《世界最強はニヒルに笑う。~うちのマスター、ヤバ過ぎます~》クランハウス⑦ ボス狩り中
深夜にも関わらず元気なクラメンたちを引き連れて善悪の塔に登る。
60Fのボスは、いまのところクラメンを連れて登れる唯一のボスだ。70Fにも登れるが流石に、未知の場所に纏まりの無い、キヨシ&チカを連れていく気にはなれない。
[[ティタ] あー。スキル書でないかなぁ~]
[[宗乃助] 拙者は、玉がしいでござる]
[[黒龍] 玉は俺もしい]
[[大次郎先生] わたしだってしいよw]
[[さゆたん] 皆しいはずでしゅ]
玉か……私ですら一年半毎日通って漸く最近手にれた所だ、そう易々とでないだろうな……と思いながらも、誰かに出ればいいなと思った。
60Fへの道中、いつも通りに進んでいく。ヒガキさんゼンさんがいるとは思えないほど快適だ。
この二人が、きっちり言いつけを守り他に迷をかけていないからこそだ。
これがもし、今まさにゲイザーを引っかけ他人を巻き込んだチカと、巻き込まれゲイザーに固められたキヨシだったならば……これほど快適ではなかっただろう。
[[白聖] キヨシ……ゲイザーに固められるってやばくね?w]
[[†元親†] wwwww]
[[宮様] まー。裝備が裝備だから……w ピュリファイ]
[[ren] キヨシ。裝備替えた?]
[[キヨシ] んー。何も変えてないはずだけどw]
[[宗乃助] チカ、ごめんなさいするでござる!]
ふむ。ゲイザーで固まるのか……キヨシの運が悪いのか、渡したアクセが悪いのか……そんな事を考えながら57Fを登りきり58Fに差し掛かったところで、黒が左手で後ろにいるメンバーを止めた。
何事かと後ろから覗きこんでみれば、山羊の頭に赤い瞳。
口からは毒の霧の如き緑の息を吐き出し、二足歩行で徘徊する、三叉の槍を持つアレがいた!
[[ティタ] うわー。俺、初めて見たw]
[[黒龍] バフォだな……どうする?]
[[宗乃助] 殺るでござるよ]
[[大次郎先生] そうだね。ヒガキさんも、ゼンさんもいるし
走るにはキツイと思うw]
[[さゆたん] 魔法書ドロップ!! やるでしゅw]
[[宮様] 二人共、バフォが槍を振りまわす時は、離れてね~]
[[ティタ] タイミングは言うからw]
[[ヒガキ] はい!]
[[†元親†] こいつのローブあるってマジ?w]
[[ゼン] はい]
[[ren] バフ]
[[宮様] 全チャしておくわねw]
[[白聖] ローブあるの?]
[[キヨシ] マジで! 超しいーぜ!w]
バフをいつも通りれながら、クラチャに注目する。
バフォのHPや攻撃は、その討伐人數により変化すると言われている。人數が多ければ多いほどダメージが上がり強力になるらしい。
何故、らしいが付くのかと言えば、私がPTでバフォを討伐した事が無いからだ。
今回は11人と人數が多い、そのためかなり強化されたバフォになるだろう。
その強化がどれぐらいなのか、しだけワクワクした。
その後も続くクラチャ。
チカの言うバフォメットのローブは、不確かだが古參の間ではドロップすると言う噂がやかに流れている。
正直な話、今まで一度も見た事が無いので出るとは言えないが、もし出るのであればそれを目的に籠るのもありかもしれない。
強化するためには、最低でも100セットはしい……バフォ自、滅多に會えないのでそれを考えると最低でも數年単位で善悪の塔に籠る事になりそうだが。
個別のバフをれ終わり、ひとりブツブツ思考を繰り返している間に、カウントが0になっていた。
ポーカーフェイスを決めつつ慌てて、バフォにアーマー ブレイク(+25)を詠唱し、連発してエフェクトを上げた後、ウェポン ブレイク(+20)をれて行く。
[[ティタ] 來るよ!]
ティタの言葉を合図に、黒以外の全員がバフォから離れ槍を回避する。
ボォンとまるで、ジェット機の通り抜ける音を近くで聞いたようなそんな音が鳴り、バフォの槍が水平に弧を描いた。
槍が通り過ぎると同時に、黒に対し宮ネェが回復を飛ばす。ティタ、先生、宗乃助がエフェトを武に纏わせながらバフォに近付き斬り付けた。
ゼンさん、ヒガキさんも負けじと果敢にバフォに斬りかかる。その背後から、鋭利に尖った氷が二本、バフォに突き刺さると雷を纏った矢が、それを破壊するかのように抜いた。
タゲが流れないよう、十秒に一度のタイミングで黒のヘイトが上がる。
もう既に、結構な時間が経ったように思うが、未だ元気に槍を振りまわす山羊に私もまた、ブレス オブ アローを叩き込んだ。
[[白聖] かてぇ!!]
[[宗乃助] 想像以上にいでござるなw]
[[キヨシ] ムキムキ過ぎw]
[[ティタ] 來る!]
5分以上の時間を攻撃に當てるも、倒れる気配が無いバフォ。
そのさに、クラメンからは愚癡にも近い言葉がれた剎那、バフォが槍を払う仕草をする。それを見たティタから振りまわしの合図がり、黒以外のメンバーが全員離れる。
またも、すさまじい音を上げ槍が弧を描くと黒のHPが4割を切る勢いでゴリっと減った。すぐさま、宮ネェとチカが回復を飛ばし全開する。
[[黒龍] 徐々に痛くなってくるな]
[[さゆたん] 回數重ねるごとにダメージ増えてるでしゅか?]
[[大次郎先生] やばそうだな……]
[[†元親†] こいつ、ダメージってるのか?w
元気すぎね―?w]
[[ren] バフ]
予想以上にバフォのHPが高い。挙句ダメージを與えているはずなのに、まったくその気配がない。これはマズイ気がする。
そう思いつつ、打開策を模索しながら個別バフの更新をした。
現時點で黒のHPが一撃で4割ほど持っていかれている。さゆたんの言う通り回數を重ねる度攻撃力が上がるのであれば、いずれ一撃で黒のHPを吹き飛ばしかねない。
[[ren] 黒、槍振りまわす時、離れてヘイトだけれて。
ティタ、もうワンテンポ早く知らせられる?]
[[黒龍] k]
[[ティタ] んー。やってみる]
タゲ固定さえできれば問題ないはずと、黒にも離れるように伝え。ティタに、もうし早く離れる指示を出すよう頼んだ。
これでし様子を見てみようと思っていた矢先、バフォの深紅の瞳が更に濃い赤にった。
「宮ネェ」
「バリア!」
宮ネェの反応速度のおかげで何とか避ける事ができた、バフォの最強範囲攻撃。
墜落(クラッシュ )の(オブ )矛(トライデント)
「チカ! 繋いでバリア!」
「任せろ!」
「5……4……3「バリアー!」
バフォ最強の範囲攻撃、墜落の矛は、PT用に強化されたバフォのみが使うとされているスキルで、その効果範囲は階層全てで、効果時間は30秒だとアップされた際に見た公式に書いてあったので覚えていた。
その階層にいるPTの全滅フラグと呼ばれ、バフォをやる時は全チャで報告をれなければならないほど危険視されている。開始前に宮ネェが全チャをれた理由がこれだ。
[[ティタ] 怖!]
[[白聖] やべぇw]
[[キヨシ] ガクガクブルブル]
[[さゆたん] 怖いでしゅwww]
[[黒龍] これが出たってことは殘り三割切ってるなw
一気に押し切るぞ!]
[[大次郎先生] さっさと終わらせよう]
[[ゼン] 手が震えます……]
[[†元親†] 俺スゲー!]
[[宮様] ふー。心臓みあがったわw]
[[宗乃助] 二人共良くやったでござるよw]
[[ヒガキ] こんな攻撃があるんですね……怖い]
この攻撃は、バリア一枚では時間的な問題で避ける事が出來ない。本當に、宮ネェとチカが居て良かったと心から思った。
最大攻撃を初めてけたメンバーが多い中、黒だけがその攻撃をけた事があったのかHPの殘り三割を切っている事を知っていた。それを聞いたメンバーたちが、再び顔を引き締めバフォを取り囲み攻撃を再開した。
その後再び、槍を振りまわす攻撃が一度あったものの無事バフォを倒す事が出來た。表示されたシステムログを確認するも殘念ながら、ローブのドロップは無かった。
【 善悪の塔を彷徨いしバフォメットを討伐しました。 】
【 753656ゼルを獲得しました。 】
【 スキル書・クラッシュ トライデント を獲得しました。 】
【 魔法書・クリーピング フィーレ を獲得しました。 】
【 善悪の塔91階の寶玉を獲得しました。 】
【 善悪の塔91階のスクロールを3枚獲得しました。 】
足を運んで頂きありがとうございます。
なんとかお晝休みには間に合いました。
すみません。さゆたんの口調が変でしたね。訂正しました。
- 連載中283 章
【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】
※書籍&コミカライズ決定しました!書籍第1巻は8/10発売、コミカライズ第1巻は10/15発売です! ※ニコニコ靜畫でお気に入り登録數が16000を突破しました(10/10時點)! ※キミラノ注目新文蕓ランキングで週間5位(8/17時點)、月間15位(8/19時點)に入りました! ある日、月坂秋人が帰宅すると、そこには三人の死體が転がっていた。秋人には全く身に覚えがなかったが、検察官の悪質な取り調べにより三人を殺した犯人にされてしまい、死刑となった。 その後、秋人は“支配人”を名乗る女の子の力によって“仮転生”という形で蘇り、転生杯と呼ばれる100人によるバトルロイヤルの參加者の1人に選ばれる。その転生杯で最後まで勝ち殘った者は、完全な形で転生できる“転生権”を獲得できるという。 そして參加者にはそれぞれスキルが與えられる。秋人に與えられたスキルは【略奪】。それは“相手のスキルを奪う”という強力なスキルであった。 秋人は転生権を獲得するため、そして検察官と真犯人に復讐するため、転生杯への參加を決意した。
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