立っている。

[[キヨシ] ここにしたぜー!]

[[ren] は?]

キヨシが指示した先は、數本の木が集している、ただの庭で……。

木の幹にロープの様な何かで括りつけられた布が張られていた。

まるで、サバゲーのテントの様な狀態のそれは明らかに野営用の迷彩柄で作られている……。

「えっと……ここ設定要らない。ていうかベッド置ける?」

「んー。ほれw」

白チャでキヨシに設定する必要が無い事を伝え、ベッドが置けるのかと聞けばキヨシはし考え布を捲る。

そこには、藁ではなく雑草を引きちぎり重ねたの上に、布を乗せただけのベッドと呼ぶには余りにも酷いが置かれていた。

「ふふーん。いいだろー! この迷彩柄の布だけで80Mもしたんだぜーw」

バカだバカだとは思っていたが……本なのかもしれない。

布に80M使うぐらいならベッド買えよ! 本気で憤りを覚えつつ、彼がベッドと呼ぶ雑草の塊を見ながら確認した。

「……これ、寢てみた?」

「いいやーw 後の楽しみにしてる~w」

「……寢てみて」

「え~! どうしよっかなぁーw」

「いいから、寢て? で、ログアウトが表示されてるか見て?」

「んな、怒るなよ~w 大丈夫だって~!」

なんでこう言う時だけ後回しにするんだ! 怒るにきまってるでしょ? そう言いそうになるもぐっと堪え我慢する。

折角後のお楽しみにしてたのにと愚癡を零したキヨシがベッドと言う名の草に橫になる。

結果、言わずもがな……當然ログアウトの表示は出なかった。

[[†元親†] 俺は天才だ~! 実験室できたぁぁぁw]

[[黒龍] なぁ……チカ。聞いていいか?]

[[†元親†] なんだー?]

[[黒龍] お前……どこで寢んの?]

[[宗乃助] ren。決まったでござる]

[[†元親†] あ……]

キヨシのアホさ加減に苦笑いを浮かべるしかない私の視線が、あるチャットで止まる……ハッとなり慌ててクラチャで問いただした。

[[黒龍] ダメだこいつもう、お前宿屋で寢ろよ!]

[[ren] チカ! 補助金使ったの?]

[[†元親†] だって……宿屋は嫌だ―!]

[[大次郎先生] バカ……]

[[ティタ] え? ベッド買わなかったの?w]

[[ren] あ……ごめん、もういいや]

[[宮様] ren……きっちり全額使ったらしいわよw]

[[ren] チカ。キヅナのベッドを後でクラン倉庫にれる]

そう、私が慌てた理由は補助金を使い裝をしたのかどうか……だ。確認するまでも無く、黒たちのチャットで目の前が真っ暗になった。

あぁ……なんで、ふたりして……はぁ~。

本日何度目か分からない溜息を吐きだし、とりあえずチカの件を片づける。

その後、キヨシに殘りの金は?と聞けば、テントを構する紐やベッドのシーツの布に使ってしまったとまるで、ある金融會社のCMの犬の如き瞳で自白した。

「キヨシ……ハウスの中で部屋探して、ここはそのまま使っていいから」

「でも……」

「ベッドは、卑彌呼が置いていったのあるからそれで我慢して?

後で、クラン倉庫にれる」

「うん。ありがとうren」

基地作りたいなら作っていいから、部屋はハウスの中にして?」

「うん!」

小學生じゃないんだから、いい加減団する時ぐらいは考えて行することを覚えてしい。と言うのが私の本音だ。

これ以上クラン費からの出費を避ける為、元メンバーが置いて行ったベッドをれておくと伝えた。

足を運んで頂きありがとうございます。

面白いな、こういうの懐かしいななど思っていただけましたならば……(以下同文

よろしくお願いします。

昨日から掲示板を差し込みで、74部にれてあります。

本日は75部に差し込み予定です。

ブックマークがずれたりしたら申し訳ありません。

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